「40代・50代で転職なんて、もう遅いのでは?」「年齢がネックで書類選考すら通らないかも…」「定年後も働きたいけど、60代で雇ってくれる会社なんてあるの?」——こうした不安を抱えている方に、まずお伝えしたいことがあります。
2026年現在、ミドルシニア(40代〜60代)の転職市場は「過去最高の活況」を迎えています。大手転職サービス「doda」の調査によると、45〜60歳の転職者数は2025年4〜9月期で2019年比2.49倍を記録。かつて「35歳転職限界説」と言われた時代は完全に終わり、経験豊富なミドルシニア人材を積極的に採用する企業が急増しているのです。
この記事では、40代・50代・60代それぞれの転職事情から、未経験でも挑戦しやすいおすすめ職種、転職を成功させるための具体的なコツ、そして実際の成功事例まで、最新データをもとに徹底解説します。心理学や脳科学の観点から「なぜミドルシニアが採用されるのか」「どうすれば面接官の心を動かせるのか」についても掘り下げていきます。
マンガ求人サービス「マン天」でも、ミドルシニア歓迎の求人を多数掲載中です。マンガだから仕事内容や職場の雰囲気がひと目でわかり、自分に合った仕事を見つけやすいのが特徴です。新しいキャリアへの一歩を、ぜひこの記事から踏み出してください。
2026年のミドルシニア転職市場|「黄金期」到来の理由
なぜ今、ミドルシニアの転職が活発化しているのでしょうか。その背景には、日本の労働市場における構造的な変化と、企業の採用戦略の大きな転換があります。
転職者数は過去最高水準——「35歳限界説」は完全に崩壊
マイナビの「転職動向調査2026年版」によると、2025年の正社員転職率は7.6%で過去最高水準を記録しました。特に注目すべきは、30代〜50代の転職率が前年比で増加している点です。年代別では20代が12.0%で最多ですが、40代・50代の転職は継続的に上昇傾向にあり、ミドルシニアの転職がもはや「珍しいこと」ではなくなっています。
パーソルキャリアの調査でも、転職サービス「doda」に新規登録したミドルシニアは2025年上期時点で2019年同期比164%に増加。登録者数は2020年上期以降、5年連続で増加を続けています。これは、ミドルシニア自身が「転職は可能だ」という意識を持ち始めていることの表れです。
かつて日本の転職市場では「35歳を過ぎると転職は難しい」という「35歳転職限界説」が広く信じられていました。しかし、2026年現在、この常識は完全に過去のものとなりました。企業は年齢よりも「何ができるか」「どんな経験を持っているか」を重視するようになり、即戦力となるミドルシニア人材への需要が急速に高まっているのです。
人手不足が生み出す「即戦力」へのニーズ
ミドルシニア採用が拡大している最大の理由は、深刻な人手不足です。少子高齢化の進行により若年労働力の減少が続く中、企業は経験やスキルを持つ即戦力人材の確保に躍起になっています。
dodaの企業調査によると、2025年度に「40代後半〜50代前半」の採用を「増やす見込み」と回答した企業は約47%に達しました。50代後半でも42.1%、60歳以上でも40.4%の企業が採用増を見込んでいます。これは、年齢を理由に採用を避ける時代が終わりつつあることを如実に示しています。
企業がミドルシニアに期待するのは、長年の業務経験から得た専門知識やノウハウ、マネジメントスキル、そして若手社員にはない「仕事への責任感」や「安定性」です。特に、GX(グリーントランスフォーメーション)や金融領域など専門性の高い分野では、ミドルシニアの知識・経験への採用ニーズが高まっています。
求人検索トレンド1位は「ミドル シニア」
求人ボックスの「2025年求人検索トレンドランキング」では、検索数が最も急上昇したキーワードの1位が「ミドル シニア」でした。これは、求職者側の行動にも大きな変化が起きていることを示しています。
物価上昇や年金不安を背景に、「長く働きたい」「定年後も社会と関わり続けたい」というニーズが急速に高まっています。また、「スキマ時間 バイト」「副業」といったキーワードも急上昇しており、フルタイムだけでなく柔軟な働き方を求める傾向も強まっています。
人気検索キーワードランキングでは、「50代」が2024年の9位から2025年には3位へと急上昇。これは、50代が「仕事を探すことが特別ではない選択肢」として定着しつつあることを示しています。
制度改正が後押しするシニア雇用の拡大
2025年4月から、高年齢者雇用安定法の改正による経過措置が終了し、企業は希望する従業員全員に対して65歳までの雇用機会を確保することが義務化されました。これにより、企業は「定年制の廃止」「定年年齢の65歳への引き上げ」「希望者全員を対象とした65歳までの継続雇用制度の導入」のいずれかの対応を取る必要があります。
この制度改正を受けて、60代の求人は「量・選択肢ともに最大規模」となっています。求人ボックスのデータによると、60代向け求人の平均掲載数は約540万件にのぼり、「60代 正社員」の求人も約395万件と豊富です。
ミドルシニア転職市場の最新データ
45〜60歳の転職者数は2019年比2.49倍で過去最高、転職決定者の平均年収は566万円(2019年比+19万円)、40代後半〜50代前半の採用増を見込む企業は約47%——データが示すように、2026年は「ミドルシニア転職の黄金期」です。年齢を理由に諦める必要はありません。
年代別の転職事情|40代・50代・60代それぞれの特徴と戦略
同じ「ミドルシニア」でも、40代・50代・60代では転職市場での立ち位置や求められる役割が異なります。自分の年代の特徴を理解し、戦略的に転職活動を進めることが成功への近道です。
40代——「キャリアの集大成」か「新たな挑戦」か、選択の分岐点
40代は、これまでのキャリアを活かした転職と、新しい分野への挑戦の両方が選択肢に入る年代です。厚生労働省の調査によると、40代前半の男性で約5%、女性で約10%が1年間に転職を実現しています。
40代転職の最大の強みは、マネジメント経験と専門スキルの両方をアピールできる点です。プレイヤーとしての実績に加え、チームリーダーや部門管理の経験があれば、即戦力として高く評価されます。企業側も「若手を育成しながら成果を出せる人材」を求めており、40代はまさにそのポジションにマッチします。
一方、未経験分野への転職は20代・30代に比べてハードルが上がるのも事実です。ただし、これまでの経験を「再定義」することで、異業種への転職を成功させている方も多くいます。例えば、営業職の経験を「顧客折衝力」「提案力」として捉え直し、コンサルティング職や人材業界へ転職するケースなどです。
40代転職で成功するためのポイントは、「経験の棚卸し」と「再現性のある強みの明確化」です。「何となくできる」ではなく、「どんな状況で、どんな成果を、どのように出したか」を具体的に言語化できることが、採用可否を分けます。
40代転職で注意すべき点
40代は「転職死ぬほど後悔」という検索ワードが多いことからもわかるように、転職に失敗して後悔するケースも少なくありません。後悔を避けるためには、「年収」「役職」「やりがい」「ワークライフバランス」など、何を優先するのかを明確にしてから転職活動を始めることが重要です。
50代——「経験値」を武器に、条件より「役割」を重視
50代は、役職定年や定年を見据えて本格的に転職を検討する人が増える年代です。厚生労働省のデータでは、50代の転職成功率は約5〜6%と他の年代より低いものの、近年は状況が大きく改善しています。
50代転職で成功する人の共通点は、「年収」より「ポジション」や「やりがい」を優先できることです。現職での年収にこだわりすぎると選択肢が狭まりますが、「自分の経験が活かせる役割」を軸にすることで、思わぬ好条件のオファーにつながることもあります。
パーソルキャリアの調査によると、ミドルシニアが「転職したいと思う瞬間」として「給料に不満がある」(23.5%)、「仕事がつまらない」(20.2%)、「会社の将来が不安」(17.5%)が上位に挙がっています。また、「現在の仕事での悩み」1位は「給料があがらない」(37.7%)でした。
こうした不満を転職で解消するためには、「何を変えたいのか」を明確にすることが重要です。年収だけを追い求めると、結局「仕事がつまらない」「やりがいがない」という別の不満を抱えることになりかねません。
50代転職の心理学的アプローチ
心理学の観点から見ると、50代の転職では「自己効力感(self-efficacy)」が重要な役割を果たします。自己効力感とは、「自分にはできる」という確信のこと。長年のキャリアで培った経験を「強み」として認識し、自信を持って面接に臨むことが成功への鍵となります。
また、面接官の心理として、50代の応募者に対しては「柔軟性があるか」「新しい環境に馴染めるか」を特に注視する傾向があります。「前職のやり方に固執しない」「若手から学ぶ姿勢がある」ことを具体的なエピソードとともに伝えることで、こうした懸念を払拭できます。
60代——「定年後のキャリア」を自分で設計する時代
60代は、高年齢者雇用安定法の改正を受けて、仕事探しが最も活発化している年代です。求人ボックスの調査では、「60代」に関する検索数は2022年11月比で約1.7倍、「70代」に至っては10.6倍という驚異的な伸びを記録しています。
60代の転職で特徴的なのは、「正社員」「派遣」「パート」など雇用形態を慎重に見極めながら仕事を探す傾向がある点です。60代と一緒に検索されたキーワードランキングでは、「パート」が1位、「女性」が2位、「正社員」が3位と続いています。フルタイムか短時間か、正社員か非正規か、自分の体力や生活スタイルに合った働き方を選べる時代になっているのです。
また、60代の急上昇検索ワード1位は「60代以上 定年なし」(前年比5.5倍)でした。これは、60代が「次の仕事」を探しているのではなく、「いつまで働けるか」を最初から重視していることを示しています。
60代に人気の働き方
求人ボックスのデータによると、60代向け求人の平均掲載数は約540万件、平均時給は1,125円(全国最低賃金の加重平均1,121円を上回る水準)。「60代 正社員」の求人も約395万件あり、平均月給は27.5万円となっています。
60代の急上昇キーワードには「警備 寮完備 60代」「シニアバイト 60代 深夜」「社会保障完備」なども並んでおり、住まいと仕事をセットで確保したい、年金と両立しやすい時間帯で働きたい、といった生活設計と直結した働き方ニーズが強まっていることがわかります。
【年代別】転職市場データ比較
| 年代 | 転職率 | 企業の採用意欲 | 主な検索キーワード | 転職成功のカギ |
|---|---|---|---|---|
| 40代 | 5〜10% | 47%が採用増予定 | 正社員、管理職、年収アップ | マネジメント経験・専門スキル |
| 50代 | 約5〜6% | 42.1%が採用増予定 | 未経験、資格、やりがい | 経験の棚卸し・柔軟性 |
| 60代 | 急増中 | 40.4%が採用増予定 | パート、定年なし、寮完備 | 体力・働き方の選択 |
出典:厚生労働省調査、doda「企業のミドルシニア層の採用に関する調査」(2025年12月)、求人ボックス調査
未経験でも挑戦できる!ミドルシニアにおすすめの職種12選
「未経験の仕事に40代・50代から挑戦するのは難しい」——そう思っていませんか?実は、年齢よりも「やる気」「体力」「人柄」を重視する業界・職種は数多く存在します。ここでは、ミドルシニアが未経験から始めやすい職種を厳選して12職種ご紹介します。
1. 施設管理人・マンション管理
マンションやビル、駐車場などの管理を行う仕事です。学歴や資格を問わず、中高年を積極的に採用する傾向があり、60代検索キーワードでも上位にランクインしています。座り仕事のイメージが強く、体力的な負担が比較的少ないため、シニア層からの人気が高い職種です。
主な業務は、居住者対応、設備の点検、共用部分の清掃確認、業者との連絡調整などです。コミュニケーション能力と責任感があれば、未経験からでも十分に活躍できます。求人ボックスによると、平均年収は470万円程度。管理業務主任者などの資格を取得すれば、さらなるキャリアアップも可能です。
2. 警備員
施設警備や交通誘導などの仕事は、ミドルシニア歓迎の求人が非常に多い職種です。研修制度が充実しており、未経験からでも始めやすいのが特徴。法定研修(新任教育)を受ければ、誰でも警備員として働くことができます。
60代の急上昇検索ワードでは「警備 寮完備 60代」が2位にランクイン。住まいと仕事をセットで確保したいニーズの高さがうかがえます。夜勤シフトを選べば収入アップも可能で、月給25万円前後が相場となっています。
3. 介護職員・介護補助
人手不足が深刻な介護業界は、未経験者を積極的に採用しています。無資格でも働ける「介護補助」からスタートし、働きながら資格を取得してステップアップするキャリアパスが一般的です。
求人ボックスによると、介護職員の平均求人数は約195万件、平均月給は31.9万円。70代向けの急上昇ワードでは「介護補助 見守り」が50倍以上の伸びを記録しており、シニア世代の関心の高さがうかがえます。人の役に立つ実感を得られる仕事であり、「やりがい」を重視する方におすすめです。
4. トラックドライバー・配送ドライバー
2024年問題(労働時間規制)を背景に、ドライバー職の待遇改善が急速に進んでいます。大型免許を持っていれば即戦力として歓迎されますし、普通免許で運転できる軽貨物からスタートすることも可能です。
求人ボックスのデータでは、トラック運転手の平均求人数は約9.3万件、平均月給は31.1万円。物流業界の検索トレンドでも「トラック運転手」は上位にランクインしており、待遇改善への期待から転職を検討する人が増えています。
5. タクシードライバー
第二種運転免許は入社後に取得支援してくれる会社も多く、40代・50代からの転職先として人気があります。都市部では訪日観光客の増加でタクシー需要が高まっており、年収アップを実現している方も少なくありません。
タクシードライバーの魅力は、自分のペースで働ける点です。売上に応じた歩合給制が多いため、頑張った分だけ収入に反映されます。人と話すことが好きな方、地理に詳しい方に向いている職種です。
6. 工場勤務(製造・検査・ライン作業)
製造業は有効求人倍率1.50倍と売り手市場が続いており、未経験者歓迎の求人が豊富です。ライン作業や検品・検査など、マニュアル化された仕事が多いため、入社後の研修で十分にスキルを習得できます。
夜勤や交替制勤務を選べば、深夜手当による収入アップも期待できます。労働基準法では22時〜翌5時の深夜勤務に対して通常賃金の25%以上の割増賃金が支払われるため、日勤のみの場合と比較して月収が5万〜8万円程度アップするケースも珍しくありません。
7. 清掃業務
オフィスビルや商業施設、ホテルなどの清掃業務は、シニア層が多く活躍している職種です。体力的に無理なく働けること、勤務時間や業務範囲が明確であることが人気の理由。70代の検索キーワードでも「清掃」は上位にランクインしています。
短時間勤務や早朝勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方を選べるのも魅力です。時給は1,100円前後が相場で、扶養範囲内での勤務を希望する方にも適しています。
8. コールセンター
電話応対やカスタマーサポートの仕事は、座り仕事で体力的な負担が少なく、ミドルシニアに人気があります。丁寧なコミュニケーション能力が求められるため、社会人経験が活きる職種です。70代の急上昇ワードにもランクインしています。
研修制度が充実している企業が多く、未経験からでも安心してスタートできます。在宅勤務(テレワーク)が可能な求人も増えており、通勤の負担を減らしたい方にもおすすめです。
9. 調理補助・食品製造
飲食店や給食センター、食品工場での調理補助は、未経験からでも始めやすい仕事です。「調理補助」は70代の人気検索キーワードにもなっており、短時間勤務や扶養範囲内での働き方も選べます。
食品工場は女性比率が高く(61.1%)、幅広い年代が活躍しています。衛生管理や安全管理がしっかりしている職場が多く、安心して働ける環境が整っています。
10. 事務職・経理
PCスキルや簿記の知識があれば、事務職への転職も可能です。60代の急上昇ワードでは「経理事務」がランクインしており、これまでの経験を活かして働きたいミドルシニアからの関心が高まっています。
フルタイムだけでなく、パートタイムや週3日勤務など柔軟な働き方を選べる求人も増えています。MOS(Microsoft Office Specialist)や簿記の資格を持っていると、採用で有利になります。
11. 福祉用具専門相談員
介護が必要な方に福祉用具の選定・提案を行う仕事です。都道府県が指定する講習を受講すれば資格を取得でき、未経験からでも始められます。介護業界の経験がなくても、営業職やサービス業の経験が活かせる職種です。
高齢化社会の進行に伴い、福祉用具の需要は今後も拡大が見込まれています。人の役に立つ実感を得られる仕事であり、50代・60代からの転職先として注目されています。
12. 防災センター要員
ビルや商業施設の防災センターで、監視や緊急時対応を行う仕事です。70代の急上昇検索ワードで「防災センター要員」が50倍以上の伸びを記録しており、シニア世代の関心が急速に高まっています。
座り仕事が中心で体力的な負担が少なく、業務内容や責任範囲が明確であることが人気の理由。「社会に貢献している」という実感を得られる仕事でもあります。
【職種別】ミドルシニア向け求人データ
| 職種 | 平均給与 | 特徴 | 未経験 |
|---|---|---|---|
| マンション管理 | 年収470万円 | 座り仕事・シニア人気 | ◎ |
| 警備員 | 月給25万円前後 | 研修充実・寮完備あり | ◎ |
| 介護職員 | 月給31.9万円 | 資格取得支援あり | ◎ |
| トラックドライバー | 月給31.1万円 | 待遇改善中 | ○ |
| タクシードライバー | 歩合制(年収400万〜) | 免許取得支援あり | ○ |
| 工場勤務 | 月給27〜35万円 | 夜勤手当で収入UP | ◎ |
| 清掃業務 | 時給1,100円前後 | 短時間勤務可 | ◎ |
| コールセンター | 時給1,200円前後 | 在宅勤務可の求人あり | ◎ |
出典:求人ボックス(2025年11月時点)
ミドルシニア転職を成功させる7つのコツ
ミドルシニアの転職は、20代・30代とは異なるアプローチが求められます。ここでは、転職がすぐに決まる人の特徴と、実践すべき7つのポイントを解説します。心理学やマーケティングの観点も交えながら、具体的な方法をお伝えします。
コツ1:自分の「市場価値」と「強み」を言語化する
50代からの転職がすぐ決まる人の最大の特徴は、自分の市場価値と強みを明確に言語化できることです。「何となくできる」「経験がある」ではなく、「どんな成果を出したか」「どんなスキルが再現可能か」を具体的に伝えられるかどうかが、採用可否を分けます。
キャリアの棚卸しでは、以下の3点を整理しましょう。①これまで担当した業務と成果(数字で示せるものは数字で)、②身につけた専門スキルや資格、③マネジメント経験(チームの規模、育成した部下の人数など)。これらを職務経歴書に落とし込むことで、「即戦力」としての説得力が格段に増します。
マーケティングの観点で言えば、自分自身を「商品」として捉え、「何が売りなのか」「他の候補者とどう違うのか」を明確にすることが重要です。採用担当者は多くの応募書類を見ています。その中で印象に残るためには、「自分だけの強み」を打ち出す必要があります。
コツ2:経験に固執せず、新しい環境に適応する姿勢を見せる
企業がミドルシニア採用で最も懸念するのは、「前職のやり方に固執しないか」「新しい環境に馴染めるか」という点です。面接では、過去の経験を活かしつつ、新しい環境で学ぶ意欲をアピールすることが重要です。
「御社の方針に従って柔軟に対応します」「新しいシステムやツールも積極的に学びます」「若手社員からも多くのことを吸収したい」といった姿勢を示すことで、年齢に対する懸念を払拭できます。
心理学の「成長マインドセット」の概念を活用しましょう。成長マインドセットとは、「能力は努力によって伸ばせる」という考え方。面接で「まだまだ成長したい」「新しいことを学ぶのが好き」という姿勢を見せることで、面接官に好印象を与えられます。
コツ3:転職の「軸」を明確にする
転職活動が長期化する人の多くは、「何を変えたいのか」「何を優先するのか」が曖昧なまま動いています。年収、勤務地、仕事内容、働き方、会社の将来性——すべてを求めるのではなく、「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を明確に分けることが大切です。
ミドルシニア転職者の悩み1位は「給料が上がらない」(37.7%)ですが、年収にこだわりすぎると選択肢が狭まります。「やりがい」「安定性」「ワークライフバランス」「通勤時間」など、年収以外の軸を持つことで、満足度の高い転職を実現できます。
コツ4:転職エージェントを賢く活用する
40代・50代の転職では、非公開求人へのアクセスや年収交渉のサポートが受けられる転職エージェントの活用がおすすめです。特にハイクラス転職や専門職への転職では、エージェント経由のほうが好条件のオファーを得やすい傾向があります。
おすすめの使い方は、大手総合型エージェント(リクルートエージェント、dodaなど)と、ミドルシニア特化型エージェント(ミドルの転職、マイナビミドルシニアなど)を併用すること。複数のエージェントから情報を得ることで、市場価値の把握と求人の比較検討が効率的に行えます。
また、マンガ求人サービス「マン天」のような視覚的に仕事内容がわかるサービスも活用しましょう。文字だけの求人情報ではわかりにくい「職場の雰囲気」や「実際の仕事内容」がマンガで伝わるため、自分に合った仕事を見つけやすくなります。
コツ5:在職中に転職活動を進める
ミドルシニアの転職で最も避けたいのは、「転職が決まる前に退職する」ことです。収入が途絶えることへの焦りから、条件の悪い求人に飛びついてしまうリスクがあります。
転職活動期間は平均3〜6ヶ月程度かかるため、在職中に情報収集と応募を進め、内定を得てから退職するのがベストです。どうしても在職中の活動が難しい場合は、最低でも半年分の生活費を確保してから退職しましょう。
また、転職活動が長期化すると、面接官から「なぜ決まらないのか」と疑問を持たれることがあります。在職中であれば「慎重に検討している」という説明ができますが、離職期間が長くなると説明が難しくなります。
コツ6:面接では「貢献できること」を具体的に伝える
ミドルシニアの面接でよくある失敗は、「過去の実績」だけを語ってしまうことです。面接官が知りたいのは、「この人を採用したら、うちの会社にどう貢献してくれるのか」という点。過去の経験を「どう活かせるか」を具体的に伝えることが重要です。
例えば、「前職では新規顧客を年間50社開拓しました」だけでなく、「御社でも同様のアプローチで、〇〇業界への営業拡大に貢献できると考えています」と、応募先企業での具体的な活躍イメージを伝えましょう。
脳科学の観点から言えば、人は「具体的なイメージ」を持てると、その人を採用した未来を想像しやすくなります。抽象的な話よりも、具体的なエピソードや数字を交えて話すことで、面接官の記憶に残りやすくなります。
コツ7:「年齢」ではなく「経験」で勝負する
年齢を気にしすぎると、面接でも自信のなさが伝わってしまいます。ミドルシニアの最大の武器は、長年の経験から得た「知識」「ノウハウ」「人脈」です。年齢を弱みではなく、強みとして捉え直すことが大切です。
面接で年齢について聞かれた場合は、「確かに年齢は若くありませんが、その分、〇〇の経験があります」「若手にはない視点で貢献できます」と、ポジティブに切り返しましょう。堂々とした態度が、面接官の信頼感につながります。
転職成功への7ステップ
これまでの経験、成果、スキルを整理し、「再現性のある強み」を明確にする。数字で示せる実績は具体的に。
年収、勤務地、仕事内容、働き方——「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を整理する。
転職エージェントに登録し、自分の市場価値を客観的に把握する。複数のエージェントから意見を聞く。
転職サイト、転職エージェント、マン天などの求人サービスを併用し、幅広く情報を集める。
職務経歴書で「即戦力」をアピール。応募先企業に合わせてカスタマイズする。
「貢献できること」を具体的に伝える準備。柔軟性と学ぶ意欲を示すエピソードを用意。
複数の内定がある場合は比較検討。年収交渉はエージェントに任せるのも手。
転職成功事例|40代・50代・60代のリアルな体験談
実際にミドルシニアで転職を成功させた方の事例を紹介します。年齢や経歴に関わらず、正しいアプローチで転職を実現できることがわかります。
前職:アパレル販売(店長)、年収370万円
転職先:自動車部品メーカーの製造職(正社員)
転職理由:販売職の不規則な勤務(土日出勤、夜遅くまでの営業)と体力的なきつさから、安定した製造業への転職を決意。家族との時間を増やしたいという思いもあった。
成功ポイント:未経験歓迎の求人に絞って応募。面接では「体力には自信がある」「新しいことを学ぶ意欲が高い」「土日休みで家族との時間を大切にしながら、長く働きたい」ことを強調。販売職で培った「お客様対応力」が、職場のコミュニケーションでも活かせることをアピールした。入社後3ヶ月の研修でライン作業をマスターし、現在はフォークリフト資格も取得。
結果:年収420万円(前職比+50万円)、土日休みで生活リズムが安定。「転職して人生が変わった」と実感。
前職:一般事務(派遣社員)、年収280万円
転職先:介護施設の介護職員(正社員)
転職理由:親の介護経験をきっかけに、「人の役に立つ仕事がしたい」と介護業界に興味を持つ。派遣社員としての不安定さから、正社員として長く働ける仕事を探していた。
成功ポイント:無資格・未経験OKの求人に応募し、働きながら介護職員初任者研修を取得。事務職での「丁寧なコミュニケーション」「書類作成能力」が利用者対応や記録業務で活きている。面接では「親の介護経験から、高齢者の気持ちに寄り添えます」とアピール。
結果:年収380万円(前職比+100万円)、資格取得後は手当も加算。「毎日やりがいを感じる」と充実した日々を送っている。
前職:メーカー営業部長、年収750万円
転職先:タクシー会社(正社員ドライバー)
転職理由:役職定年を機に、ストレスの少ない働き方を求めて転職を決意。管理職としての重責から解放され、自分のペースで働きたいと考えた。
成功ポイント:第二種免許は入社後に会社負担で取得。営業時代に培った「お客様対応力」「地理の知識」を活かし、観光客へのおもてなしで高評価を獲得。歩合給制で頑張った分だけ収入に反映されるため、モチベーション高く働けている。
結果:年収450万円(前職比-300万円だが、ストレス激減)。「年収は下がったが、精神的な満足度は格段に上がった」と語る。
前職:建設会社の営業管理職(定年退職)、年収600万円
転職先:マンション管理会社(正社員)
転職理由:定年後も働き続けたいと考え、体力的に無理なく長く続けられる仕事を探していた。再雇用制度よりも、新しい環境でチャレンジしたいという思いがあった。
成功ポイント:建設会社時代に培った「建物の知識」「トラブル対応力」「人当たりの良さ」をアピール。マンション住民からの信頼も厚く、「いつもありがとう」と言われることがやりがいになっている。
結果:年収350万円、9時〜17時勤務でワークライフバランスも良好。「社会と関わり続けられることが嬉しい」と語る。
採用担当者の本音|ミドルシニアに求めるもの
転職を成功させるためには、「採用する側」の視点を理解することが重要です。企業の採用担当者は、ミドルシニアの応募者に何を求めているのでしょうか。
企業がミドルシニアに期待すること
dodaの調査によると、企業がミドルシニア採用で重視するポイントは以下の通りです。
1位:即戦力としての専門知識・スキル——長年の業務経験から得た専門性は、若手にはない強み。入社後すぐに成果を出せることへの期待が大きい。
2位:マネジメント経験——チームをまとめた経験、部下を育成した経験は高く評価される。プレイングマネージャーとしての実績があれば、なお良い。
3位:仕事への責任感・安定性——若手に比べて離職率が低く、腰を据えて働いてくれるという期待。仕事に対する姿勢の真面目さも評価ポイント。
採用担当者が懸念すること
一方で、採用担当者がミドルシニアに対して懸念するポイントもあります。
1位:前職のやり方に固執しないか——「うちのやり方に馴染めるか」という不安。面接では柔軟性をアピールすることが重要。
2位:年下の上司や同僚とうまくやれるか——年齢が逆転する場合のコミュニケーションへの懸念。「年齢に関係なく、学ぶ姿勢を持っています」と伝えることが大切。
3位:体力面で問題ないか——特に現場仕事や営業職では、体力面への懸念がある。健康管理に気を使っていることをアピールしよう。
面接で好印象を与えるポイント
①過去の経験を「どう活かせるか」を具体的に伝える、②柔軟性と学ぶ意欲を示す、③年下の同僚とも協力できる姿勢を見せる、④健康面に問題がないことを伝える——これらを意識することで、採用担当者の懸念を払拭できます。
よくある質問(FAQ)
まとめ
この記事のポイント
- 2026年はミドルシニア転職の「黄金期」——45〜60歳の転職者数は2019年比2.49倍で過去最高
- 転職決定者の平均年収は566万円(2019年比+19万円)で、年収維持・アップも十分可能
- 40代後半〜50代前半の採用を「増やす見込み」と回答した企業は約47%
- 未経験OKの職種:マンション管理、警備員、介護職、ドライバー、工場勤務、清掃など12職種
- 転職成功のコツ:市場価値の言語化、柔軟性のアピール、転職軸の明確化、エージェント活用、在職中の活動
- 60代向け求人は約540万件——「定年後も働く」が当たり前の時代に
- 採用担当者が期待するのは「即戦力」「マネジメント経験」「責任感・安定性」
「40代・50代で転職なんて遅い」という時代は終わりました。人手不足を背景に、経験豊富なミドルシニア人材を求める企業は急増しています。求人検索トレンド1位が「ミドル シニア」であることからもわかるように、同じ思いを持つ求職者も増えており、ミドルシニアの転職は今や「当たり前の選択肢」となっています。
大切なのは、年齢を言い訳にせず、自分の強みを活かせる仕事を見つけること。そして、新しい環境で学び続ける姿勢を持ち続けることです。この記事で紹介した7つのコツと成功事例を参考に、ぜひ転職活動を始めてみてください。
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求人を探す参考データ出典
- パーソルキャリア「2026年 ミドルシニアの転職市場予測レポート」https://www.persol-career.co.jp/newsroom/news/research/2025/20251222_2051/
- マイナビ「転職動向調査2026年版(2025年実績)速報」https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260109_106179/
- 日本経済新聞「中高年の転職数、4〜9月は過去最高」https://career.nikkei.com/nikkei-pickup/003625/
- 求人ボックス「2025年 求人検索トレンドランキング」https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/journal/news/1092/
- 求人ボックス「60代・70代の仕事探しが急拡大」https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/journal/news/1145/
- doda「企業のミドルシニア層の採用に関する調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000948.000022215.html
- パーソルキャリア「ミドルシニアの転職意識調査レポート」https://www.persol-career.co.jp/newsroom/news/research/2025/20250624_1882/
- 厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/koureisha/topics/tp120903-1_00001.html
- エン・ジャパン「転職を考え始めたきっかけ」について(2025年版)https://employment.en-japan.com/enquete/report-119/
最終更新日:2026年2月6日


