冷凍車ドライバーはきつい?仕事内容・給料・向き不向きを解説【2026年版】

本文へ移動
未経験からの仕事選びガイド・2026年版

冷凍車ドライバーはきつい?温度を守る仕事の中身と給料、向き不向き

冷凍食品やチルド食品を、決められた温度のまま届ける冷凍車ドライバー。運転そのものは普通のトラックと同じですが、「予冷」「温度の確認」「素早い出し入れ」など、温度を守るための手間と責任が加わります。冷凍車ならではの仕事、きついと言われる理由と実際、統計と求人で見る給料、必要な免許、求人の見方までを、公的機関・業界団体・メーカーの一次情報をもとに整理しました。

  • 約449万円年収の目安(営業用貨物
    自動車運転者・大型車を除く)
  • −15℃以下冷凍食品の保存基準
    (食品衛生法の規格基準)
  • 約7割陸上貨物運送の死傷災害の
    うち荷役作業時の割合
  • 303万トン2025年の冷凍食品消費量
    (初めて300万トン超)
  • 対象:未経験・ドライバー経験者
  • 冷凍車の正社員求人あり
  • 免許の取得制度がある求人あり

先に結論:冷凍車ドライバーのきつさは、運転よりも「温度を守る手間と責任」にあります。荷物を積む前に荷台を冷やしておく予冷、冷気が回る積み方、扉を開ける時間を短くする素早い積み降ろし、温度の確認。これに、夏の外気と冷たい荷台を行き来する寒暖差、早朝の始業、積み降ろしの体力が加わります。一方で、運ぶのは毎日の食卓に欠かせない食品で、冷凍食品の消費量は2025年に初めて300万トンを超えました。未経験から入れる求人もあり、決まった手順をきちんと守れる人ほど評価される仕事です。

この記事の目次
  1. 冷凍車とは
  2. 運ぶ物と行き先
  3. 1日の流れ
  4. 冷凍車ならではの仕事
  5. きついと言われる理由
  6. 安全のルール
  7. 給料
  8. 必要な免許
  9. 向き不向き
  10. 求人の見方
  11. 面接で聞くこと
  12. よくある質問
  13. まとめ

冷凍車とは?普通のトラックと何が違うのか

冷凍車は、断熱された荷台(コンテナ)と、荷台の中を冷やす冷凍装置を備えたトラックです。見た目は箱型のトラックとほとんど変わりませんが、荷台の壁には断熱材が入り、荷台の中の温度は冷凍装置の温度計の表示で確かめます。冷凍車のコンテナと冷凍装置をつくる東プレは、断熱性と気密性の高いコンテナを使い、低温仕様から中温仕様、加温仕様まで、荷物に合わせた温度帯の冷凍車をつくっていると説明しています。

つまり「冷凍車」とひとまとめに呼ばれていても、荷物を凍ったまま運ぶ車もあれば、凍らせずに冷やしたまま運ぶ車もあります。求人に「冷凍車」とあっても、実際に運ぶのが冷凍品なのか、チルド品なのか、両方なのかは会社ごとに違います。

物流でいう「3温度帯」

物流では、配送や保管の温度を「冷凍」「冷蔵」「常温」の3つに分けて呼ぶことが多く、これをまとめて3温度帯と言います(日本冷蔵倉庫協会)。実際には商品の性質に合わせてさらに細かく分かれていて、冷蔵倉庫も、クーラー級(C級)とフリーザー級(F級)という区分で部屋の温度を管理しています。冷凍車ドライバーが扱うのは、このうち冷凍と冷蔵の荷物です。

温度帯荷物の例ドライバーが特に気をつけること
冷凍冷凍食品、アイスクリーム、冷凍の肉や魚介温度が上がると品質が落ちる。扉を開けている時間を短くする
冷蔵(チルド)乳製品、精肉、総菜、生鮮品など冷やしすぎず、決められた温度の範囲に保つ。設定温度の確認が欠かせない

冷凍食品の温度には「法律の基準」と「業界の基準」がある

冷凍食品は、食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準」で、−15℃以下で保存しなければならないと決められています(消費者庁が掲載する食品別の規格基準)。一方、日本冷凍食品協会は、品質を保つために品温を−18℃以下とする基準を続けていくとしています。国際規格であるコーデックスの実施規範も、急速冷凍食品を−18℃以下で保存するよう定めています。

そして同協会は、冷凍食品の品質は、保管・輸送・配送・小売の各段階での温度管理の良し悪しで変わると説明しています。工場でどれだけ上手につくっても、途中で温度が上がれば品質は戻りません。冷凍車ドライバーは、工場でつくられた品質を、倉庫や店に届くまで落とさずにつなぐ役目を担っています。

冷凍装置の動かし方もいろいろ

冷凍装置にはいくつかの方式があります。東プレグループのトプレックの資料では、エンジン直結式、サブエンジン式、冷凍板式といった呼び方が使われ、フロン排出抑制法に基づく点検の中身も方式によって違うと案内されています。東プレは、走っている間は機械式の装置で冷やし、エンジンを止めている間は冷凍板で荷台の温度を保つ組み合わせの装置も紹介しています。また、建物側の電源につないで冷凍機を動かす「スタンバイ」装置を備えた車もあります。どの方式の車に乗るかで、エンジンを止めてよい場面や日常点検の中身が変わるため、最初に教わる大切な知識です。

何を、どこへ運ぶ?冷凍車の荷物と行き先

冷凍車が運ぶのは、冷凍食品、アイスクリーム、冷凍の肉や魚介、チルドの総菜や乳製品など、温度の管理が欠かせない食品が中心です。積む場所は食品工場や冷蔵倉庫、届け先はスーパーなどの物流センター、問屋、商店、店舗などです。同じ冷凍車ドライバーでも、1日に何件回るか、どこで積んで誰に渡すかで、仕事の中身はかなり違います。マン天に掲載中の、冷凍車や食品配送の3つの求人を例に見てみましょう。

東海の倉庫・物流センターへ

株式会社マイシン(愛知県豊川市)の4t冷凍車。愛知・三重・岐阜を中心に冷凍・チルド食品を配送。午前は4〜5件の納品、午後は1〜2件の集荷が中心で、配送先は倉庫や物流センターがメイン。

浜松市内の商店・問屋へ

株式会社マイシン(静岡県浜松市)の4t冷凍車の定期便。冷凍・冷蔵食品を商店や問屋、一部スーパーへ。1日5〜12件ほどで、積み降ろしはパレット積み・バラ降ろしが中心、陳列作業はなし。

神戸から関東・関西へ

冷凍・冷蔵食品配送を事業に持つ協立運輸株式会社の神戸営業所。中型トラック(4t)で食品など生活に欠かせないモノを運ぶ(冷凍車かどうかは求人票に記載なし)。大手食品メーカーとの直接取引が中心で、1日5〜10件程度。

確かめたいのは「行き先と件数」

物流センターへの納品が中心か、商店を細かく回るのかで、積み降ろしの回数も扉を開ける回数も変わる。車の大きさより先に確かめたい。

冷凍食品の需要は過去最高の水準

日本冷凍食品協会の速報によると、2025年(令和7年)の冷凍食品の国内生産量は1,574,172トンで前年比102.4%、工場出荷額は8,577億円と過去最高を更新しました。国内生産量に冷凍野菜と調理冷凍食品の輸入量を足した消費量は3,029,325トンで、調査開始以来初めて300万トンを超え、国民1人当たりでは年24.6kgです。数量では業務用が51.7%、家庭用が48.3%を占めています。

消費量は2025年に前年より3.6%増えました(前年比103.6%)。ただし国内生産量は2023年・2024年には前年を下回っており、毎年増え続けているわけではありません。なお、神戸の求人は、大手食品メーカーとの直接取引が中心であることと「景気に左右されにくい仕事量」を、安定して働ける理由に挙げています。

1日の流れ|日勤で食品を配送する冷凍車の例

冷凍車ドライバーの1日は、会社や荷物によって大きく違います。ここでは、東海エリアで冷凍・チルド食品を運ぶ4t冷凍車の求人(勤務時間は5時〜14時または6時〜15時、午前は4〜5件の納品、午後は1〜2件の集荷が中心)をもとに、流れを組み立てました。時刻は目安です。

出社・点呼・車両の点検(5時の始業の場合)体調とアルコールの確認を受け、タイヤや灯火の点検に加えて、冷凍機が動くか、温度計の表示がおかしくないかを確かめる。
予冷荷物を積む前に、荷台の中を決められた温度まで冷やしておく。荷台が温かいままだと積んだ荷物の温度が上がるおそれがあり、冷凍機はその荷物を冷やし直す機械ではない。
積み込み伝票と荷物を照らし合わせ、冷気が回るように隙間をあけて積む。積む荷物そのものが適温かも確かめる。
納品(午前に4〜5件)降ろす荷物を先に確かめてから扉を開け、手早く降ろして閉める。受領のサインをもらい、次の届け先へ向かう。
集荷(午後に1〜2件)次の配送につながる荷物を受け取る。相手の出荷準備に合わせて待つこともある。
帰社・清掃・日報(14時ごろ)荷台を掃除し(コンテナの乾燥は1週間に1回が目安)、冷凍機まわりを確かめ、日報を書いて終業の点呼を受ける。

食品の配送は、店舗の開店前や物流センターの受け入れ時間に合わせて動くため、始業が早い求人があります。この記事で取り上げた日勤の求人でも、始業は5時・6時・6時30分です。そのかわり午後の早い時間(14〜15時台)に仕事を終える日勤の働き方になりやすく、浜松の求人は「業務が早く終われば、早上がりも可能」「土曜は昼過ぎに終了」と記載しています。一方で、神戸の求人は0時〜24時の間のシフト制(実働8時間)で、関東・関西への輸送もあるため、夜間に走る運行も考えられます。時間帯は相談できると書かれているので、どの時間帯に入るかを面接で確かめましょう。朝型の生活に合うかどうかは、応募前に考えておきたいポイントです。

冷凍車ならではの仕事|温度を守る8つの基本

普通のトラックとの一番の違いは、荷物の温度を守る手順があることです。トプレックは「冷凍車使用上の注意」として、冷凍車の扱い方を8つにまとめています。内容を、ドライバーの動きに置きかえて紹介します。

基本中身なぜ大事か
1.積む前に予冷荷台の中をあらかじめ冷やしておく荷台が温かいままだと、積んだ荷物の温度が上がるおそれがある
2.正しい積み方冷気が回るように隙間をあけて積むぎっしり詰めると冷気の通り道がふさがり、冷えむらができる
3.荷物も適温で積む時点で荷物が決められた温度か確かめるぬるい荷物を積んでも、車の中で冷え直すわけではない
4.庫内温度の確認走っている間も荷台の温度を確かめ続ける冷凍機の不調に早く気づける
5.出し入れは素早く扉を開けている時間を短くする。カーテンは冷気の逃げを防ぐ扉を開けるたびに冷気が逃げ、荷台の温度が上がる
6.品温は下げられない冷凍装置で荷物そのものを冷やすことはできない一度上がった温度は元に戻せないと考えて動く
7.電源コードを大切にスタンバイ用のコードを切ったり傷めたりしない感電や故障を防ぐ
8.乾燥と清掃1週間に1回を目安にコンテナを乾燥させ、清潔に保つ食品を運ぶ荷台として、においや汚れを残さない

中でも覚えておきたいのが「品温は下げられない」です。冷凍機は、すでに冷えている荷物の温度を保つための装置で、ぬるくなった荷物を冷やし直すものではありません。予冷をせずに積んだり、扉を開けたまま伝票の確認をしたりして上がった温度は、走っているうちに戻るとは限りません。温度を守る仕事は、「上げないこと」がすべてだと言えます。

日常点検で見るところ

トプレックは日常点検の項目として、冷媒の量をサイトグラス(のぞき窓)で確かめること、機械式ではコンプレッサーのベルトのゆるみを確かめることを挙げています。また、エラー表示がないのに冷えないときの原因として、ベルト切れや、冷却器に霜が付き過ぎて冷気が回らなくなることを挙げ、霜取り運転を案内しています。新人のうちから全部を自分で判断する必要はありませんが、「温度計の表示がいつもと違う」「冷えるのが遅い」に気づいて、すぐに会社へ連絡できることが大切です。

荷台の中の非常脱出装置

冷凍車のコンテナには、万一中に閉じ込められたときのための非常脱出装置があります。トプレックは、非常脱出装置の設置場所・使い方・作動を確かめておくことを警告として挙げています。あわせて、車を使わないときは、子どもが遊んでいて中に閉じ込められないようコンテナに必ず施錠すること、半ドアのまま走らないことも挙げています。荷台の中に入って作業をする仕事だからこそ、最初に確かめておきたい装備です。

この仕事の本質:冷凍車ドライバーの腕は、運転のうまさだけでなく「温度を上げない段取り」に出ます。次に降ろす荷物を頭に入れてから扉を開ける、積む順番を考えて奥の荷物を探さずに済むようにする。こうした小さな工夫が、そのまま品質と仕事の速さにつながります。

冷凍車ドライバーの求人を見てみる

愛知県豊川市を拠点に、4t冷凍車で東海エリアの冷凍・チルド食品を運ぶ正社員求人です。普通免許(AT可)で応募でき、入社1ヶ月で準中型・中型免許などの取得制度を使えます。給与は255,926円〜274,335円で、固定残業40時間の記載があります。

4t冷凍車ドライバーの求人を見る

「冷凍車ドライバーはきつい」と言われる7つの理由と実際

良い面だけを並べても、仕事選びの役には立ちません。冷凍車ならではのきつさを先に正直に書き、そのうえで、どういう条件なら続けやすいかを整理します。

1.寒暖差:夏の外気と冷たい荷台を行き来する

冷凍車ドライバーが荷台の中に入るのは、主に積み降ろしのときです。1日じゅう冷凍庫の中にいる仕事ではありませんが、夏は炎天下と冷えた荷台を何度も行き来し、冬は早朝の冷え込みの中で作業します。冷凍倉庫の中で荷物をそろえる作業がある職場では、寒い場所にいる時間が長くなります。脱ぎ着しやすい重ね着と手袋が基本で、防寒着が支給されるかどうかでも負担が変わります(支給の有無は会社によります)。

夏の熱中症にも注意が必要です。2025年6月からは労働安全衛生規則の改正により、WBGT(暑さ指数)28度または気温31度以上の場所で、継続して1時間以上または1日4時間を超えて行われる見込みの作業について、熱中症の報告体制と悪化を防ぐ手順を事業者があらかじめ定め、働く人に知らせることが義務になりました。

2.温度の責任:失敗が商品の損失になる

普通の荷物なら、多少遅れても中身は変わりません。冷凍・冷蔵の食品は、温度が上がれば商品として扱えなくなるおそれがあります。この「失敗すると取り返しがつかない」緊張感が、冷凍車のきつさの一番の正体です。ただし、予冷、積み方、素早い出し入れ、温度の確認という手順を守ることで防げる失敗が多いのも確かです。一方で、冷凍機のベルト切れや霜の付き過ぎのように、機械の不調で冷えなくなることもあります。温度計の表示の異変に早く気づいて会社へ連絡するところまでが、温度を守る手順だと考えておきましょう。

3.早朝の始業と時間指定

食品は店舗や物流センターの受け入れ時間に合わせて届けるため、始業が早い求人があります。この記事で取り上げた日勤の求人も、始業は5時から6時30分の間です。朝が苦手な人には最初の数か月がつらいかもしれません。反対に、午後の早い時間に仕事が終わる生活リズムを気に入って続ける人もいます。日勤固定か、深夜の運行があるかは、求人票で最初に確かめたい項目です。

4.積み降ろしの体力:手積み・バラ降ろしの有無で大違い

パレット(荷物を載せる台)ごとフォークリフトで積み降ろす仕事と、段ボールを1個ずつ手で降ろす仕事とでは、体の負担がまったく違います。浜松の求人は「パレット積み・バラ降ろしが中心」と書いています。積むときはパレットでも、1日5〜12件ほどの届け先では荷物を手で降ろす(バラ降ろし)のが中心ということです。神戸の求人は「パレット積み中心で、体への負担も軽減」と書いています。「バラ」があるかどうか、1日に何件あるかで、体力的なきつさは大きく変わります。

5.荷待ち:冷蔵倉庫やセンターでの待ち時間

冷蔵倉庫や物流センターでは、荷物の受け渡しの順番を待つ時間が発生することがあります。日本冷蔵倉庫協会は、国土交通省からの協力要請(平成29年3月23日付)を受けて、冷蔵倉庫でのトラックの待機時間の問題について要因分析と自主行動計画をまとめ、その後も予約システムなどの取り組みを示しています。業界全体で改善が進められている課題です。

なお、トラック運転者には「改善基準告示」による拘束時間(労働時間と休憩時間を合わせた時間)の上限があり、2024年4月からは1日の拘束時間は原則13時間以内(最大15時間)、1か月は原則284時間以内、勤務と勤務の間の休息は継続11時間を基本に9時間を下回らないことなどが定められています。待っている時間も会社に拘束されている時間であり、この枠の中でやりくりされます。2024年問題で何が変わったかは「トラックドライバーの転職が今アツい!2024年問題後に変わった待遇と働き方」で詳しく解説しています。

6.衛生と清掃:食品を運ぶ車としての清潔さ

荷台は食品を運ぶ場所です。においや汚れを残さないよう、定期的な清掃と乾燥が欠かせません。作業着や手袋の清潔さに気を配る会社もあります。「車をきれいに使う」ことが仕事の一部だと考えられる人には苦になりませんが、片付けが苦手な人には最初は面倒に感じるかもしれません。

7.機械の扱いが1つ増える:冷凍機と電源

冷凍車には、エンジンと別に冷凍機という機械があります。温度の設定、霜取り、スタンバイ電源の抜き差しなど、覚える操作が普通のトラックより多くなります。トプレックは、電源プラグをつないだまま車を動かさないよう警告しています。コードを抜き忘れて発車すれば、コードを引きちぎったり感電したりするおそれがあります。出発前の確認を習慣にできるかどうかが大切です。

きつさを軽くする条件:パレット積みが中心で陳列作業がない、日勤で時間帯が固定されている、1人1台の専用車で車の状態を自分で把握できる、防寒着などの装備が支給される、冷凍機の整備を会社が計画的に行っている。この5つがそろうほど、冷凍車の仕事は続けやすくなります。

安全のルール|陸上貨物運送の労働災害の約7割は荷役作業時

ドライバーの事故というと道路での交通事故を思い浮かべがちですが、けがの多くは積み降ろしの場面で起きています。東京労働局は、陸上貨物運送事業の死傷災害の約7割が荷役作業時に発生しており、その多くが荷主などの事業場の敷地で起きていると説明しています。冷凍車ドライバーも、積み降ろしのたびに荷台へ上り下りし、台車やかごを扱います。

2023年から強化されたトラックの荷役の安全対策

対策対象施行
昇降設備の設置最大積載量2トン以上の貨物自動車で荷を積み降ろすとき(それまでの5トン以上に、2トン以上5トン未満を追加)。踏み台のほか、車に付いた昇降用ステップも含む2023年10月
保護帽の着用最大積載量5トン以上の車に加え、2トン以上5トン未満の車のうち、荷台の側面が開く車(平ボディ・ウイング車など)と、テールゲートリフター付きの車(リフターを使う作業)2023年10月
テールゲートリフターの特別教育荷を積み降ろす作業でテールゲートリフターを操作する人。学科4時間・実技2時間2024年2月

箱型の冷凍車でも、テールゲートリフター(荷台の後ろの昇降板)が付いた車でリフターを使って積み降ろすなら、墜落時保護用の保護帽が必要です。厚生労働省は、昇降用ステップはできるだけ乗降グリップなどによる三点支持で安全に上り下りできるものにするよう求めています。荷台からは飛び降りず、手すりをつかんで上り下りする。これが基本です。

冷えた荷台の床や、出し入れのときに付いた霜や水気は、足元を滑りやすくすることがあります。滑りにくい靴の支給があるか、荷台の床の手入れをどうしているかも、面接で聞いてみる価値があります。

給料|統計と求人の両方から見る

最初に大切な前提があります。冷凍車ドライバーだけを取り出した公的統計はありません。そこで、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査から、トラックドライバーの2つの区分を見てみます。4tトラックは全日本トラック協会の説明でも中型トラックに当たるため、「大型車を除く」の区分で見るのが近いでしょう。

項目営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)営業用大型貨物自動車運転者
きまって支給する現金給与額(月)34.17万円38.69万円
うち所定内給与額(月)28.73万円30.63万円
年間賞与その他特別給与額38.51万円42.96万円
年収の目安(計算値)約449万円約507万円
月の実労働時間199時間(所定内173時間+超過26時間)208時間(所定内175時間+超過33時間)
平均年齢・勤続年数50.3歳・11.6年51.5歳・13.4年

数値の出典と計算方法:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種(小分類)別、男女計、企業規模10人以上の値です。年収の目安は、きまって支給する現金給与額(残業代などを含む毎月の給与)の12か月分に、年間賞与その他特別給与額を足して計算しました。

これは冷凍車以外のトラックも含む区分の統計です。地域や会社、運ぶ物で差があるため、目安として読んでください。

この表から読み取れるのは2つです。1つは、車が大きくなると給料も上がる傾向があること。もう1つは、どちらの区分でも平均で毎月20〜30時間台の超過労働(残業)があるということです。求人の給料を見るときは、残業代がどう含まれているかを必ず確かめましょう。

求人で見る給料|冷凍車・食品配送の3つの求人

求人給与年収例・賞与など勤務時間
株式会社マイシン(愛知県豊川市・4t冷凍車・東海4県エリア配送)255,926円〜274,335円(固定残業40時間)年収例:1年目/30代/418万円(賞与込み)5:00〜14:00または6:00〜15:00
株式会社マイシン(静岡県浜松市・4t冷凍車・定期便)月給240,000円〜330,000円年収例3,620,000円〜4,100,000円、賞与年2回(計50〜70万円の支給実績あり)6:30〜15:30(一例)
協立運輸株式会社(兵庫県神戸市・中型トラック4t・食品配送、冷凍車かどうかは記載なし)月給300,000円〜400,000円以上昇給年1回、賞与年2回(業績による)0:00〜24:00の間でシフト制(実働8時間)

固定残業代の読み方に注意:豊川の求人は、給与の内訳に基本給・評価手当・固定時間A手当・固定時間B手当などが並び、「固定残業40時間」と記載されています。固定残業代は、一定の時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて払う仕組みです。40時間を超えた分の扱いと、実際の月の残業時間を、面接で必ず確かめてください。読み方の基本は「求人の給与欄の読み方完全ガイド」で解説しています。

給料を上げる3つの道

1つ目は車を大きくすることです。統計でも大型の区分の方が年収の目安は高く、神戸の求人は大型免許の取得支援制度(社内規定あり)を設けています。2つ目は手当です。豊川の求人は給与の内訳に車格手当(4トン以上)を挙げ、無事故報奨制度も設けています。3つ目は勤続で、浜松の求人は月収例として、30歳・入社1年目で月給260,000円、30歳・入社5年目で月給300,000円を示しています。

必要な免許|4t冷凍車は「中型」が基本、積める量は車検証で確かめる

運転できるトラックの大きさは、免許の種類で決まります。警察庁の資料による区分は次のとおりです。

免許車両総重量最大積載量受験資格
普通免許3.5トン未満2トン未満18歳以上
準中型免許7.5トン未満4.5トン未満18歳以上(普通免許なしでも取得可)
中型免許11トン未満6.5トン未満20歳以上・普通免許等の保有2年(受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・保有1年)
大型免許11トン以上6.5トン以上21歳以上・普通免許等の保有3年(受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・保有1年)

ただし、普通免許を取った時期によって運転できる範囲が違う場合があります。自分の免許証の「免許の条件等」の欄を確かめておきましょう。免許の取り方の流れは「未経験からトラックドライバーになるには?中型・大型免許の取り方」で詳しく紹介しています。

積める量は車検証で確かめる

全日本トラック協会は、車両総重量を「車両重量+乗車定員×55kg+最大積載量」と説明し、車両重量にはキャブとシャシに加えて架装(荷台の箱や装備)の重さも入るとしています。そして、4トントラックと呼ばれる中型トラックでも、クレーンやテールゲートリフターなどの架装で車体が重くなり、必ずしも4トン積めるわけではないとしています。冷凍車も、冷凍装置や断熱コンテナのぶん重くなり、同じ大きさのトラックより最大積載量が小さくなる場合があります。運転に必要な免許は、呼び名ではなく車検証の車両総重量と最大積載量で決まると覚えておきましょう。

免許は入社後に会社の制度で取れることも

豊川と浜松の求人は、応募に必要な免許を「普通免許(AT可)」とし、入社1ヶ月で準中型・中型免許・フォークリフトの取得制度を使えるとしています(豊川の求人は、AT限定解除も取得制度で対応可能としています)。神戸の求人は「中型免許をお持ちの方または取得をお考えの方(支援制度あり)」が応募の条件です。

ここで気をつけたいのが、中型免許の受験資格です。中型免許は原則として20歳以上・普通免許等の保有2年以上が必要で、警察庁によると、受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・保有1年以上でも受けられます(2022年5月から)。この条件を満たすまでは、取れるのは準中型(車両総重量7.5トン未満)までなので、準中型の範囲の車から始める場合があります。入社後すぐにどの車に乗るのか、中型の取得はいつになるのかを、面接で確かめておきましょう。

倉庫や物流センターではフォークリフトを使う場面もありますが、豊川と浜松の求人は「フォークリフト免許はなくてOK」としています。フォークリフトについては「フォークリフト免許で人生が変わる?」も参考にしてください。

向いている人・慎重に考えたい人

向いている人慎重に考えたい人
決まった手順を毎回きちんと守れる「今日くらいはいいか」と手順を省きがち
朝型の生活が苦にならない早朝の始業がどうしても合わない
温度計や伝票など、数字の確認をこまめにできる確認作業を面倒に感じる
車や道具をきれいに使うのが好き清掃や片付けが苦手
1人で運転する時間を気楽に過ごせる1日じゅう誰かと話していたい
暑さ寒さに合わせて服装を工夫できる寒暖差で体調を崩しやすい

冷凍車の仕事で求められるのは、特別な体格や運転の才能よりも、「確認を面倒くさがらないこと」です。予冷をしたか、温度は合っているか、扉はきちんと閉まったか、電源コードは抜いたか。こうした確認を毎回繰り返せる人は、未経験でも信頼されやすくなります。前の仕事で食品工場の温度管理や衛生ルールに慣れている人、倉庫で荷物の扱いに慣れている人は、その経験がそのまま生きます。

体力面では、手積み・バラ降ろしの量で負担が大きく変わります。体力に不安がある人は、パレット積みが中心で陳列作業がない求人から選ぶと、無理なく続けやすいでしょう。

冷凍車の求人の見方・会社選び10項目

  • 温度帯:冷凍・チルド・両方のどれを運ぶか
  • 荷物の扱い:パレット積みか、バラ(手積み・手降ろし)か。陳列作業の有無
  • 行き先と件数:物流センター中心か、商店や店舗を細かく回るか。1日に何件か
  • 勤務時間帯:日勤固定か、早朝・深夜・シフト制か
  • 給与の内訳:固定残業代の時間数、車格・深夜・無事故などの手当
  • 免許:応募に必要な免許と、入社後の取得制度の条件
  • 車両:1人1台の専用車か、冷凍機の整備・点検の体制、ドライブレコーダーなどの装備
  • 装備:防寒着・保護帽・手袋・滑りにくい靴の支給
  • 荷待ち:待ち時間が長くなりやすい行き先か、予約の仕組みがあるか
  • 公的な認定:Gマーク、働きやすい職場認証制度などの取得状況

休日欄の読み方は「求人の休日・勤務時間の読み方完全ガイド」も参考になります。たとえば豊川と浜松の求人は「日曜他 週休二日制(隔週)」で「月に2〜3回程度の土曜出勤あり」、神戸の求人は「月5〜8日程度」で連休の取得も可能としています。休みが月5日の月は、週休2日(月8〜9日)より少なくなります。書き方がそろっていないので、年間の休日数を面接で確かめ、同じ物差しで比べましょう。

Gマークと働きやすい職場認証制度とは

Gマーク(安全性優良事業所)は、国土交通省が推進する、安全への取り組みが優れたトラック運送事業所の認定制度です。全日本トラック協会が38の評価項目を設けて認定し、令和7年12月末現在で29,206事業所(全事業所の34.4%)が認定を受けています。国土交通省は、Gマーク認定事業所の事故の割合は未取得の事業所の半分以下だと説明しています。

働きやすい職場認証制度(正式名称は運転者職場環境良好度認証制度)は、令和2年度にできた国の制度です。法令遵守等、労働時間・休日、心身の健康、安心・安定、多様な人材の確保・育成、自主性・先進性等の6つの分野で、職場環境を良くする取り組みを審査し、一つ星から三つ星で認証します。

この記事で取り上げたマイシンの求人ページには、Gマークと働きやすい職場認証制度の認定を受けていることが書かれています。認定は会社選びの目安の1つで、それだけで働きやすさが決まるわけではありませんが、外からの審査を受けている会社かどうかを見分ける手がかりになります。

面接で確かめたいこと|冷凍車ならではの逆質問

面接は、会社が応募者を見る場であると同時に、応募者が会社を見る場です。冷凍車の仕事では、次のような質問をしておくと、入社後の「思っていたのと違う」を減らせます。

  • 運ぶのは冷凍品ですか、チルド品ですか。1台で両方を運ぶことはありますか
  • 積み降ろしはパレットですか、バラですか。1日に何件回りますか
  • 冷凍倉庫の中での作業はありますか。防寒着は支給されますか
  • 予冷や温度の確認のやり方は、誰がどのように教えてくれますか
  • 温度計の表示がおかしいとき、誰に連絡すればよいですか
  • 固定残業の時間を超えた分はどう支払われますか。実際の残業は月何時間くらいですか
  • 免許の取得制度は、いつから、どの免許に、どんな条件で使えますか

志望動機の例(食品工場から):前職の食品工場では、冷蔵庫の温度確認と衛生ルールを守ることを毎日の仕事にしてきました。つくった食品が店に並ぶまでの温度管理にも関わりたいと考え、冷凍車ドライバーを志望しました。運転の経験は普通車だけですが、御社の免許取得制度を使って中型免許を取り、予冷や積み方などの手順をひとつずつ確実に身につけたいと考えています。

協立運輸で働くドライバーの声は、マン天の「[特集インタビュー]協立運輸株式会社|安定と自由、どちらも手に入る!ドライバーの働き方」で読めます。1人1台の車の使い方や休みの取り方など、求人票だけではわからない働き方が紹介されています。

冷凍車・食品配送のドライバーを募集中

東海・静岡エリアの4t冷凍車と、神戸拠点の中型トラックで食品を運ぶ正社員求人です。普通免許で応募でき、入社後に免許の取得制度を使える求人もあります。

ドライバーの求人をもっと見る

2026年9月時点の募集内容です。最新の条件は求人ページでご確認ください。

よくある質問

冷凍車ドライバーは未経験でもなれますか?

なれます。普通免許(AT可)で応募でき、入社後に準中型・中型免許の取得制度を使える求人もあります。ただし4tクラスの冷凍車を運転するには、車両総重量と最大積載量に応じて準中型か中型の免許が必要です。中型免許は原則20歳以上・普通免許等の保有2年以上(受験資格特例教習を修了すれば19歳以上・1年以上)で受けられ、条件を満たすまでは準中型の範囲の車から始める場合があります。どの車に乗るかは面接で確かめましょう。温度管理は、予冷・積み方・温度確認という決まった手順を覚えることから始まります。

冷凍車の荷台は寒くて体がもたないのでは?

荷台の中に入るのは主に積み降ろしのときで、1日じゅう冷凍庫の中にいる仕事ではありません。ただし冷凍倉庫での庫内作業が多い職場や、冬の早朝の作業は体が冷えます。防寒着が支給されるか、庫内作業がどこまであるかを面接で確かめ、夏は外の暑さとの寒暖差にも備えましょう。

普通のトラックドライバーより給料は高いですか?

冷凍車ドライバーだけの公的統計はないため、一概には言えません。令和7年賃金構造基本統計調査では、営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)の年収の目安は約449万円、営業用大型貨物自動車運転者は約507万円です。求人ごとの差は、車の大きさ、勤務時間帯、手当の内訳で大きく変わります。

温度管理で失敗したらどうなりますか?

温度が上がった冷凍食品などは、商品として扱えなくなるおそれがあります。冷凍機は荷物の温度を保つ装置で、上がった品温を下げることはできないため、予冷、正しい積み方、素早い出し入れで温度を上げないことが基本です。温度計の表示がおかしいときにすぐ連絡するルールを、入社時に確かめておきましょう。

手積み・手降ろしはありますか?

求人によって違います。パレット積みが中心の求人もあれば、バラ降ろしがある求人もあります。たとえば浜松の4t冷凍車の求人は、積み降ろしはパレット積み・バラ降ろしが中心で、陳列作業はないと記載しています。積むときはパレットでも、届け先では手で降ろすのが中心ということです。面接では、荷物の積み方、1日の件数、荷物1個あたりの重さの目安を聞いておくと安心です。

夜中や早朝の勤務になりますか?

食品は店舗や物流センターの受け入れ時間に合わせて運ぶため、早朝に始まる求人があります。この記事で取り上げた求人でも、始業は5時・6時・6時30分などで、神戸の求人は0時から24時の間のシフト制(実働8時間)です。日勤固定か、深夜の運行があるかは、求人票と面接で必ず確認してください。

まとめ|温度を守れる人は、どこの冷凍車でも頼られる

この記事の要点

  1. 冷凍車は、断熱された荷台と冷凍装置を備えたトラック。冷凍品もチルド品も運ぶ。
  2. 冷凍食品は食品衛生法の規格基準で−15℃以下、業界の基準では−18℃以下。
  3. きつさの中心は、温度を守る手間と責任、寒暖差、早朝の始業、積み降ろし。
  4. 冷凍機は荷物を冷やし直せない。予冷・積み方・素早い出し入れで「上げない」のが基本。
  5. 陸上貨物運送の死傷災害の約7割は荷役作業時。昇降設備・保護帽のルールが強化された。
  6. 統計の年収の目安は、大型車を除く区分で約449万円、大型で約507万円。
  7. 4t冷凍車は中型免許が基本。中型は原則20歳以上・免許保有2年以上(特例教習で19歳以上・1年以上)。積める量は車検証で確かめる。
  8. 求人は、荷物の扱い、行き先と件数、勤務時間帯、固定残業代、免許の制度で見比べる。

冷凍車ドライバーは、派手な仕事ではありません。けれど、スーパーの冷凍食品の棚も、飲食店の冷蔵庫の中身も、誰かが温度を守って運んできたものです。予冷をして、隙間をあけて積み、扉を素早く閉める。その当たり前を毎日続けられる人が、この仕事の主役です。

未経験から目指すなら、まずは「パレット中心か」「日勤か」「免許の制度はあるか」の3点で求人を絞り込み、面接で温度管理の教わり方を聞いてみてください。たとえば豊川と浜松の求人には「8割以上が未経験スタート」とあり、未経験から始められる職場もあります。

ドライバーの求人をまとめて比較する

冷凍車のほか、ルート配送、中型・大型トラックなど、マン天に掲載中のドライバー求人を並べて見比べられます。荷物の扱い、勤務時間帯、免許の制度を軸に探してみてください。

ドライバーの求人一覧を見る

参照元ソース

※各出典の内容は2026年時点の資料で確認しています。統計は冷凍車以外のトラックも含む職種区分の値です。求人の内容は掲載時点のもので、変わることがあります。応募前に各出典と求人ページをご確認ください。

↑

求人情報を探してみる

マン天について

よくある質問について

上部へスクロール