内装工事とは?床の下地処理・仕上げの仕事内容と年収、未経験からの始め方【2026年版】

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未経験からの仕事選びガイド・2026年版

内装工事とは?床の下地処理・仕上げの仕事内容と年収、未経験からの始め方

オフィス、工場、ショッピングモール、学校。毎日たくさんの人が歩き、台車が行き交う床は、仕上げの下に隠れる「下地」の出来で持ちが決まります。内装工事の範囲、床の下地処理から仕上げまでの流れ、統計で見る年収、きつさと続けられる条件、未経験からの始め方と求人の見方までを、国の標準仕様書と統計をもとに解説します。

  • 4.24倍有効求人倍率
    (建設従事者〈躯体を除く〉・令和8年7月)
  • 約467万円年収の試算
    (内装仕上工などを含む分類)
  • 3mm程度改修で古い塗り床を除く深さ
    (コンクリート下地・国の仕様書)
  • 28日以上コンクリート下地を
    乾かす期間(国の仕様書)
  • 対象:未経験から現場職を考えている人
  • 愛知の正社員求人あり
  • 資格支援制度のある求人あり
  • 更新:2026年8月

先に結論:内装工事は、建物の床・壁・天井を仕上げる工事で、建設業法の29業種では「内装仕上工事」にあたります。床の仕事では、古い床材をはがし、研磨でもろい層や接着剤を削り、欠けや段差を埋めて平らにする「下地処理」の出来が、仕上げの持ちを左右します。作業のための資格を入社前に取っておく必要はなく、清掃・片付けや小型機械の操作から段階的に覚えられます。ただし、この記事で紹介する求人の応募の必須条件は、普通自動車免許(AT限定可)・高卒以上・30歳までの方(例外事由3号イ:長期キャリア形成のため)の3つです。きつさの中心は粉じん・音・振動と低い姿勢、それに夜間や出張の作業です。年収の試算は約467万円(内装仕上工などを含む職業分類・令和7年)で、建設従事者(建設躯体工事従事者を除く)の有効求人倍率は4.24倍です(令和8年7月)。

この記事の目次
  1. 内装工事とは
  2. 床の下地処理とは
  3. 床の仕上げの種類
  4. 働く現場と1日の流れ
  5. 未経験からの覚え方
  6. きつさと安全
  7. 年収・求人データ
  8. 資格とキャリア
  9. 求人の見方
  10. よくある質問
  11. まとめ

内装工事とは?床・壁・天井を仕上げる工事の全体像

内装工事は、建物の内側にある床・壁・天井を仕上げる工事です。建設業法では、建設工事が土木一式工事・建築一式工事の2つと、27の専門工事の計29種類に分けられており、その1つが「内装仕上工事」です。国土交通省の資料では、内装仕上工事は「木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事」とされ、例として天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事が挙げられています。

国の工事で標準として使われる、国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」でも、内装工事の章は床シート・床タイル、カーペット、塗り床、フローリング、畳、ボード張り、壁紙張りなどの節に分かれています(軽量鉄骨の下地は金属工事の章)。内装工事は、いくつもの専門の仕事の集まりです。

分野主な作業扱う材料の例
天井・壁の下地軽量鉄骨で天井や間仕切り壁の骨組みを組む軽量鉄骨の部材、ビス
ボード張り骨組みにボードを張り、壁や天井の面をつくるせっこうボード、合板
壁紙張りボードの面を整えて壁紙を張る壁紙、接着剤
床仕上げ床シートや床タイル、カーペットを張る。樹脂を塗って床をつくるビニル床シート、タイルカーペット、塗り床材
床の下地処理古い床材や接着剤の撤去、研磨、欠けや段差の補修研磨機、はつり機、補修材

床の仕事は、内装・塗装・左官の境目にある

床の仕事は、業種の境目にまたがることがあります。同じ国土交通省の資料では、塗料や塗材を吹き付けたり塗り付けたりする工事は「塗装工事」とされ、下地調整工事やブラスト工事は、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれると整理されています。また、左官工事の例示には「とぎ出し工事」が入っています。床を削り、整え、塗り、張るという流れは、内装・塗装・左官の技術が隣り合う場所だと考えるとわかりやすいでしょう。

この記事では、内装工事のうち「床」の仕事を取り上げ、とくに仕上げの前に行う下地処理(古い床材の撤去、研磨、はつり、補修)を軸に解説します。

床の下地処理とは?仕上げの持ちを決める「見えない工程」

床の下地処理とは、床材を張ったり樹脂を塗ったりする前に、その下のコンクリートやモルタルの面を整える工程です。床シートも塗り床も、下地の上に薄く載るだけなので、下地の凹凸や汚れ、水分、もろさを隠せません。下地の準備が足りなければ、床材の浮きやはがれ、塗り床のふくれといった不具合の原因になります。

新しい床では「乾かす」「平らにする」「もろい層を取る」

公共建築工事標準仕様書は、ビニル床シートなどを張る下地について、モルタル塗りの下地は施工後14日以上、コンクリートの下地は施工後28日以上置いて乾燥させることとしています。張り付けの前には、表面の傷などのへこみをポリマーセメントペーストなどで補修し、突起はサンダー掛けなどで平滑にするとも定めています。合成樹脂の塗り床でも同じ日数を置いたうえで、下地の突起、汚れ、付着物を取り除き、レイタンスやもろい部分がないことを確かめ、下地の表面の強さを確認することとされています。

レイタンスとは、コンクリートを打ったあとに表面へ浮き出てできる、もろい薄い層のことです。この層を残したまま樹脂を塗ると、仕上げが層ごとはがれる原因になります。研磨機で表面を削り、しっかりした面を出すことが下地処理の中心になるのは、このためです。

改修工事では「はがす」「削る」「埋める」

すでに使われている建物の床を張り替える改修工事では、まず古い床をはがすところから始まります。国土交通省の「公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」は、既存の床の撤去と下地補修について、次のような方法を示しています。

撤去・処理するもの方法(仕様書の要旨)
ビニル床シート・ビニル床タイル・ゴム床タイルカッターなどで切断し、スクレーパーなどでほかの仕上げを傷めないよう除去する。必要に応じて集じん装置付きの機器を使う
床に残った接着剤ディスクサンダーなどで、新しい仕上げの施工に支障がないよう除去する
樹脂の塗り床ケレン棒、電動ケレン棒、電動はつり器具、ブラスト機械などで除去する。下地がモルタルならモルタルごと、コンクリートなら表面から3mm程度を取る。既存の面をディスクサンダーなどで荒らして接着性を高める「目荒し」の方法もある
浮いた・欠けた下地モルタルダイヤモンドカッターなどで健全な部分と縁を切ってから撤去する
床タイル(焼き物のタイル)張り替える部分をダイヤモンドカッターなどで縁切りし、電動ケレン棒や電動はつり器具などでタイル片を撤去する

撤去したあとのコンクリートやモルタルの面は、凹凸や段差をサンダー掛けやポリマーセメントモルタルの充填で補修し、「コンクリート金ごて仕上げ程度」に仕上げると定められています。新しい仕上げが塗り床なら、補修には塗床材の製造所が指定する材料を使います。改修工事の基本的な品質として、床は「著しい不陸がなく、床鳴りが生じないこと」とされています。不陸(ふりく)とは、床面のでこぼこのことです。

床の仕上げの種類と、施工の要点

下地処理が終わると、床はいよいよ仕上げの工程に入ります。仕上げの種類ごとに、国の標準仕様書は細かな決まりを設けています。下地処理の担当でも、次に来る仕上げが何かを知っておくと、どこまで平らに、どこまで乾かしておくべきかの判断ができるようになります。

仕上げどんな床か施工の要点(標準仕様書より)
ビニル床シート継ぎ目の少ないシート状の床材仮敷きで巻きぐせを取り、くし目ごてで接着剤を均一に塗ってべた張りにする。継ぎ目は溝を切り、溶接棒と床シートを熱で溶かしてつなぐ熱溶接工法が標準
ビニル床タイル・ゴム床タイル四角い床材を並べて張る接着剤を下地の全面に均一に塗り、目地の通りをそろえて張り、圧着する
タイルカーペット1枚ずつ張り替えられるカーペット。特記がなければ500mm角・総厚さ6.5mmはがして張り替えられる粘着はく離形の接着剤を使う。コンクリート下地に張る場合は、下地が十分乾燥していることを確かめる
合成樹脂の塗り床エポキシ樹脂系や弾性ウレタン樹脂系の材料を塗り、床の膜をつくるプライマーを塗ってから主材を塗る。気温5℃以下、湿度80%以上、換気が十分でない場合は、採暖や換気を適切に行わない限り施工しない

材料ごとに条件がここまで細かいのは、床が毎日踏まれ、重いものが載り、水や汚れにさらされる場所だからです。

塗り床の工程を見てみる

例えば弾性ウレタン樹脂系の塗り床では、主剤と硬化剤を製造所の指定する割合で正確に計量し、かくはん機で練り混ぜて使うことや、前の工程の塗り面が乾燥・硬化したことを確かめてから次に進むことが定められています。量る、混ぜる、待つ。仕上げの品質は、こうした地道な手順の積み重ねで決まります。

「磨いて仕上げる」床もある

床を研磨する技術は、下地づくりだけでなく、床の表面そのものを磨いて仕上げる仕事にも使われます。この記事で紹介する求人を出している株式会社大商は、マン天が求人掲載企業を取材した特集インタビューで、床の下地処理と研磨仕上げを行う建設業の会社として紹介されています。求人でも「床の下地処理や仕上げ磨き作業といった内装工事未経験の方も大歓迎」と書かれており、削って整える技術が、そのまま仕上げの技術につながっていることがわかります。

どこで働く?工場・商業施設・学校の床と、現場の1日

内装工事の現場は、住宅からオフィス、店舗、病院、学校、工場まで幅広くあります。株式会社大商の求人では、仕事内容として「大手自動車メーカーの製造工場やショッピングモール・学校にて床の張替えや塗替えなどの工事」が挙げられています。広い床を持つ建物が、主な仕事場です。

使われている建物の工事では、建物の営業や生産を止めないことが前提になります。同社の求人には「慣れてきたら2〜3ヶ月に1回ほど夜間業務をお願いすることがあります」とあり、勤務地の欄には「静岡・大阪・長野県などへの出張の可能性あり(月1回程度)」と書かれています。特集インタビューの編集部のまとめ(一言メモ)でも、現場ごとに広さや素材、汚れの状態、電源や障害物などの制約が違い、その場で段取りを組み替える必要があること、お客様との対話の中で動線や営業への配慮が求められることが書かれています。

現場の1日の例

株式会社大商の求人の勤務時間は「8:00~18:00(休憩120分あり)」で、「平均残業時間:20時間程度」とも書かれています。この時間帯を例に、床の改修現場の1日を描くと次のようになります。1社の求人をもとにした例で、始業・終業の時刻や段取りは会社や現場によって違います。

出社・積み込みその日の現場と作業を確認し、研磨機や集じん機、材料を車に積んで現場へ向かう。
養生と段取り作業する範囲を区切り、壁や設備を守る。電源の位置と機械の置き場所を決める。
撤去・研磨古い床材をはがし、研磨機で接着剤やもろい層を削る。チームで範囲を分けて進める。
休憩をはさんで補修欠けや段差を補修材で埋め、面の平らさを確かめる。
清掃・片付け削りかすを集め、現場を元の状態に戻す。帰社後は機械を片付け、次の現場に備える。

インタビュー記事の編集部のまとめによると、同社では現場で必ずチームで動くため、いきなり一人で任されることはないそうです。新人のうちは、先輩の段取りを見ながら、次に何を準備すればよいかを先回りして考えるところから始まります。

未経験から始める|新人が任される仕事と覚える順番

内装工事の作業そのものに、入社前に取っておくべき資格はありません。入社後は現場の補助から始め、機械の扱いと材料の知識を少しずつ身につけていきます。ただし、応募条件として運転免許や学歴、年齢を設けている求人はあり、紹介求人の必須条件は普通自動車免許(AT限定可)・高卒以上・30歳までの方(例外事由3号イ:長期キャリア形成のため)です。紹介求人には、入社後の流れが次のように書かれています。

現場での清掃・片付け作業削りかすの回収、道具の準備と片付けで、現場の流れと道具の名前を覚える。
小型機械(研磨機・ハツリ機)での作業先輩の横で、小さな機械から扱い方と力加減を身につける。
資格取得のための講習会受講作業に必要な講習を受け、任される範囲を広げる。
社内ルールを学ぶ(マニュアル有)安全や作業の決まりを、マニュアルで確認しながら覚える。
倉庫内の機械の片付け機械の手入れと保管を通じて、道具を長持ちさせる習慣をつける。

求人では「いきなり実際の作業をお任せ!」ではなく、まずは先輩のアシスタントをしながら段階を踏んで業務を覚える、と説明されています。インタビュー記事の編集部のまとめでも、研磨や下地処理では力加減や音・振動から異常を察知する感覚が重要だと書かれています。こうした感覚は、補助の時期に先輩の作業を近くで見て、音や手応えを体で覚えることで育っていきます。

最初の1年で覚えたいこと

  • 機械と道具の名前、使う順番、置き場所
  • 養生の仕方と、使われている建物での振る舞い方
  • 集じん機の使い方と、粉じんを広げない掃除の仕方
  • 補修材や接着剤、塗り床材の扱い方と保管の決まり
  • 保護具の正しい着け方と、体調が悪いときの伝え方
  • 床の仕上げの種類と、それぞれに必要な下地の状態

講習は「何のためか」を知って受ける

床を削る機械の中には、砥石(といし)を使うものがあります。研削といしの取り替えや、取り替えたときの試運転の業務は、事業者が特別教育を行わなければならない業務の1つです(労働安全衛生規則第36条第1号)。また、石綿(アスベスト)が使われている建物の解体や改修の作業に就くときにも、特別教育が必要とされています(同条第37号)。求人にある「資格取得のための講習会受講」でどの講習を受けるのかは、面接で聞いておくと、入社後の見通しが立ちます。未経験歓迎の求人で研修の中身を確かめる方法は、未経験歓迎の求人で失敗しない研修制度の見抜き方で詳しく解説しています。

きついところと、続けられる条件

良い面だけを並べても、仕事選びの役には立ちません。床の下地処理を中心とした内装工事のきついところを、先にはっきり書いておきます。

粉じん

研磨やはつりでは細かい粉が出る。集じん機と保護具が欠かせない。

音と振動

研磨機やはつり機は大きな音と振動を伴う。長時間の作業は体にこたえる。

低い姿勢と重い機械

床が相手なので、しゃがむ・膝をつく姿勢が多い。機械の運搬も力仕事。

夜間・出張

営業中の建物は時間帯が限られる。夜間の作業や遠方の現場がある会社もある。

夏の暑さ

屋内でも、工場や空調を止めた建物の中は暑くなることがある。

においと換気

樹脂の塗り床は換気と火気に注意が必要。においのこもる現場もある。

一方で、屋内の現場が中心のため、屋外の工事に比べて雨で作業が止まることは少なめです。天候で予定が崩れにくく、工程の見通しを立てやすい点は、屋外の職種との大きな違いです。

安全は、我慢ではなく仕組みで守る

国の改修工事の標準仕様書は、床材の除去や塗り床の除去で、必要に応じて集じん装置付きの機器を使うことを定めています。塗り床の施工中は、換気と火気に注意することも決められています。会社側の備えとしては、株式会社大商の求人の福利厚生に「空調服・制服支給」「ヘルメット・作業用マスク支給(新品)」「ドリンク支給(夏季のみ)」「クーラーボックス1人1台支給」といった項目が並んでいます。

改修工事で知っておきたいのが、石綿(アスベスト)の決まりです。厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトによると、建物の解体・改修工事では、規模の大小にかかわらず、工事の前に対象部分のすべての材料について石綿の有無を調べる事前調査が必要です。建築物の事前調査は、2023年10月から、建築物石綿含有建材調査者など一定の要件を満たす人が行うことになっています。事業者には事前調査の結果を労働者の見やすい場所に掲示する義務があり、石綿を含む建材を切断する作業などでは、防じんマスクなどの呼吸用保護具を使う必要があります。現場に入ったら、掲示を自分の目で確かめる習慣をつけましょう。

続けやすい職場の条件

きつさの感じ方は、職場の仕組みで大きく変わります。特集インタビューで株式会社大商は、分からないことがあればすぐに聞けること、先輩が自然にフォローしてくれることを話しています。インタビュー記事の編集部のまとめ(一言メモ)では、マニュアルの整備やデジタルを活用した研修で仕事の流れを見える化していること、平均年齢は30代前半、定着率は約90%であることが紹介されています。ただし、定着率をどの期間の、誰を対象に数えたのかは示されていません。気になる人は、面接で数え方を聞いてみましょう。どの会社を選ぶ場合でも、「チームで作業するか」「教え方が決まっているか」「体調や予定を言い出しやすいか」の3点は、面接や見学で確かめておきたいところです。

年収・求人データ|統計と求人票から読み解く

最初に大切な前提をお伝えします。内装工事や床の下地処理だけを対象にした公的な賃金統計はありません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査では、内装仕上工やはつり工は「その他の建設従事者」という職業分類に含まれます。同じ分類には、ブロック積工、タイル張工、左官、屋根ふき工、防水工なども入っており、塗装工は別の分類です。その前提で、令和7年の数字を見てみましょう。

項目企業規模10人以上の計10〜99人の企業
平均年齢41.6歳42.3歳
平均勤続年数9.2年10.9年
所定内実労働時間(月)168時間170時間
超過実労働時間(月)12時間10時間
きまって支給する現金給与額(月)35万5,400円34万3,800円
うち所定内給与額(月)32万6,400円32万1,700円
年間賞与その他特別給与額40万3,900円46万7,600円
年収の試算約466.9万円約459.3万円

数値の出典と計算方法:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・職種(小分類)の「その他の建設従事者」(男女計・産業計)。年収の試算は、きまって支給する現金給与額(残業代などを含む月給)×12か月+年間賞与その他特別給与額で計算しました。

この分類は内装の仕事だけの数字ではないため、目安として読んでください。

比較のために、同じ調査の一般労働者全体の所定内給与額(男女計)は34万600円です。その他の建設従事者の所定内給与額32万6,400円は、全体よりやや低い水準ですが、月12時間ほどの残業に対する手当などを含めた月給と賞与を合わせると、年収の試算は460万円台になります。

公共工事の単価で見る「内装工」

国土交通省の「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価」には、「内装工」の単価が都道府県別に載っています。ここでの内装工は、内装工事について相当程度の技能を持ち、ビニル床タイルや床シート、カーペット、壁紙、ボードなどを床・壁・天井に張り付ける作業(またはブラインドなどの取り付け)を主体的に行う人と定義されています。床の下地処理の研磨やはつりは、この定義には書かれていません。東海地方と大都市の数字を並べると、次のとおりです。

都道府県内装工の単価(8時間あたり)
愛知県36,300円
岐阜県32,400円
静岡県40,400円
三重県36,700円
東京都34,400円
大阪府32,600円

この単価は、公共工事の工事費を積算するためのもので、所定労働時間内8時間あたりの金額です。時間外・休日・深夜の割増賃金や、事業主が負担する法定福利費などは含まれていません。つまり、張り付け作業を主体的に行える熟練した職人の1日分の賃金を、公共工事の積算でどのくらいと見込んでいるかの数字です。会社が支払う日給や月給そのものではなく、下地処理の仕事や、入社したばかりの人の給与の目安でもありません。同じ発表では、全国の全職種の加重平均が25,834円となり、14年連続の引き上げとされています。

求人倍率は4倍を超える

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」によると、ハローワークの常用(パートタイムを含む)の求人で、「建設従事者(建設躯体工事従事者を除く)」の有効求人は30,746人、有効求職者は7,258人で、有効求人倍率は4.24倍でした。職業計は1.05倍です。この表は総務省の日本標準職業分類(平成21年12月改定)の区分によるもので、この分類には内装仕上工のほか大工、左官、配管の仕事なども含まれます。内装だけの数字ではなく、ハローワークを通した求人と求職だけの数字ですが、仕事を探す人1人に対して4人分以上の求人がある状態で、人手を求める会社が多い分野だといえます。

求人票の給与はこう読む

株式会社大商の求人を例に、給与欄の読み方を見てみましょう。給与は「基本給210,000円~500,000円」で、基本給は年齢・経験・能力を考慮して決めると注記され、「※上記金額+各種手当+残業手当(1分でも残業したら支給します)」と書かれています。手当には、資格手当(5,000円~10,000円)、住宅手当(上限15,000円)、運転免許手当(3,000円~8,000円)、禁煙手当(5,000円)などがあります。モデル月収は「月収292,000円/経験2年目・25歳」、年収例は「年収400万円/経験2年目・20歳」「年収500万円/経験4年目・29歳」「年収580万円/経験8年目・29歳」、賞与は年3回(決算賞与含む)で、業績に応じて支給するとされ、前年度実績は300,000円~1,400,000円です。

モデル月収や年収例は、何年目の、どの役割の人の数字なのかを必ずセットで読みましょう。基本給の幅が広い求人では、入社時にどこから始まるのか、何ができるようになれば上がるのかを面接で聞くと、数年後の姿が見えてきます。給与欄の読み方は求人の給与欄の読み方完全ガイドも参考にしてください。

愛知で床の下地処理の仕事を見てみる

株式会社大商の内装工事スタッフは、未経験OKの正社員求人です。工場やショッピングモール、学校の床の張替えや塗替えを、先輩のアシスタントから段階的に覚えられます。年齢や学歴、免許の条件もあるため、募集要項を求人ページで確かめてみてください。

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資格とキャリアの道筋

内装工事の世界では、入社後に講習と経験を重ねながら、段階的に資格を取っていくのが基本です。大きく分けると、作業のための教育、腕を証明する国家検定、現場を管理するための資格の3段階があります。

1.作業のための特別教育と講習

先に触れたとおり、研削といしの取り替えや試運転の業務、石綿が使われている建物の解体・改修の作業などは、特別教育を受けてから就く業務です。こうした教育は、会社が計画して受けさせるものです。求人の「資格支援制度あり」が、どの講習の費用を誰が負担する制度なのかを確かめましょう。

2.腕を証明する技能検定「内装仕上げ施工」

技能検定は、働く人の技能を国が検定する制度で、合格すると「技能士」を名乗れます。建設関係の職種の1つに「内装仕上げ施工」があり、厚生労働省の技能振興ポータルサイト「技のとびら」によると、床、壁、天井の仕上げ工事のほか、カーテン・ブラインド工事も含む内装仕上げ工事の施工の仕事が対象です。技能検定の等級は職種によって1級・2級・3級などに分かれ、実務経験だけで受ける場合、2級は2年、1級は7年の経験が受検の目安になります(厚生労働省の技能検定パンフレット・令和8年度版)。

3.現場を管理する施工管理技士と、独立

現場全体の工程や品質、安全を管理する立場を目指すなら、建設業法第27条に基づく技術検定(施工管理技術検定)があります。検定は第一次検定と第二次検定に分かれ、第二次検定まで合格すると建築施工管理技士などの称号を名乗ることができます(第一次検定の合格者は技士補)。この資格は、職長から現場の管理者へと役割を広げる足がかりになります。施工管理の仕事については施工管理・現場監督の仕事ガイドで詳しく解説しています。

将来の独立を考える場合、建設業法では、建築一式工事以外の工事で1件の請負代金が500万円未満の「軽微な建設工事」だけを請け負うなら、必ずしも建設業の許可は要らないとされています。それを超える工事を請け負うには、内装仕上工事業などの許可が必要です。会社員のうちに、技術だけでなく、見積もりや段取り、安全管理まで学んでおくことが、どの道に進む場合でも力になります。

求人の見方と会社選び|勤務時間・休日・応募条件

「変形労働時間制」と「年間休日105日」の読み方

労働基準法は、休憩時間を除いて1週40時間、1日8時間を超えて働かせてはならないと定めています(第32条)。そのうえで、1か月以内の期間を平均して1週あたり40時間を超えない定めをすれば、特定の日や週に8時間・40時間を超えて働かせることができる仕組みがあります。これが「1か月単位の変形労働時間制」です(第32条の2)。株式会社大商の求人にも「変形労働時間制(1ヶ月単位/週平均40時間以内)」と書かれています。

同社の勤務時間は8:00~18:00で休憩が120分なので、1日の労働時間は8時間です。年間休日は105日なので、1年の所定労働日は260日、労働時間は2,080時間になります。1年はおよそ52週と1日なので、週に直すとほぼ40時間です。つまり年間休日105日は、1日8時間働く会社が週40時間の上限を超えないためにぎりぎり必要な日数とほぼ同じで、上限近くまで働く設定だということです。休日の欄の読み方は求人の休日・勤務時間の読み方完全ガイドも参考にしてください。

休日の書き方にも注意が必要です。求人の「週休2日制」は、毎週必ず2日休めるという意味とは限らず、毎週2日の休みがある「完全週休2日制」とは別の表記です。同社の求人は「週休2日制(日曜日+希望日1日)」で、GW・夏季休暇・年末年始もありますが、日曜日と希望日の年間約104日にこれらを単純に足すと105日を超えるため、毎週2日休めるわけではないと考えられます。また求人には「繁忙期以外は希望休もしっかり取れる」とあり、繁忙期は希望休が取りにくいことも読み取れます。ここで挙げたのは1社の例で、休日の決め方は会社によって違います。面接では、繁忙期がいつで、その時期の休みがどうなるかを聞いておきましょう。

応募条件の「年齢」「学歴」「免許」

同社の求人の応募条件は、必須として「普通自動車免許(AT限定可)」「高卒以上」「30歳までの方(例外事由3号イ:長期キャリア形成のため)」が挙げられています。募集で年齢に上限を設けることは原則として認められていませんが、労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項第3号イにより、長期間の勤務でキャリアを形成してもらうことを目的に、若い人を期間の定めのない雇用で募集する場合は例外とされています。この場合、職業経験を条件にしないことと、新卒者と同等の処遇で募集することが条件です。応募の前に、自分が条件に当てはまるかを募集要項で確かめましょう。

移動・夜間・出張の扱いを確かめる

床の工事は、現場が毎回変わる仕事です。同社の求人では、出退勤や休憩をアプリで管理し、運転するしないに関係なく移動中も稼動時間として計算すると説明されています。移動時間を勤務時間として扱うかどうかは会社によって違うため、求人票に書かれていなければ面接で確かめましょう。夜間作業の頻度と翌日の扱い、出張の頻度と手当も、生活のリズムに直結します。

  • 主な現場:工場、商業施設、学校、オフィス、住宅のどれが多いか
  • 仕事の中身:下地処理、床材張り、塗り床、研磨仕上げのどこまでを担うか
  • 育成:補助の期間に何を任せ、独り立ちまでの目安は何年か
  • 講習:どの特別教育や講習を、誰の費用で受けるか
  • 安全:集じん機、保護具、夏の暑さ対策の備え
  • 働く時間:変形労働時間制の有無、始業・終業、休憩の長さ
  • 休日:年間休日の日数、完全週休2日制かどうか、繁忙期の希望休の取りやすさ
  • 夜間・出張:頻度、翌日の休み、手当の有無
  • 給与:残業代の計算単位、移動時間の扱い、手当と賞与の実績
  • 応募条件:年齢、学歴、運転免許などの条件と、その理由

「未経験歓迎」だけで決めない:「未経験歓迎」と書かれていても、教え方が決まっているかどうかは会社によって違います。未経験で入社した先輩がいま何を任されているか、講習をいつ受けさせてもらえるかを、面接で具体的に聞いてください。答えが具体的な会社は、人を育てた実績のある会社です。

愛知県海部郡で床の下地処理を担う内装工事スタッフを募集中

工場やショッピングモール、学校の床の張替え・塗替えを、先輩のアシスタントから段階的に覚えられる未経験OKの正社員求人です。同じ募集内容が「建築・土木」と「製作・施工」の2つの分類に掲載されています。

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よくある質問

未経験・無資格でも内装工事の仕事に就けますか?

就けます。内装工事の作業そのものに、入社前に取っておくべき資格はありません。この記事で紹介した床の下地処理の求人でも、現場の清掃・片付けから始め、小型の研磨機・はつり機での作業、講習会の受講へと段階を踏む流れが示されています。ただし応募条件に運転免許や学歴、年齢を設けている求人もあり、紹介した求人の必須条件は、普通自動車免許(AT限定可)・高卒以上・30歳までの方(例外事由3号イ:長期キャリア形成のため)です。応募の前に募集要項を確かめてください。

床の下地処理とは、どんな作業ですか?

床材を張ったり樹脂を塗ったりする前に、下地のコンクリートやモルタルの面を整える作業です。古い床材や接着剤をはがして削り取り、表面のもろい層や汚れを研磨で取り除き、欠けや段差を補修して平らにします。国の標準仕様書でも、下地の突起や汚れ、もろい部分を取り除いてから仕上げに進むよう定められています。

内装工事の仕事はきついですか?

研磨やはつりで出る粉じん・音・振動、しゃがんだ姿勢での作業、重い機械の運搬、営業時間を避けた夜間の作業や出張が主な負担です。一方で屋内の現場が中心のため、屋外の工事に比べて雨で作業が止まることは少なめです。集じん装置付きの機械や保護具の支給、チームで作業する体制があるかどうかで、続けやすさは大きく変わります。

年収はどのくらいですか?

内装工事だけを対象にした公的統計はありません。内装仕上工やはつり工を含む「その他の建設従事者」は、令和7年賃金構造基本統計調査から試算すると年収約467万円(平均41.6歳、企業規模10人以上)です。会社、地域、経験年数、役割で差があるため、求人票の基本給、手当、賞与の実績で確かめてください。

どんな資格を取ればいいですか?

まずは会社の手配で受ける特別教育や講習で、研磨機などを安全に扱う知識を身につけます。研削といしの取り替えや試運転の業務は、特別教育が必要な業務の1つです。経験を積んだら、国家検定である技能検定の「内装仕上げ施工」や、現場を管理する施工管理技士に挑戦する道があります。

求人にある「例外事由3号イ」とは何ですか?

募集で年齢に上限を設けることは原則として認められていませんが、長期間の勤務でキャリアを形成してもらうために、若い人を期間の定めのない雇用で募集する場合は例外とされています(労働施策総合推進法施行規則第1条の3第1項第3号イ)。職業経験を条件にしないことや、新卒者と同等の処遇で募集することが条件です。

まとめ|床の「見えない仕事」は、確かな技術になる

この記事の要点

  1. 内装工事は床・壁・天井を仕上げる工事で、建設業法の29業種では「内装仕上工事」にあたる。
  2. 床の下地処理は、古い床材や接着剤の撤去、研磨、欠けや段差の補修で、仕上げの前の面を整える工程。
  3. 国の標準仕様書では、コンクリート下地は28日以上、モルタル下地は14日以上置いて乾燥させるなど、下地の条件が細かく決まっている。
  4. 改修では、床材を切ってはがし、接着剤をディスクサンダーなどで除去し、補修して「金ごて仕上げ程度」の平らさに整える。
  5. 現場は工場、商業施設、学校など。使われている建物では夜間や出張の作業もある。
  6. 未経験なら清掃・片付け、小型機械、講習の順に覚えていく。
  7. きつさは粉じん・音・振動、低い姿勢、夜間・出張。集じん機と保護具、チーム体制で負担は変わる。
  8. 内装仕上工などを含む分類の年収の試算は約467万円。建設従事者(建設躯体工事従事者を除く)の有効求人倍率は4.24倍(令和8年7月)。
  9. 技能検定「内装仕上げ施工」や施工管理技術検定で、技術と管理の力を証明できる。
  10. 求人は、変形労働時間制、年間休日、移動時間の扱い、応募条件までそろえて比べる。

床の下地処理は、完成すれば誰の目にも触れない仕事です。けれど、何年たってもはがれない床、つまずかない床、磨かれて光る床は、その見えない工程の上にしか成り立ちません。削る、埋める、確かめる。その積み重ねが、そのまま自分の技術として残っていきます。

未経験から目指すなら、体力の心配より先に、「確認しながら丁寧に進められるか」「チームで声を掛け合えるか」を自分に問いかけてみてください。そこにうなずけるなら、まずは求人票で、現場の種類、育成の順番、講習の支援、働く時間の4点を見比べるところから始めましょう。

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参照元ソース

※賃金は令和7年賃金構造基本統計調査、有効求人倍率は令和8年7月分の一般職業紹介状況、労務単価は令和8年3月から適用の値です。賃金構造基本統計調査の数値は対応する職業分類に基づくもので、内装工事の仕事だけの数値ではありません。求人の内容は変わることがあります。最新の情報は各出典元と求人ページでご確認ください。

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