準中型免許とは?何トンまで運転できるか・費用・限定解除・普通免許との違い
「普通免許でトラックに乗れると思っていたら、求人に準中型免許が必要と書いてあった」。そんな戸惑いの原因は、2017年の免許制度の改正にあります。運転できる車の範囲、自分の普通免許で乗れる範囲、取り方と費用、限定解除、2026年4月の変更点を、警察の公式情報と統計をもとに整理しました。
- 7.5トン未満運転できる車両総重量
(最大積載量は4.5トン未満) - 18歳から普通免許がなくても
直接取れる - 199,910円普通免許(MT)から取る例
(豊橋市の教習所の総額) - 技能4時限5トン限定を外す
教習所コースの例
- 対象:トラックの仕事を考えている方
- 2026年4月の制度変更に対応
- 警察・国の公式情報と統計をもとに作成
先に結論:準中型免許は、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満・最大積載量2トン以上4.5トン未満・乗車定員10人以下の車を運転するための免許で、18歳から取れます。2017年3月12日以降に取った普通免許では、最大積載量が2トンあるトラックも運転できません。
一方、2007年6月2日から2017年3月11日までに取った普通免許は「5トン限定の準中型免許」として扱われ、車両総重量5トン未満・最大積載量3トン未満のトラックなら今のまま運転できます。取るための費用は持っている免許で大きく変わり、配送会社の中には入社後の取得を支援する求人もあります。
この記事の目次
準中型免許とは|2017年にできた「普通」と「中型」のあいだの免許
準中型免許は、2017年(平成29年)3月12日に施行された改正道路交通法で新しく設けられた運転免許です。普通免許と中型免許のあいだに入る区分で、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満などの「準中型自動車」を運転するための免許です。配送でおなじみの最大積載量2トンのトラックも、ほかの2つの数字が上限を超えなければこの区分に入ります。
なぜ新しい免許が必要になったのか。内閣府の平成30年交通安全白書によると、集配などでよく使われる最大積載量2トンの貨物自動車が、保冷設備などを取り付けることで車両総重量5トンを超え、運転に中型免許が必要なものが多くなっていました。ところが中型免許は20歳からしか取れないため、高校を卒業して間もない人がすぐにこうした車を運転できず、運転者の確保にも影響しているという指摘がありました。
そこで、免許を持たない18歳以上の人でも取れて、車両総重量7.5トン未満の車を運転できる免許として準中型免許がつくられました(法律は2015年6月に成立)。
もう1つ大事なのは、この改正で普通免許で運転できる範囲が小さくなったことです。改正後に取った普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満の車までになりました。
高校卒業のタイミングで、配送用のトラックを運転する道が開ける。
普通免許を先に取らず、いきなり準中型免許から始めることもできる。
配送や引越し、資材の運搬などで使われる車格をカバーする。
2026年4月1日から、オートマチック車に限る準中型免許が導入された。
何トンまで運転できる?「車両総重量・最大積載量・乗車定員」の3つで決まる
「準中型免許は何トンまで?」という問いには、1つの数字では答えられません。免許の区分は、車両総重量、最大積載量、乗車定員の3つで決まり、そのうち1つでも上限を超えると上の免許が必要になります。大阪府警察と石川県警察の案内をもとに、4つの区分を並べます。
| 区分 | 車両総重量 | 最大積載量 | 乗車定員 | 免許を受けられる条件 |
|---|---|---|---|---|
| 普通 | 3.5トン未満 | 2トン未満 | 10人以下 | 18歳以上(仮免許と試験は17歳6か月から) |
| 準中型 | 3.5トン以上7.5トン未満 | 2トン以上4.5トン未満 | 10人以下 | 18歳以上(仮免許と試験は17歳6か月から) |
| 中型 | 7.5トン以上11トン未満 | 4.5トン以上6.5トン未満 | 11人以上29人以下 | 20歳以上で、普通免許などの期間が通算2年以上 |
| 大型 | 11トン以上 | 6.5トン以上 | 30人以上 | 21歳以上で、普通免許などの期間が通算3年以上 |
準中型免許で運転できるのは、車両総重量7.5トン未満・最大積載量4.5トン未満・乗車定員10人以下の車までです。車体が小さくても、マイクロバスのように乗車定員が11人以上の車は中型免許の区分になるため、準中型免許では運転できません。
「2トン車」「4トン車」という呼び名と、免許の区分は別もの
トラックの世界では「2トン車」「4トン車」という呼び方をよく使います。これは、おおよそ荷台に何トン積めるかを表す呼び名で、免許の区分名ではありません。免許で見るのは、車検証に書かれた車両総重量・最大積載量・乗車定員の数字です。石川県警察も、運転する前に免許証と車検証を照らし合わせ、3つの数字が1つでも上限を超えていれば上位の免許が必要だと案内しています。
車両総重量は「車の重さ+人+荷物」
いすゞ自動車の解説では、車両総重量は「車両重量+乗車定員×55kg+最大積載量」で求めます。同じ「最大積載量2トン」のトラックでも、車体が重くなれば車両総重量は大きくなります。
計算の例(数字は説明用):車両重量2.5トン、乗車定員3人、最大積載量2トンなら、2.5+0.165+2=約4.67トン。ここに冷凍機や荷台の昇降装置などを付けて車両重量が3トンになると、約5.17トンになります。
どちらも準中型の範囲なので、限定のない準中型免許ならどちらも運転できます。ただし5トン限定の免許では、装備が増えただけで乗れなくなることがあります。2007年から2017年までの普通免許(いまの5トン限定)で起きていたこの現象が、内閣府の白書が指摘した問題です。
逆の動きもあります。自動車メーカーの中には、2017年3月12日以降に取った普通免許でも運転できる、車両総重量3.5トン未満のトラックを販売しているところがあります(例:いすゞ自動車の「エルフミオ」)。会社が持つ車によって、必要な免許は本当にまちまちです。
あなたの普通免許で乗れる範囲は?取った日で3通りに分かれる
普通免許は、取った日によって運転できる範囲が違います。免許制度が変わっても、それまでに取った免許は前と同じ範囲を運転できるように扱われているためです。免許証に書かれた普通免許の取得年月日と、条件の欄を見ながら確認してください。免許証の「交付」の日付は、更新などでいまの免許証が作られた日なので、取得した日とは違うことに注意しましょう。
| 普通免許を取った日 | いまの扱い | 運転できる範囲 |
|---|---|---|
| 2007年6月1日以前 | 8トン限定の中型免許 | 車両総重量8トン未満・最大積載量5トン未満・乗車定員10人以下 |
| 2007年6月2日〜2017年3月11日 | 5トン限定の準中型免許 | 車両総重量5トン未満・最大積載量3トン未満・乗車定員10人以下 |
| 2017年3月12日以降 | 普通免許 | 車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満・乗車定員10人以下 |
2007年6月2日から2017年3月11日までに普通免許を取った人は、2017年3月12日以降に免許を更新すると、免許証に「準中型車は準中型(5t)に限る」といった条件が書かれます(石川県警察の案内)。
2007年6月1日以前に普通免許を取った人は、8トン限定の中型免許として扱われます。準中型の範囲の車はすべて運転できるので、準中型免許を取り直す必要はありません。ただし、8トン限定の中型免許で運転できる車の乗車定員は10人以下で、限定のない中型免許の「11人以上29人以下」とは違う点に注意が必要です。
範囲を超えた車を運転するとどうなる?石川県警察は、2017年3月12日以降に取った普通免許しか持たない人が準中型自動車を運転すると無免許運転になると案内しています。無免許運転の罰則は、道路交通法第117条の2の2で「3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」と定められています。5トン限定の人も、限定の範囲を超える車は運転できません。「会社に言われたから」では済まないので、乗る前に車検証の3つの数字を必ず確かめてください。
数字で見る準中型免許|「限定なし」を持つ人は多くない
警察庁の運転免許統計(令和7年版)から、準中型免許の実際の姿を見てみます。
2025年(令和7年)末に準中型免許の保有者として数えられている人は10,960,713人です(2種類以上の免許を持つ人は上位の免許で集計)。一方、条件付きの免許の集計では、準中型の5トン限定だけが付いたものが10,900,679あります(中型第二種の5トン限定とあわせて付いた7,550を足すと10,908,229)。2007年から2017年に普通免許を取って「5トン限定」とみなされた人の免許が、1,000万を超えているということです。
保有者の表と条件付きの免許の表は集計の方法が違うため、2つの数字の差が限定のない準中型免許を持つ人の数になるわけではありません。そこで、新しく取った人の数を見てみます。
令和7年に指定自動車教習所を卒業した人は、準中型が34,194人で、普通(1,033,525人)のおよそ30分の1です。試験場で技能試験を受けて準中型の本免許試験に合格した人は853人にとどまり、新しく取る人のほとんどは教習所を通っています。
準中型免許ができた2017年から2025年までに、指定自動車教習所で準中型を卒業した人は、各年の数を合計しても254,542人(約25万5千人)です。5トン限定の1,000万あまりと比べると、限定のない準中型免許を新しく取った人はまだ多くないことがわかります。「普通免許で応募できて、入社後に準中型免許を取ってもらう」という求人が出てくる背景には、こうした事情もあると考えられます。
取り方と受験の条件|教習所か、試験場の一発試験か
まず確認したい、受験の条件
準中型免許を受けられるのは18歳からです(道路交通法第88条)。体の条件は普通免許より厳しく、大阪府警察の案内では次の基準になっています。
- 視力:左右それぞれ0.5以上で、両眼で0.8以上(眼鏡・コンタクトによる矯正でも可)
- 深視力:三棹法の検査器で2.5メートルの距離から3回測り、平均の誤差が2センチ以内
- 聴力:10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえる(補聴器による聴力でも可)
- 色の区別:赤・青・黄の区別ができる
深視力は、3本の棒のうち真ん中の1本が前後に動き、両側の棒と並んだと思ったところでボタンを押す検査です。普通免許の更新では受けない検査なので、不安な人は先に眼科や教習所の適性検査で確かめておくと安心です。
2026年4月からの主な変更点
1つ目は、受験できる年齢です。2026年4月1日から、準中型と普通の仮免許の取得と運転免許試験の受験が、18歳から「17歳6か月」に引き下げられました(令和6年法律第34号)。栃木県警察の案内によると、試験には17歳6か月から合格できますが、運転免許証が交付されるのは18歳の誕生日以降です。警察庁の資料では、いわゆる「早生まれ」の高校3年生が、卒業して就職や進学をするまでに免許を取りにくい状況に配慮した改正だと説明されています。在学中の教習所への入所は、学校の決まりにも従う必要があります。
2つ目は、AT準中型免許の導入です。警察庁によると、トラックのオートマチック車が広がっていることなどを受けて、それまでマニュアル車の免許しかなかった準中型免許に、2026年4月1日からAT免許が導入されました。AT準中型免許ではマニュアルのトラックは運転できません。働きたい会社のトラックがマニュアルかオートマチックかを確かめてから、どちらを取るか決めましょう。制度が始まったばかりで、AT準中型の教習を行っているかどうかは教習所によって違うため、入校の前に確かめてください。
3つ目は、MT免許の技能試験と教習の方法の見直しです。同じ2026年4月1日から、準中型・中型のMT免許の技能試験と、それに準じる教習所の技能教習・検定は、原則としてAT車で行い、クラッチやギアの操作に関する項目だけをMT普通車で行う方法に変わりました(警察庁)。ただし、以前から指定を受けている教習所などでは、当面の間、従来の方法で教習を行うことも認められています。
教習所で取る(多くの人が選ぶ方法)
指定自動車教習所に通い、学科教習と技能教習を受け、所内の検定に合格すれば、試験場での技能試験が免除されます。必要な教習の時限数は、持っている免許によって大きく違います。
| 持っている免許 | MT準中型(豊橋市の教習所) | AT準中型(東京都の教習所) |
|---|---|---|
| なし | 技能41・学科27 | 技能38・学科27 |
| 二輪免許 | 技能39・学科3 | 技能36・学科3 |
| 普通免許(2017年3月12日以降に取得) | 技能13・学科1(普通MT) | 技能13・学科1(普通AT) |
| 5トン限定の準中型免許(MT) | 技能4・学科0 | ― |
普通免許を持っている人は、準中型免許の学科試験が免除されます(大阪府警察の案内)。教習所を卒業したあと、住所地の運転免許試験場で適性試験などを受けて免許証が交付されます。
試験場で直接受ける(いわゆる一発試験)
教習所に通わず、運転免許試験場で直接試験を受ける方法もあります。大阪府警察の案内では、次の順番で進みます。
手数料だけを見れば教習所よりずっと安く済みますが、路上練習に使う準中型のトラックと、条件を満たす同乗者を自分で用意しなければなりません。技能試験は1回で受かるとは限らず、不合格のたびに手数料がかかります。前の章で見たとおり、試験場の技能試験で合格した人は年間853人と少数です。
費用の目安|持っている免許で8万円台から40万円台まで
教習所の料金は、地域・時期・教習所によって変わります。ここでは、公式サイトに総額が載っている教習所の例を紹介します。
| 持っている免許 | MT準中型 (ユタカ自動車学校・愛知県豊橋市) | AT準中型 (拝島自動車教習所・東京都) |
|---|---|---|
| なし | 471,060円 | 383,790円 |
| 原付免許 | 466,440円 | ― |
| 二輪免許 | 373,270円 | 334,180円 |
| 普通免許(2017年3月12日以降に取得) | 199,910円(普通MT) | 215,600円(普通AT) |
| 5トン限定の準中型免許(MT) | 102,960円(限定解除) | ― |
いちばん大きく効くのは「いま何の免許を持っているか」です。免許を持っていない人がいきなり準中型を取ると30万円台後半から40万円台になりますが、2017年3月12日以降の普通免許を持っていれば20万円前後、5トン限定からの限定解除なら次の章で紹介する例も含めて8万円から10万円ほどです。規定の時限で技能が仕上がらなければ追加料金がかかり、ユタカ自動車学校の場合は技能教習1時限あたり8,030円(税込)です。
試験場で受ける場合の手数料
大阪府警察の掲載額で、普通免許を持っている人がすべて1回で合格した場合を計算すると、仮免許(試験手数料2,950円・交付手数料1,100円・車両使用料1,750円)と本免許(試験手数料3,900円・車両使用料3,000円・免許証の交付手数料2,350円・準中型車講習18,600円)で合計33,650円です。普通免許を持っていない人は、準中型車講習が30,400円になり、応急救護処置講習5,550円も加わります。ここに、不合格のときの再受験の手数料と、路上練習にかかる費用が上乗せされます。
費用を抑える2つの方法
1つ目は、雇用保険の教育訓練給付金です。厚生労働大臣の指定を受けた講座を修了すると、費用の一部が支給されます。一般教育訓練なら教育訓練経費の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練なら40%(上限20万円)で、特定一般は資格を取って修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇われるなどの条件を満たすと50%(上限25万円)になります(厚生労働省)。どちらの給付になるかは講座ごとに違い、例に挙げたユタカ自動車学校の準中型は、一般教育訓練(20%・上限10万円)の対象と案内されています。雇用保険に入っていた期間などの受給の条件があり、対象の講座は厚生労働省の教育訓練講座検索システムで調べ、申請はハローワークで行います。
2つ目は、入社後に会社の制度で取る方法です。運送会社の中には、準中型や中型の免許を取る制度を用意している会社があります。ただし、費用をどこまで会社が出すか、途中で辞めたときに返還を求められるかは会社によって違い、求人に書かれていないことも多いので、必ず応募前に確かめてください(確認点は第10章)。
ドライバーの求人を見る
マン天には、普通免許で応募でき、入社後に準中型などの免許を取れる制度がある求人も掲載されています。制度の有無は求人ごとに違います。費用の負担の範囲や返還の条件、AT限定の免許で乗れる車や、取得制度でAT限定をどう扱うか、免許を取るまでの間の仕事内容は求人に書かれていないことが多いため、面接で確認しましょう。
ドライバーの求人一覧を見る限定解除|5トン限定・AT限定を外すには
ここでは、2007年6月2日から2017年3月11日までに普通免許を取った「5トン限定」の人の限定解除を説明します。限定を外せば、車両総重量7.5トン未満・最大積載量4.5トン未満の準中型自動車をすべて運転できるようになります。方法は2つあります。
方法1:教習所で技能教習と審査を受ける
教習所の限定解除コースは、学科がなく技能教習だけです。ユタカ自動車学校(豊橋校)の案内では技能4時限で102,960円、遠鉄自動車学校の浜松自動車学校では「準中型5t限定解除プラン」が82,500円(税込)です。
方法2:試験場で限定解除審査を受ける
運転免許試験場で直接、限定解除の審査を受けることもできます。大阪府警察の案内では、予約をしたうえで、審査手数料1,350円と貸車料1,750円で受けられます。費用はとても安い一方、準中型のトラックを試験の基準どおりに運転できる技能が1回の審査で求められます。トラックの運転に慣れていない人は、教習所で練習してから臨むほうが結果的に早いこともあります。
| 今の免許 | 準中型の範囲を運転するには | 選択肢の例 |
|---|---|---|
| 5トン限定の準中型(MT) | 5トン限定の解除が必要 | 教習所の限定解除コース/試験場の限定解除審査 |
| 5トン限定の準中型(AT限定) | 5トン限定の解除が必要。マニュアル車に乗るならAT限定の解除も必要 | 両方を同時に外すプランを用意する教習所もある(例:浜松自動車学校の「準中型5tAT同時解除プラン」103,400円・税込) |
| 8トン限定の中型 | すでに準中型の範囲はすべて運転できる | 準中型の限定解除は不要 |
| 2017年3月12日以降の普通 | 準中型免許の取得が必要 | 教習所で取る/試験場で取る |
5トン限定の人は「中型」へ直接進む道もある:中型免許は、20歳以上で、普通免許・準中型免許などを受けていた期間が通算2年以上あれば受けられます。5トン限定の準中型免許も準中型免許の一種なので、この条件を満たせば、準中型の限定解除を挟まずに中型免許を目指せます。4トン車に乗る仕事まで見据えているなら、どちらが近道かを教習所や会社に相談してみてください。
取った後の注意|初心者マークと、車の大きさに慣れるまで
初心者マークが必要な人
道路交通法第71条の5では、準中型免許を受けてから通算1年に達しない人は、準中型自動車の前と後ろに初心者マークを付けて運転しなければならないと定めています。ただし、準中型免許を受ける前に普通免許を通算2年以上持っていた人は、この義務から外れます。
注意したいのは、18歳で普通免許を持たずに準中型免許を取った人です。同じ条文の第2項により、準中型免許または普通免許を受けてから通算1年に達しない人は、普通自動車にも初心者マークが必要です。つまり最初の1年は、仕事のトラックにも、自分の普通車にもマークを付けることになります。
また、準中型免許を受けてから1年間は「初心運転者期間」で、この期間に違反をして政令の基準に当てはまると、再試験の対象になります(道路交通法第100条の2)。ただし、準中型免許を受ける前に普通免許を通算2年以上持っていた人は、再試験の対象になりません。
普通車との違いに慣れる
準中型の範囲のトラックは、普通車より車体が長く、運転席も高くなります。左折のときの巻き込み、後ろの見えにくさ、高さ制限、荷物の有無によるブレーキの効き方の違いなど、普通車にはない注意点があります。入社後の同乗研修(先輩の横に乗って教わる期間)がどのくらいあるかは、面接で聞いておきたいポイントです。研修制度の見方は「未経験歓迎の求人で失敗しない研修制度の見抜き方」も参考にしてください。
準中型でできる仕事と、給料の目安
準中型免許で運転できる車は、次のような仕事で使われています。
決まった取引先へ商品や部品を届ける。日勤で毎日帰れる求人もある。
保冷設備を付けた車は車両総重量が増え、準中型免許が必要になることがある。
運転だけでなく、荷物の積み降ろしも仕事の一部になる。
準中型の範囲のトラックやダンプで、資材や土砂を現場へ運ぶ。
ルート配送の仕事の中身は「ルート配送ドライバーの仕事とは?」で、トラックドライバー全体の年収や大型免許までのキャリアは「未経験からトラックドライバーになるには?」でくわしく解説しています。
統計で見る給料
厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者・企業規模10人以上・男女計)では、準中型だけの区分はありませんが、準中型を含む「営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)」の数値が公表されています。
| 項目 | 営業用貨物自動車運転者(大型車を除く) | 営業用大型貨物自動車運転者 |
|---|---|---|
| きまって支給する現金給与額(月) | 34万1,700円 | 38万6,900円 |
| うち所定内給与額(月) | 28万7,300円 | 30万6,300円 |
| 年間賞与その他特別給与額 | 38万5,100円 | 42万9,600円 |
| 年収の目安(月額×12+賞与) | 約448.6万円 | 約507.2万円 |
| 平均年齢 | 50.3歳 | 51.5歳 |
| 所定内実労働時間/超過実労働時間(月) | 173時間/26時間 | 175時間/33時間 |
「大型車を除く」には準中型だけでなく、中型や普通車のドライバーも含まれます。平均年齢は50歳を超えているため、若い人や未経験の人が入社1年目からこの水準になるとは限りません。大型のドライバーのほうが平均は高いものの、残業の時間も月33時間と長く(大型車を除く区分は26時間)、差には残業の差も含まれています。
求人の給料の例
マン天に掲載中の求人では、株式会社マイシンの2tトラックドライバー(愛知県豊橋市)の給与が254,792円〜262,733円で、給与欄に「固定残業40時間」とあり、内訳には固定時間分の手当や通勤費も含まれています。固定残業代の金額と、40時間を超えた分の支払いは求人に書かれていないため、面接で確認しましょう。年収例は「勤続1年/20代/373万円(賞与込み)」です。ニッコン株式会社 東海営業所の中型トラックドライバー(愛知県東海市)は月給280,000円〜380,000円(稼働によって異なります)で、交通費は福利厚生の欄に「一部支給(上限5万円/月)」と別に書かれています。マイシンの額には通勤費も含まれるため、2社の金額は単純には比べられません。
給料を比べるときは、固定残業代が含まれているか、何時間分か、手当がどの条件で付くかを必ず確かめてください。読み方は「求人の給与欄の読み方完全ガイド」にまとめています。
「普通免許OK」の求人の読み方と、会社負担で準中型を取るときの確認点
「普通免許OK」に考えられる3つのパターン
ドライバーの求人でよく見る「普通免許OK」という書き方には、おもに次の3つのパターンが考えられます。
- 車両総重量3.5トン未満の車に乗る仕事なので、どの時期の普通免許でも運転できる
- 2017年3月11日以前に取った普通免許(5トン限定の準中型など)を持っていることを前提にしている
- 入社後に会社の制度で準中型などの免許を取ってもらう前提で、応募の時点では普通免許でよい
たとえば、ニッコン株式会社 東海営業所の中型トラックドライバーの求人では、必須の条件を「普通自動車運転免許」としたうえで、「※平成29年3月11日以降取得の方は準中型免許」と書かれています。免許を取った時期によって、応募に必要な免許が変わる例です(取得日が境目の近くの方は、応募先に確認してください)。職種名は「中型トラックドライバー」なので、乗る車の車両総重量・最大積載量(車検証の区分)と、5トン限定の免許で乗れる車かどうかも面接で確認しましょう。一方、株式会社マイシンの2tトラックドライバーと4tトラックドライバーの求人は、必須が「普通免許(AT可)」で、「入社1ヶ月で準中型・中型免許・フォークリフト取得制度など使用できます。」と書かれています。4tトラックは、車検証の数字によって準中型か中型の範囲になり、中型の範囲なら中型免許(20歳以上などの条件あり)が必要です。どの車にいつから乗るのか、どの免許をいつ取るのか、費用やAT限定の扱いも含めて面接で確かめましょう。
求人の職種名にある「2t」「4t」「中型トラック」といった呼び名は、免許の区分名とは一致しないことがあります。職種名だけで判断せず、応募条件の免許欄と、入社後に乗る車を確かめましょう。
会社の制度で取るときに確認したいこと
- 費用は全額会社負担か一部か。立て替えて給料から差し引く形ではないか
- 一定の期間内に退職したとき、費用の返還を求められる条件があるか
- 教習所に通う日は勤務扱いか、休日に通うのか
- 免許を取るまでの間、どの車に乗り、どんな仕事をするのか
条件は書面で残しておく:免許の取得支援の中身は会社によって違います。面接で聞いた内容は、労働条件通知書や社内の規程など、書面で確認できる形でもらっておくと、あとで「聞いていた話と違う」を防げます。
自費で取るか、入社後に取るか
自費で先に取れば、応募できる求人が増え、入社後の縛りもありません。会社の制度で取るなら出費を抑えられますが、一定期間その会社で働くことが条件になる場合もあります。働きたい会社がすでに決まっているかどうかで選ぶのが現実的です。
愛知でトラックドライバーを募集中
愛知県の日勤配送の求人です。マイシンの2求人は入社1ヶ月で準中型・中型免許の取得制度を使え(中型免許は20歳以上などの条件あり)、ニッコンの求人は平成29年3月11日以降に普通免許を取った方は準中型免許が応募の条件です。
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ニッコン株式会社 東海営業所|愛知県東海市
普通免許OK×未経験歓迎◎日勤配送で生活リズム安定♪物流大手で安心を手に入れよう【ニッコン株式会社 東海営業所丨中型トラックドライバー】
中型トラックで東海エリア中心の地場配送/日勤運行が基本・長距離泊まり運行なし
月給280,000円〜380,000円(稼働によって異なります)
必須:普通自動車運転免許(平成29年3月11日以降取得の方は準中型免許)
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株式会社マイシン|愛知県豊橋市
健康経営優良法人5年連続認定【株式会社マイシン|2tトラックドライバー 三河エリア配送】
2tトラックで三河エリア中心の日勤配送/入社1ヶ月で準中型・中型免許の取得制度
254,792円〜262,733円
固定残業40時間(金額の記載なし)。必須:普通免許(AT可)
マンガで仕事を見る -

株式会社マイシン|愛知県豊橋市
未経験でも安心♪日勤配送でドライバーデビュー!【株式会社マイシン|4tトラックドライバー 東海4県エリア配送】
4tトラックで愛知・岐阜・三重の取引先へ配送/運転時間は1日5時間程度
255,926円〜274,335円
固定残業40時間(金額の記載なし)。必須:普通免許(AT可)
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2026年9月時点の募集内容です。最新の条件は求人ページでご確認ください。
よくある質問
準中型免許は何トンまで運転できますか?
車両総重量7.5トン未満、最大積載量4.5トン未満、乗車定員10人以下の車まで運転できます。3つのうち1つでも上限を超えると中型以上の免許が必要です。「2トン車」「4トン車」という呼び名ではなく、車検証に書かれた3つの数字で判断してください。
普通免許で2トントラックは運転できますか?
普通免許を取った日によって違います。2017年3月12日以降に取った普通免許は、車両総重量3.5トン未満・最大積載量2トン未満の車までなので、最大積載量が2トンある車は運転できません。2007年6月2日から2017年3月11日までに取った普通免許は5トン限定の準中型免許とみなされ、車両総重量5トン未満・最大積載量3トン未満まで運転できます。
準中型免許を取る費用はいくらですか?
持っている免許で大きく変わります。愛知県豊橋市の教習所の例では、免許なしから471,060円、2017年3月12日以降に取った普通免許(MT)から199,910円、5トン限定の準中型から限定解除する場合は102,960円です(いずれも案内された総額)。教習所や時期で金額は変わります。
5トン限定の限定解除はどうすればいいですか?
教習所で技能教習と審査を受ける方法と、運転免許試験場で限定解除審査を受ける方法があります。教習所の例では技能教習4時限のコースがあり、試験場で受ける場合は大阪府警察の例で審査手数料1,350円と貸車料1,750円がかかります。試験場の審査は費用が安い一方、1回の審査で合格できる運転技能が求められるので、トラックの運転に慣れているかどうかで選んでください。
準中型免許は何歳から取れますか?
免許を受けられるのは18歳からです。2026年4月1日からは、準中型の仮免許の取得と運転免許試験の受験が17歳6か月からできるようになりましたが、試験に合格しても運転免許証が交付されるのは18歳の誕生日以降です。
準中型免許を取ったら初心者マークは必要ですか?
準中型免許を受けてから通算1年に達しない間は、準中型自動車に初心者マークを付ける義務があります。ただし、準中型免許を受ける前に普通免許を通算2年以上持っていた人は除かれます。18歳で準中型免許だけを取った人は、1年間は普通自動車にもマークが必要です。
会社の負担で準中型免許を取ることはできますか?
入社後の免許取得を支援する求人があります。応募前に、費用を全額出すのか一部なのか、途中で退職したときに費用の返還を求められるか、教習に通う日を勤務として扱うかを確認し、条件は書面でもらっておくと安心です。
まとめ|まず自分の普通免許の取得年月日を見るところから
この記事の要点
- 準中型免許は2017年3月12日に新設。車両総重量7.5トン未満・最大積載量4.5トン未満・乗車定員10人以下の車を運転できる。
- 必要な免許は「2トン車」などの呼び名ではなく、車検証の3つの数字で決まる。1つでも超えれば上位の免許が必要。
- 普通免許は取った日で3通り。2017年3月12日以降は3.5トン未満・積載2トン未満まで、2007年6月2日〜2017年3月11日は5トン限定の準中型、それより前は8トン限定の中型。
- 5トン限定の準中型免許は1,000万を超える一方、2017年〜2025年に教習所で準中型を卒業した人は合計約25万5千人で、限定のない準中型を新しく取った人はまだ多くない。
- 18歳から取得でき、2026年4月から仮免許と試験は17歳6か月から。同じ4月にAT準中型免許も導入された。
- 教習所の総額の例は、免許なしで30万円台後半〜40万円台、2017年以降の普通免許からで20万円前後、5トン限定の解除で8万〜10万円ほど。
- 一発試験は手数料が安い反面、路上練習の車と同乗者の確保が必要。この方法で合格した人は令和7年で853人と、取る人自体が少ない。
- 取得後1年は初心者マークと初心運転者期間に注意。18歳で準中型だけを取った人は普通車にもマークが必要。
- 会社負担で取るなら、負担の範囲・返還条件・教習日の扱いを書面で確認する。
準中型免許は、トラックの仕事に入るときの「最初の関門」になりやすい免許ですが、その高さは人によってまったく違います。5トン限定の人は技能教習4時限のコースで限定を外せますし、2017年以降に普通免許を取った人にも、入社後の取得制度を使って働きながら取る道があります。
最初にやることは、財布から免許証を出して、普通免許の取得年月日を見ることです。そのうえで、乗りたい車の車検証の数字と、求人の免許欄を照らし合わせてください。足りないものがわかれば、免許の取り方も応募先も決めやすくなります。
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参照元ソース
- 内閣府「平成30年交通安全白書(概要)トピックス 準中型免許の新設について」
- 大阪府警察「準中型自動車、準中型免許について」
- 石川県警察「準中型免許と運転可能な車種について」
- 大阪府警察「免許の種類と視力等の基準」
- 大阪府警察「準中型免許(試験場での受験・限定解除審査)」
- 栃木県警察「運転免許試験の受験資格に係る年齢要件引下げについて」
- 文部科学省「仮免許及び運転免許試験の受験資格に係る年齢要件引下げについて(周知)」
- 国家公安委員会・警察庁「規制の事前評価書(要旨)普通仮免許等の年齢要件の引下げ」
- 警察庁「AT大型免許等の導入及びMT免許の技能試験等の方法の見直しについて」
- 警察庁「運転免許統計 令和7年版」
- e-Gov法令検索「道路交通法」(第71条の5・第87条・第88条・第100条の2・第117条の2の2)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者(職種)第1表(政府統計の総合窓口)
- 厚生労働省「教育訓練給付金」
- ユタカ自動車学校(豊橋校)「準中型」
- 拝島自動車教習所「AT準中型免許」
- 遠鉄自動車学校 浜松自動車学校「準中型5t限定解除」
- いすゞ自動車 トラックステーション「普通免許でトラックは運転できる?」
- いすゞ自動車「エルフミオ」
※数値は各公式サイト・統計の掲載値です。教習所の料金、試験場の手数料は地域・時期によって変わります。試験場の手続きや手数料は、住所地の都道府県警察の案内と、応募先の求人票をご確認ください。


