ドローン測量の仕事とは?未経験から始める仕事内容・年収・資格を徹底解説
「ドローンを飛ばす仕事」に興味があっても、実際の測量業務は操縦だけではありません。現地調査、基準点、撮影計画、点群処理、精度確認、図面化までを一つの流れとして解説します。
- 本文:約15,000字
- 対象:第二新卒・未経験
- 対応求人あり
- 更新:2026年7月
先に結論:未経験からドローン測量に挑戦できますが、目指すべきは「ドローンを飛ばせる人」だけではなく、正しい測量成果を作れる人です。操縦、測量、航空法等のルール、3次元データ処理を順番に学び、測量士・測量士補や無人航空機の技能証明も業務に合わせて検討しましょう。
ドローン測量とは?空から地形データを取得する測量技術
ドローン測量は、無人航空機(UAV)にカメラやレーザースキャナーを搭載し、上空から地表を計測する方法です。取得した写真やレーザーデータを専用ソフトで処理し、位置と高さを持つ3次元点群、真上から見たように補正した画像、地形モデル、断面図などを作成します。
建設現場では、着工前の地形把握、土量の計算、施工途中の出来形確認、完成後の記録などに活用されます。河川、道路、造成地、災害現場、森林、採石場など、広い範囲や人が入りにくい場所を短時間で計測できることが強みです。
ただし、空から撮れば自動的に正しい測量成果ができるわけではありません。必要な精度を決め、基準点を設置し、撮影の重なりや高度を計画し、天候を確認し、データの誤りや欠測を修正します。ドローンは測量の道具の一つであり、本業は測量です。
地形、障害物、飛行区域、電波、立入管理を確認する。
計画したコースで写真やレーザーデータを取得する。
大量の点から地形を表す3次元データを作る。
地図、断面、土量、CAD・GIS用データへ整える。
重要な考え方:操縦が上手でも、要求精度を満たさなければ測量成果として使えません。測量知識とデータ処理が仕事の中心です。
従来の地上測量とドローン測量の違い
| 比較項目 | 地上測量 | ドローン写真測量 | ドローンレーザ測量 |
|---|---|---|---|
| 計測方法 | 測量機器を設置し、点を測る | 写真の重なりから3次元形状を復元 | レーザーで地表までの距離を計測 |
| 得意な場所 | 細部、狭い範囲、構造物 | 開けた土地、造成地、広域 | 森林、起伏、植生のある場所 |
| 現地作業 | 人が移動しながら計測 | 基準点設置+飛行 | 調整点+飛行 |
| 内業 | 計算、図面作成 | 写真解析、点群編集 | 点群分類、地表抽出 |
| 注意点 | 測点ごとの精度管理 | 水面、影、植生、模様の少ない地表 | 機材費、データ量、飛行条件 |
ドローン測量は地上測量を完全に置き換えるものではありません。建物の陰、橋の下、水面、狭い現場など、空から計測しにくい場所があります。必要に応じてトータルステーション、GNSS、水準測量、3Dレーザーなどを組み合わせます。
未経験者は「新しい方法」と「従来の測量」を対立させず、目的に合う方法を選ぶ視点を身につけることが重要です。
ドローン測量の仕事の流れ|受注から納品まで
現地確認を省略できない理由
地図上では飛ばせそうでも、現場には電線、クレーン、樹木、道路、住宅、電波障害、第三者の立入りがあります。離着陸場所と緊急着陸場所も必要です。飛行経路だけでなく、万一のときにどこへ降ろすかまで考えます。
撮影計画
写真測量では、隣り合う写真に十分な重なりを持たせます。高度が高すぎると細部が粗くなり、低すぎると撮影枚数と飛行時間が増えます。地形、カメラ、必要精度に合わせて計画します。
撮り直しのコスト:現地を離れてから写真の不足に気づくと、再訪問・再申請・再飛行が必要です。現場でデータを確認する工程が欠かせません。
飛行後の内業|点群・オルソ画像・CAD・GIS
ドローン測量は、飛行よりデータ処理に時間がかかる場合があります。大量の写真やレーザー点群を扱い、正しい座標と地形へ整えます。
3次元点群
地表や構造物を多数の点で表したデータです。一つひとつの点が位置と高さを持ちます。点群から地形の起伏、距離、面積、体積を確認できます。
オルソ画像
空中写真の傾きや地形によるずれを補正し、真上から見た地図のように整えた画像です。位置を測れる画像として、現況確認や図面の背景に利用されます。
点群編集
樹木、草、車両、作業員、ノイズなど、成果に不要な点を除去します。国土地理院のUAV公共測量マニュアルでも、異常点の除去や欠測部の補測、必要に応じた追加撮影・再計算が示されています。
CAD・GISへの受け渡し
等高線、断面、平面図、地形モデルなどを作り、設計や施工管理で使える形式にします。測量データが正しくても、相手が使えない形式では成果になりません。ファイル形式、座標系、単位、レイヤーを確認します。
未経験者の入口:写真整理、基準点入力、点群の目視確認、CAD修正、成果チェックなど、先輩の指示で内業から学ぶ場合もあります。
1日の流れ|現場日と内業日
現場日の例
内業日の例
写真の整理、基準点入力、3次元形状復元、点群編集、精度確認、断面・等高線・土量の作成、報告書作成を行います。処理時間中に別案件の計画や機材点検を進めることもあります。
天候による変更
雨、強風、視界不良などで飛行を延期する場合があります。延期時に内業へ切り替えられる会社は、予定を調整しやすい傾向があります。無理に飛ばさない判断が安全と品質を守ります。
年収・求人賃金・求人倍率|測量士の公的データ
| 指標 | 全国値 | 出典 |
|---|---|---|
| 就業者数 | 263,870人 | 令和2年国勢調査を加工したjob tag掲載値 |
| 年収 | 543.1万円 | 令和7年賃金構造基本統計調査を加工 |
| 月間労働時間 | 163時間 | 同上 |
| 平均年齢 | 46.1歳 | 同上 |
| 求人賃金月額 | 28.2万円 | 令和6年度ハローワーク求人統計 |
| 有効求人倍率 | 4.4倍 | 令和6年度ハローワーク求人統計 |
年収543.1万円は、測量技術者等の対応職業分類に基づく値で、経験者や有資格者を含みます。未経験初年度の給与を示すものではありません。資格、担当業務、現場、地域、会社規模で差があります。
有効求人倍率4.4倍は、ハローワーク上で求職者より求人が多い状態です。測量は資格と経験の蓄積が必要で、若手の育成需要があります。だからこそ、未経験求人では「採用されやすさ」だけでなく「育ててもらえるか」を確認する必要があります。
求人票で確認する項目
- 基本給と固定残業代
- 現場・出張・早朝手当
- 測量士・測量士補の資格手当
- ドローン技能証明の費用負担
- 機材・作業服・安全装備の負担
- 試用期間中の給与
- 天候中止日の給与と業務
- 賞与・昇給の評価基準
数字の注意:「ドローンパイロット」の賃金は本業によって変わります。本記事では、対応求人の本業である測量士・測量技術者の統計を基準にしています。
必要な資格|測量士・測量士補とドローン技能証明
測量士・測量士補
基本測量または公共測量に技術者として従事する場合は、測量法に基づく測量士または測量士補が必要です。指定された教育機関で必要科目を学び、実務経験を積んで登録する経路と、試験に合格して登録する経路などがあります。
未経験者が入社直後から測量全体を統括するわけではありません。測量補助、機材設置、記録、データ処理などを経験し、測量士補・測量士を目指す形があります。資格取得支援がある場合は、受験料、講習、勉強時間、合格後の手当を確認しましょう。
無人航空機操縦者技能証明
無人航空機には一等・二等の技能証明制度があります。ただし、技能証明がなければ一切飛ばせないという単純な制度ではありません。飛行空域・方法、機体認証、立入管理、許可・承認など複数条件が関係します。
仕事でドローンを扱う場合は、会社の運航管理、飛行申請、機体登録、保険、補助者、教育の仕組みが重要です。資格だけを取得しても、測量成果を作る知識がなければドローン測量の仕事は完結しません。
普通自動車免許
現場と会社の移動、機材運搬があるため、普通免許を応募条件にする求人があります。運転する車両、移動範囲、出張の有無を確認します。
飛行ルールと安全管理|資格より先に守ること
国土交通省は、無人航空機の飛行禁止空域、飛行方法、許可・承認、緊急用務空域などのルールを案内しています。100g以上の無人航空機は機体登録が必要で、登録されていない機体を飛行させることはできません。
飛行前の確認
- 機体登録と識別情報
- 飛行空域と必要な手続き
- 緊急用務空域の指定状況
- 天候、風速、視界
- 周囲の人、車両、建物、電線
- 離着陸・緊急着陸場所
- バッテリー、プロペラ、通信状態
- 操縦者・補助者・現場責任者の役割
飛ばさない判断
予定どおり進めたい気持ちがあっても、強風、雨、電波不良、第三者の立入りなどがあれば中止・延期します。測量は精度が重要であり、機体が不安定な状況ではデータ品質も下がります。
撮影データの管理
写真には土地、建物、人、車両などが写ることがあります。データの保存先、持ち出し、共有、削除ルールを守ります。顧客データを個人端末へ残さないなど、情報管理も仕事の一部です。
プロの基準:予定日に飛ばしたことではなく、安全に正しい成果を納品したことが評価されます。
未経験からドローン測量へ転職する7ステップ
前職別に活かせる経験
現場ルール、KY、図面、工程の理解。
機器点検、数値確認、誤差、記録の習慣。
データ整理、図面修正、報告書、期限管理。
現場移動、安全運転、機材管理、天候判断。
向いている人・慎重になった方がいい人
| 向いている人 | 慎重になった方がいい人 |
|---|---|
| 数値と位置を何度も確認できる | おおよその感覚で済ませたい |
| 屋外とPC作業の両方に取り組める | 操縦だけを担当したい |
| 安全上の中止判断ができる | 予定優先で無理をしやすい |
| 機材の点検・管理が丁寧 | 準備や片付けを軽視する |
| 新しい機器・ソフトを学べる | 一度覚えた方法だけを使いたい |
| チームで声を掛け合える | 補助者の確認を邪魔だと感じる |
ドローン測量は、屋外で体を動かす日と、PCで大量のデータを処理する日の両方があります。「外仕事だけ」「デスクワークだけ」と考えるとギャップが生まれます。
働き方のリアル|天候・出張・繁忙期
天候に左右される
雨や強風で飛行できないことがあります。地上測量も悪天候の影響を受けます。延期時のスケジュール調整や、内業への切り替えが必要です。
現場ごとに場所が変わる
会社周辺だけでなく、道路、河川、造成地、山間部、災害現場へ出向く場合があります。早朝出発、出張、宿泊の有無を確認します。
工程によって忙しさが変わる
着工前、出来形確認、納期前などに作業が集中します。現地作業の後にデータ処理が続くため、「現場から戻れば終わり」とは限りません。
チーム作業
操縦者、補助者、測量担当、現場責任者などで役割を分けます。飛行中に操縦画面だけを見続けず、周囲を監視する補助者との声かけが重要です。
失敗しない会社・求人選び10項目
- 本業:測量、点検、撮影のどれが中心か
- 未経験の入口:補助、内業、飛行のどこから始めるか
- 研修:測量機器、ドローン、ソフト、安全の内容
- 資格支援:測量士補、技能証明の費用と手当
- 機材:写真、レーザー、3Dスキャナー等の保有状況
- 内業:点群、CAD、GISを自社で行うか
- 安全体制:飛行判断、補助者、保険、事故報告
- 働き方:早朝、出張、休日、天候中止時の業務
- 担当範囲:飛行だけでなく成果作成まで進めるか
- キャリア実績:未経験者が2〜3年後に何を担当しているか
「ドローンを飛ばせる」だけで選ばない:飛行件数、測量資格者、解析環境、成果の品質管理が整った会社ほど、長期的な技能を積みやすくなります。
面接対策|未経験者が伝えるべきこと
志望動機の組み立て
- ドローンそのものではなく、測量・インフラへ興味を持った理由
- 正確さ、安全、記録を重視した前職経験
- 現場と内業の両方を理解していること
- 測量や飛行ルールの基礎学習
- 資格取得と担当範囲を広げる意欲
回答例
前職では製品検査を担当し、測定値と基準の照合、記録、異常時の報告を行っていました。ドローン測量も、飛行の面白さだけでなく、精度を満たす計画とデータ確認が重要だと理解しています。現在は測量の基礎用語と無人航空機の飛行ルールを学んでおり、入社後は基準点設置や点群処理を含めて身につけたいと考えています。
逆質問
- 未経験者が最初の3か月で担当する業務
- ドローン飛行と地上測量・内業の割合
- 測量士・測量士補の資格支援
- 写真測量とレーザー測量の案件割合
- 飛行中止を判断する責任者
- 点群処理・CADを学ぶ教育体制
- 出張・早朝勤務・休日出勤の実績
キャリアの広がり|操縦者から測量技術者へ
公共測量を含む専門業務へ進む。
写真・レーザーの飛行計画と計測を担う。
3次元データ、地図、解析を専門化する。
土量、出来形、ICT施工へ測量成果をつなぐ。
工程、安全、精度、チームを管理する。
関連分野の資格と実務へ広げる。
ドローンの機体や自動飛行機能は進歩しますが、何をどの精度で測り、成果が正しいかを判断する仕事は残ります。操縦操作だけに依存せず、測量・解析・説明まで広げることがキャリアの安定につながります。
よくある質問
未経験でも応募できますか?
未経験可の求人があります。最初は測量補助、機材、基準点、写真整理、点群確認などから学ぶ場合があります。
ドローン資格があれば測量できますか?
操縦資格だけでは測量成果を作れません。測量計画、座標、精度、点群処理、図面の知識が必要です。
測量士の年収543.1万円は未経験でも得られますか?
経験者・有資格者を含む職業分類の値です。未経験初年度の給与ではないため、求人票の開始月給と昇給基準を確認してください。
飛行時間は仕事の何割ですか?
案件と会社によります。現地調査、基準点、地上測量、データ処理、図面、報告書の時間も大きな割合を占めます。
数学が苦手でも大丈夫ですか?
基礎計算や座標、誤差の理解は必要です。いきなり高度な計算を暗算するのではなく、意味を理解し、ソフトの結果を確認できる力を育てます。
女性も働けますか?
働けます。機材運搬、現場環境、更衣設備、安全装備のサイズ、出張の有無などを職場見学で確認しましょう。
まとめ|ドローンを飛ばす人ではなく、測量成果を作れる人へ
この記事の要点
- ドローン測量は写真・レーザーから3次元地形データを作る仕事。
- 操縦だけでなく、現地調査、基準点、点群処理、精度確認がある。
- 地上測量とドローン測量は目的に応じて使い分ける。
- 現場作業とPCでの内業の両方を担当する。
- job tag掲載値は年収543.1万円、求人賃金28.2万円、倍率4.4倍。
- 基本・公共測量では測量士・測量士補が重要となる。
- 無人航空機の技能証明だけで測量業務は完結しない。
- 機体登録、空域、飛行方法、天候、安全管理を守る。
- 求人選びでは飛行件数より、測量・解析・品質管理体制を見る。
- 操縦から測量、点群、ICT施工へ広げると専門性が高まる。
ドローン測量は、新しい機械を操るだけの仕事ではありません。土地の位置と形を正確に捉え、建設・防災・維持管理に使えるデータへ変える専門職です。
未経験から挑戦するなら、ドローンへの興味を入口にしながら、測量の基礎、安全、データ処理を着実に学んでください。マン天の求人では、実際の仕事内容と職場の雰囲気をマンガで確認してから応募できます。
参照元ソース
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「測量士」:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/24
- 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「ドローンパイロット」:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/511
- 国土交通省「無人航空機の飛行ルール」:https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
- 国土交通省「無人航空機登録ポータルサイト」:https://www.mlit.go.jp/koku/drone/
- 国土地理院「UAVを用いた公共測量マニュアル」:https://www.gsi.go.jp/common/000186712.pdf
- マン天「ドローン測量求人」:https://manten-comic.com/job_listing/sanki/
※数値は各公式サイト掲載時点の情報です。job tagの統計は対応する職業分類を基にしており、未経験初年度の給与を示すものではありません。飛行に必要な手続きは空域、方法、機体等で異なるため、最新の国土交通省情報をご確認ください。


