屋根職人はきつい?年収・日当の目安と未経験からの始め方【2026年版】

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未経験からの仕事選びガイド・2026年版

屋根職人(屋根工事)の仕事はきつい?年収・日当の目安と未経験からの始め方

瓦をふく。金属の板で屋根を張る。台風のあとに雨もりを直す。屋根職人は、家のいちばん上で雨と風から暮らしを守る仕事です。高い所・暑さ・天候という「きつさ」を正直に書いたうえで、公的な統計から見た年収と日当の目安、未経験からの始め方、求人の見方までをまとめました。

  • 466.9万円年収の目安
    (瓦・スレートのふき工を含む分類)
  • 454.2万円年収の目安
    (金属屋根のふき工を含む分類)
  • 33,200円板金工の労務単価
    (愛知県・8時間あたり)
  • 1〜3級国家検定の等級
    (かわらぶき・建築板金)
  • 対象:未経験・経験の浅い方
  • 名古屋の建築板金の求人あり
  • 数値は公的統計で確認
  • 公開:2026年8月

先に結論:屋根職人は、高い所での作業、夏の屋根の上の暑さ、天気で予定が動くことが重なるため「きつい」と言われます。一方で、墜落を防ぐための設備と装備は法令ではっきり決まっており、それを守る会社を選べば未経験から始められる仕事です。屋根職人だけの賃金統計はありませんが、近い2つの分類の年収の目安は約454万〜467万円(令和7年賃金構造基本統計調査から計算)。瓦か金属屋根かで身につく技術も国家検定も変わるので、応募前にどちらの会社かを必ず確かめましょう。

この記事の目次
  1. 屋根職人とは
  2. 瓦・金属・スレートの違い
  3. 仕事内容と1日の流れ
  4. 防水工・板金加工・塗装との違い
  5. きついと言われる理由
  6. 墜落と熱中症を防ぐルール
  7. 年収の目安
  8. 日当の目安
  9. 未経験からの始め方
  10. 資格と国家検定
  11. 求人の見方と面接
  12. 向き不向き
  13. キャリアと将来性
  14. よくある質問
  15. まとめ

屋根職人とは?家のいちばん上で「雨と風」を止める仕事

屋根職人は、住宅や店舗、マンション、工場などの屋根をふく職人です。「ふく」とは、屋根材を決まった順番で並べて固定し、雨が中に入らないように仕上げることをいいます。新しく建てる家の屋根をつくる新築工事のほか、古い屋根を新しくするふき替え、割れた瓦の交換や雨もりの修理、台風のあとの補修まで、仕事の幅は広くあります。

国の制度の上でも、屋根は1つの専門分野として扱われています。建設業の許可は、土木一式・建築一式の2つと27の専門工事、合わせて29の業種に分かれており、その1つが「屋根工事業」です。国土交通省の区分では、屋根工事は「瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事」とされています。金属の板でふく屋根も、許可の区分では「板金工事」ではなく「屋根工事」に入ると整理されており、屋根と一体になった太陽光パネルを設置する工事も屋根工事に当たります。

屋根は、家の中でいちばん雨と日光と風を受ける場所です。小さなすき間から入った雨水は、天井裏に回って柱や断熱材を少しずつ傷めます。屋根職人の腕は、10年後、20年後に雨もりが起きないことで証明されます。

この仕事の本質:屋根職人の仕事は、屋根材を並べることそのものより、「雨水の通り道を読み、水が必ず外へ流れ出るように納める」ことにあります。棟、谷、壁との境目、軒先。雨もりが起きやすいのは、いつも屋根の形が変わる部分です。

瓦・金属・スレート|同じ屋根職人でも入口は3つ

「屋根職人」とひとくちに言っても、扱う材料によって仕事の中身はかなり違います。求人を探すときは、まずその会社がどの屋根を中心に扱っているかを確かめるのが近道です。

屋根の種類主な材料仕事の特徴関係する国家検定
瓦屋根粘土瓦、セメント瓦寸法を測って瓦を割り付け、くぎやねじで1枚ずつ固定し、棟を納める。材料が重いかわらぶき技能士
金属屋根(建築板金)鋼板などの金属の薄い板板を切る・折る・曲げて、屋根の形に合わせて現場で納める。外壁や雨どいも扱う建築板金技能士(内外装板金作業)
スレート屋根薄い板状の屋根材軽く、住宅にも多い。上を歩くときは割れて踏み抜かないよう、足の置き場に注意がいる扱う会社によって異なる

国の統計でも、瓦やスレートの職人と、金属屋根の職人は別の職種として数えられています。国土交通省などが決める公共工事設計労務単価では、「屋根ふき工」は瓦ふきやスレートふきなどを行う人、「板金工」は金属の薄い板の加工・取付けと金属板による屋根ふきを行う人と定義されています。厚生労働省の賃金構造基本統計調査でも、屋根ふき工は「その他の建設従事者」に、トタン屋根ふき工は「板金従事者」に分けて集計されています。

瓦の会社に入るか、板金の会社に入るかで、最初に覚える道具も、将来受ける国家検定も変わります。どちらが上ということはないので、「重い材料を1枚ずつ美しく並べる仕事」と「金属の板を自分の手で形にする仕事」のどちらに心が動くかで考えてみてください。

仕事内容と1日の流れ|新築・ふき替え・修理で中身が変わる

新築の屋根ができるまで

足場と安全設備の確認足場、屋根の端の手すり、命綱をかける設備を確かめてから上がる。
下ぶき材を張る屋根の下地の上に、防水の下ぶき材を重ね方の順番を守って張る。屋根材の下で雨を止める最後の砦になる。
屋根材の下地をつくる瓦なら瓦を引っかける桟木、金属屋根なら軒先の水切りなど、固定のための下地を入れる。
屋根材をふく軒先から棟に向かって寸法を割り付け、くぎやねじ、金具で固定していく。
棟・谷・壁ぎわを納める屋根の形が変わる部分は雨もりが起きやすい。水が外に流れるように仕上げる。
雨どい・清掃・記録雨どいを付け、切りくずやくぎを片付け、施工部分を写真に残す。

ふき替え・修理は「古い屋根を読む」仕事

既存の住宅では、古い屋根材をはがして新しくするふき替えや、傷んだ部分の修理が中心です。新築と違い、はがすまで下地の状態がわかりません。雨水がどこから入り、どこを伝って室内に落ちたのかを推理して原因を直さなければ、同じ場所から何度でも雨もりが起きます。

瓦の固定のルールが強化された

令和元年の房総半島台風では、強風で多くの瓦屋根が被害を受けました。これを受けて国土交通省は瓦の固定方法の基準(昭和46年建設省告示第109号)を改正し、令和4年1月1日から、新築などの際には軒、けらば、棟、平部のすべての瓦をくぎやねじなどで固定することになりました。改正前は、軒やけらばの端から2枚までと、棟の1枚おきの瓦に限られていました。

国土交通省の資料では、瓦の工事業者が固定の状況、くぎやねじの仕様、部位ごとの写真などの品質管理記録を作り、工事監理者が設計図と照らし合わせる流れが示されています。いまの屋根職人には、ふく技術に加えて「正しくふいたことを記録で示す」仕事も求められています。

1日の流れの一例

朝は材料と道具をトラックに積んで現場へ向かい、その日の作業と危ない場所を全員で確かめ、墜落制止用器具を点検してから屋根に上がります。荷揚げとふく作業を進め、夕方は清掃と写真撮影をして帰社します。たとえば名古屋市守山区で建築板金の社員を募集している求人では、勤務時間は8:00〜17:30(休憩90分)、残業はほぼなしと書かれています。

新人のうちは、材料を屋根に上げる荷揚げ、材料の受け渡し、下ぶき材張りや切断の補助、清掃が中心です。屋根の上の職人が手を止めずに済むよう、先回りして材料をそろえられる人はすぐに信頼されます。

防水工・板金加工・塗装との違い

屋根に関わる仕事はほかにもあり、求人の言葉も似ています。応募前に違いを押さえておきましょう。

職種主な仕事主な場所
屋根職人(瓦・スレート)傾いた屋根に屋根材をふく、ふき替え、修理住宅などの現場
屋根職人(金属屋根・建築板金)金属板を加工して屋根・外壁・雨どいを納める現場と、板を加工する作業場
防水工屋上やベランダなど平らな所に、水を通さない層をつくる建物の屋上・ベランダなど
工場の板金加工工場で金属板を切り、曲げ、組み立てて製品にする工場
塗装工屋根や外壁に塗料を塗って保護し、見た目を整える住宅などの現場

とくに注意したいのが「板金」という言葉です。求人に「板金」とあっても、建物の屋根や外壁を扱う建築板金なのか、工場で製品をつくる板金加工なのかで、働き方はまったく違います。平らな屋上の防水や、工場の板金加工に興味がある方は、防水工の仕事の解説や板金加工の仕事の解説もあわせて読むと、違いがはっきりします。

屋根職人がきついと言われる5つの理由

この仕事を勧める前に、きついところをはっきり書いておきます。

1.高さと足場

屋根の上は傾いていて、端の先には何もない。慣れても緊張感をなくしてはいけない仕事。

2.夏の暑さと冬の冷え

屋根の上には日陰がない。夏は照り返しも強く、冬は朝の霜や結露で足元が滑りやすい。

3.重さと姿勢

瓦や金属板の束を運び、傾いた屋根の上でしゃがんだ姿勢が続く。足腰に負担がかかる。

4.天気で予定が動く

雨や強風の日は屋根に上がれない。工程がずれ、晴れた日に取り戻すことになる。

5つ目は、見えない所への責任です。屋根の下地や防水は、完成すると誰にも見えなくなります。それでも手を抜けば、数年後に雨もりとして必ず表に出ます。この「ごまかしがきかない怖さ」を重く感じる人もいます。

一方で、これらのきつさには軽くできるものも多くあります。荷揚げに機械を使う、夏は朝の涼しい時間に作業を寄せて昼の休憩を長くとる、空調のついた作業着や冷感インナーを支給する、といった工夫は会社によって大きく差が出ます。暑さについては厚生労働省も、体を少しずつ暑さに慣らす期間(暑熱順化)を計画的に設けることが望ましいとしています。ただし、高さへの緊張感だけは慣れで消してはいけません。「慣れたから大丈夫」という油断が、いちばん危ないからです。

墜落と熱中症を防ぐルールを知っておく

屋根職人を目指すなら、事故の現実とルールを最初に知っておいてください。厚生労働省の令和7年の労働災害発生状況によると、建設業で仕事中に亡くなった人は214人で、そのうち91人が「墜落・転落」によるものでした。建設業の休業4日以上の死傷者13,437人のうち、4,343人も墜落・転落です。

法令で決まっている主なルール

  • 高さ2メートル以上で墜落のおそれがあるときは、足場などで作業床を設ける。難しいときは防網を張り、墜落制止用器具を使わせる(労働安全衛生規則第518条)
  • 高さ2メートル以上の作業床の端や開口部には、囲いや手すりなどを設ける(同第519条)
  • 高さ2メートル以上の場所で、強風、大雨、大雪などの悪天候で危険が予想されるときは作業をさせない(同第522条)
  • スレートなどの屋根で踏み抜きのおそれがあるときは、幅30センチメートル以上の歩み板を設け、防網を張るなどの対策をとる(同第524条)
  • 作業床を設けるのが難しい高さ2メートル以上の場所でフルハーネス型の墜落制止用器具を使う作業には、特別教育が必要(同第36条第41号)

厚生労働省の資料では、墜落制止用器具はフルハーネス型が原則で、高さ6.75メートル以下で地面に届くおそれがある場合には胴ベルト型も使えるとされています。フルハーネス型を使う作業の特別教育は、学科4.5時間と実技1.5時間です。この業務に就かせる前に特別教育を行うのは、会社(事業者)の務めです。入社後いつ受けられるか、器具が支給されるかを確かめましょう。

熱中症の報告体制と対応手順が事業者の義務に

令和7年6月1日から、労働安全衛生規則の改正(第612条の2)により、熱中症の報告体制と、悪化を防ぐ対応手順を整えることが事業者の義務になりました。暑さ指数(WBGT)が28度以上か気温31度以上の場所で、続けて1時間以上か1日4時間を超えて行われる見込みの作業では、体調が悪い人や、仲間の異変に気づいた人がすぐ報告できる体制を決めること、作業から外す、体を冷やす、必要に応じて医師の診察を受けさせるといった手順を決めて、作業する人に知らせることが求められています。

厚生労働省のまとめでは、2025年の職場の熱中症による休業4日以上の死傷者は1,803人で、業種別では建設業が292人と、製造業に次いで多くなっています。真夏の屋根の上は、この条件に当てはまりやすい場所です。

面接で確かめたいこと:フルハーネスや保護帽は支給か自分で買うのか。特別教育は入社後いつ受けられるか。夏の作業時間はどう工夫しているか。雨や強風の日は誰がどう中止を決めるのか。安全の質問に具体的に答えられる会社は、人を大切にする会社です。

年収の目安|屋根職人だけの統計はないので近い分類で見る

最初に大事な前提です。屋根職人だけを集計した公的な賃金統計はありません。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査では、瓦やスレートの屋根ふき工はブロック積工、タイル張工、左官、防水工などと同じ「その他の建設従事者」に、金属屋根のトタン屋根ふき工は工場の板金加工職などと同じ「板金従事者」に含まれています。そこで、この2つの分類を並べて見ていきます。

項目その他の建設従事者
(瓦・スレートのふき工を含む)
板金従事者
(金属屋根のふき工を含む)
年収の目安466.9万円454.2万円
毎月の給与(きまって支給する現金給与額)35.5万円31.1万円
うち所定内給与額32.6万円28.4万円
年間の賞与など40.4万円80.6万円
平均年齢/平均勤続年数41.6歳/9.2年43.0歳/13.6年
月の労働時間(所定内+残業など)168時間+12時間168時間+13時間
従業員10〜99人の会社の年収の目安459.3万円433.7万円

計算の方法:年収の目安は、令和7年賃金構造基本統計調査(一般労働者、企業規模10人以上、男女計)の「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で計算しました。毎月の給与は令和7年6月分、賞与などは前年1年間の額をもとにしています。

どちらの分類も屋根職人以外の職種を多く含むため、屋根職人だけの数値ではありません。目安として読んでください。

この表から読み取れること

まず、2つの分類の年収の目安は約454万〜467万円で、大きくは離れていません。ただし中身の形が違います。「その他の建設従事者」は毎月の給与が高く賞与が少なめ、「板金従事者」は毎月の給与は低めで賞与が多めです。職種の解説によると、板金従事者には屋根をふく人だけでなく、工場の板金加工職や缶の製造工なども含まれます。金属屋根の職人の実際の給与の形は、この表の数字どおりとは限りません。

次に、応募先が小さな会社の場合に備えて、従業員10〜99人の会社の数字も見ておきましょう。どちらも規模計より少し下がり、約434万〜459万円です。

給料は「任せられる工程の数」で上がる

最初は荷揚げや補助が中心で、給与も入門の水準から始まります。1人で下ぶき材を張れる、決まった形の屋根をふける、棟や谷を納められる、職長として現場を回せる、点検や見積もりができる、と任せられる工程が増えるほど給料は上がります。国家検定の等級や資格手当がその段階を後押しします。

日当の目安|公共工事設計労務単価で相場をつかむ

日当を公的なデータで確かめるなら、国土交通省と農林水産省が毎年決める公共工事設計労務単価が参考になります。公共工事の費用を見積もるときに使う職種別・都道府県別の賃金の単価で、令和8年3月からの単価は47都道府県・51職種について決められています。全国・全職種の加重平均は25,834円で、平成25年度から14年続けて上がっています。

職種国の定義(要約)令和8年3月からの単価(8時間あたり)
板金工金属の薄い板の切断・曲げ・接合などの加工と取付け、金属板による屋根ふきを主体的に行う人愛知県33,200円、岐阜県32,900円、静岡県34,200円、三重県35,800円。単価のある38都道府県で26,300円(広島県)〜35,800円(千葉県・東京都・三重県)
屋根ふき工瓦ふき、スレートふきなどの屋根ふき・ふき替えを主体的に行う人(板金工に当たる人を除く)鳥取県28,400円、島根県・岡山県・広島県28,600円、山口県28,500円。単価が決められているのは中国地方の5県のみ
(参考)大工―愛知県34,000円(全国平均30,331円)

労務単価は「手取りの日当」ではありません:労務単価は、基本給にあたる額、通常の手当、賞与などの臨時の給与、食事の支給などの実物給与を合わせて、所定労働時間内の8時間あたりに直したものです。残業などの割増賃金は含まれず、会社が負担する社会保険料などの経費も含まれません。賞与を1日分にならして含んでいる分、毎日受け取る日当より高く見えやすい点に注意してください。

それでも、国の調査にもとづく水準として参考になります。金属屋根を扱う板金工は東海4県で32,900円〜35,800円。愛知県で比べると板金工33,200円、大工34,000円と、近い水準にあります。

日給月給制と月給制の違い

建設業の求人でいう日給月給制は、多くの場合「日給×出勤した日数」を月1回まとめて払う形で、雨で3日休めば3日分がそのまま減ります。ただ、月給を決めておき欠勤した日の分を差し引く形を日給月給と呼ぶ会社もあるため、求人票の日給額と計算のしかたを確かめましょう。月給制なら、雨の日があっても月の基本給は変わりません。梅雨や長雨の月の手取りは、この違いで大きく変わります。

雨の日の扱いは会社によって違います。後で紹介する名古屋市守山区の建築板金の求人では、雨の日は工場内作業や室内工事に切り替え、収入が天候に左右されないようにしていると書かれています。応募前に「雨の日は何をするのか」「その日の給料はどうなるのか」を聞いておきましょう。

一人親方の「日当」は比べ方に注意

独立した一人親方の「1日いくら」からは、道具代、車両代、燃料代、保険料などを自分で払います。一人親方は労災保険に特別加入できる制度がありますが、その保険料も自分持ちです。数字だけを見て「独立すれば稼げる」と考えるのは早計です。

未経験から屋根職人になる7ステップ

瓦か金属屋根かを決める両方を扱う会社もあるので、仕事内容の欄で確かめる。
求人票で安全と教育を見る装備の支給、特別教育、資格の支援、教え方が具体的に書かれているか。
見学や体験入社で高さを確かめる高さの感覚は、話を聞くだけではわからない。
給与の仕組みと雨の日を確かめる月給制か日給月給制か、雨の日の仕事と給料、休日の決まり方。
入社後90日は安全と段取りに集中速さより、確認してから動く習慣をつける。
1年目は1つの工程を任される下ぶき材張りなど、1人でできる工程を1つずつ増やす。
国家検定で腕を証明する3級から受け、実務2年で2級、7年で1級を目指す。

最初の1年で覚えたいこと

  • 屋根の部位の名前(軒、けらば、棟、谷、壁ぎわ)と、雨もりしやすい場所
  • フルハーネスの正しい着け方と、命綱をかける場所の選び方
  • 屋根材ごとの歩き方と、踏んではいけない場所
  • 下ぶき材の重ね方の順番(下から上へ、水が流れる向きに重ねる)
  • 道具と材料の名前、切断や加工の補助
  • 施工写真の撮り方と、清掃の仕上げ方

よくあるつまずき

つまずきやすいのは3つです。1つ目は、最初の夏を甘く見て体調を崩すこと。水分と塩分、睡眠、そして「おかしいと思ったらすぐ言う」ことが大切です。2つ目は、日給月給制の仕組みを知らずに、雨の多い月の給料に驚くこと。3つ目は、慣れてきたころに器具の使い方が雑になることです。前職で寸法を測る、手順を守る、車で荷を運ぶといった経験がある人は、それが加工や段取りでそのまま活きます。

資格と国家検定|かわらぶき技能士・建築板金技能士

国家検定の技能検定は、受けなくても屋根の仕事はできますが、腕を公的に証明する手段になります。等級によって、必要な実務経験の年数が決まっています。

検定等級主な内容
かわらぶき技能士(かわらぶき作業)1級・2級・3級瓦の選定、寸法取り、割付けなどの段取り、瓦を合わせてふき仕上げる作業、瓦屋根の補修。1級は特殊な瓦を含むふき上げ、屋根の見取り図・現寸図の作成、積算・見積もりまで含む
建築板金技能士(内外装板金作業)1級・2級・3級屋根、雨どい、壁、天井の板金工事、はぜ組みによる接合など。1級は高度な板金工事と、図面や仕様書からの積算・見積もりまで含む

厚生労働省の案内では、受検に必要な実務経験は、2級が2年以上、1級が7年以上、3級はその職種の実務の経験があることとされ、学歴や職業訓練の受講歴によって年数が短くなる場合があります。未経験で入社しても、働きながら3級、2級、1級と上がっていけます。なお建築板金には空調の風の通り道をつくる「ダクト板金作業」(1級・2級)もありますが、屋根職人が目指すのは内外装板金作業です。

国家検定とは別に、フルハーネス型の墜落制止用器具を使う作業の特別教育も、屋根の上で働くには欠かせません。どの資格や講習を、どの順番で、誰の費用で受けるのかを入社前に聞いておきましょう。

面接での伝え方:「まず荷揚げと補助で現場の流れを覚え、特別教育を受けて安全に作業できるようになりたい。そのうえで建築板金技能士(またはかわらぶき技能士)の3級から挑戦したい」と段階を踏んだ目標を話せると、本気度が伝わります。

求人の見方と面接|応募前に確かめる10項目

  • 扱う屋根:瓦・金属・スレートのどれが中心か。外壁や雨どいも扱うか
  • 仕事の割合:新築、ふき替え、修理・点検の割合
  • 建物:戸建て住宅中心か、マンションや工場、商業施設もあるか
  • 給与の形:月給制か日給月給制か。固定残業代が含まれていないか
  • 雨の日:作業場や室内の仕事に切り替えるのか、休みになるのか
  • 休日:週休2日か、月6日などのシフト制か。長期休暇の有無
  • 安全:フルハーネスや保護帽の支給、特別教育を受ける時期、夏の作業時間の工夫
  • 応募条件:必要な免許(普通自動車免許など)と、その限定の有無
  • 資格支援:技能検定や講習の費用負担、資格手当
  • 住まいと通勤:寮や住宅手当、マイカー通勤の可否

求人の例:名古屋市守山区の建築板金の会社

マン天には、名古屋市守山区の有限会社OKルーフが、屋根や外壁に金属板を施工する建築板金の正社員を募集する求人が掲載されています。扱う建物は戸建て、マンション、オフィスビル、商業施設などで、給与は月給26万円〜で、これに各種手当が加わります。入社1年目の月収例として、休日を月6日以上とる働き方なら月収26万円以上、完全週休2日制を選ぶなら月収24万円以上(いずれも別に各種手当あり)と、休みと収入のバランスを自分で選べるのが特徴です。

応募には普通免許(AT限定可)が必要で、学歴・年齢は不問、建築・土木現場の経験者は優遇です。雨の日は工場内作業や室内工事に切り替えること、将来は国家資格の建築板金技能士も目指せること、社員寮があること、賞与が年2回(10〜50万円・業績による)あることも書かれています。職場見学や体験入社(日給10,000円・実働8時間)もできるので、高さや現場の雰囲気を確かめてから決められます。

名古屋で屋根・外壁の建築板金の求人を見る

金属板で屋根と外壁を仕上げる仕事です。月休6日以上か完全週休2日制かを選べ、雨の日は工場内作業に切り替えます。仕事内容と条件を確かめてみてください。

建築板金の求人を見る

面接でこちらから聞きたいこと

  • 未経験で入った先輩は、いま何の作業を任されているか
  • 1人で屋根をふけるようになるまで、どのくらいかかることが多いか
  • フルハーネスの特別教育はいつ受けられるか。技能検定は、いつ、誰の費用で受けるか
  • 雨の日と強風の日は、どう判断し、何をするか

志望動機の例(製造業から):前職の工場では、寸法の確認と手順を守ることを大切にして、不良を出さないよう工夫してきました。自分の手でつくったものが何十年も人の暮らしを守る仕事に就きたいと考え、屋根の仕事を志望しました。高い所の作業は初めてですが、安全のルールを最初にしっかり身につけ、荷揚げや補助で現場の流れを覚えながら、建築板金技能士の3級に挑戦したいと考えています。

向いている人・慎重に考えたい人

向いている人慎重に考えたい人
高い所で、緊張感を保ちながら落ち着いて動ける足場に上がるだけで体がすくんで動けなくなる
決まった手順と確認を面倒がらずに守れる「たぶん大丈夫」で確認を飛ばしがち
雨水の流れや納まりを考えるのが面白いと思える見えなくなる部分の仕上げに関心が持てない
屋外の仕事で体を動かすのが好き空調のきいた屋内で働くことが絶対条件
少人数で声をかけ合いながら働ける危ないと思っても言い出しにくい
形に残る仕事に誇りを持てる天気で予定が変わることが強いストレスになる

大切なのは、高さを怖がらないことより、怖さを正しく感じて手順を守れることです。心配な人は、体験入社で実際の足場に上がってみるのが一番の確かめ方です。

キャリアと将来性|屋根を「読める」人は長く必要とされる

キャリアは、一人前の職人から、数人の職人と工程をまとめる職長、屋根の傷みを見極めて直し方と費用を説明する点検・見積もり、そして独立へと広がります。屋根の仕事は、新しい家が建つときだけのものではありません。すでに建っている家の屋根は、年数がたてば必ず傷み、台風や大雪のあとには点検と修理が必要になります。令和4年の瓦の固定基準の強化でも、それ以前に建てられた瓦屋根はただちに基準への適合を求められるわけではなく、いわゆる既存不適格として扱われます。ふき替えや改修のたびに、強風に強い屋根へ直していく仕事は続いていくと考えられます。

独立を考えるなら、建設業の許可も知っておきましょう。国土交通省によると、建築一式工事以外では、1件の請負代金が500万円未満(消費税を含む)の「軽微な建設工事」だけなら許可は必ずしも必要ありませんが、それ以上を請け負うには屋根工事業などの許可が必要です。会社員のうちに、見積もり、材料の手配、安全の管理まで学んでおくことが近道になります。

「どこから雨が入ったか」を言い当て、施主にわかる言葉で直し方を説明できる人は、年齢を重ねても頼りにされます。体力に頼る時期を過ぎても、点検や見積もり、若手の育成で活躍できるのはこの仕事の強みです。

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よくある質問

未経験でも屋根職人になれますか?

なれます。材料の荷揚げや片付け、下ぶき材を張る作業の補助などから始めて、現場で技術を覚えていくのが一般的です。現場への移動や材料運びに車を使うため、普通自動車免許を応募条件にする求人があります。国家検定のかわらぶき技能士や建築板金技能士は、働きながら実務経験を積んで受けるのが一般的な流れです。

高い所が苦手でも続けられますか?

最初は誰でも緊張します。足場、手すり、フルハーネス型の墜落制止用器具など、落ちないための設備と使い方は法令で決まっており、正しく使うことで作業に集中できるようになります。ただし、足場に上がるだけで体が動かなくなるほど苦手な場合は、職場見学や体験入社で実際の高さを確かめてから決めるのが安全です。

屋根職人の年収はどのくらいですか?

屋根職人だけの公的統計はありません。令和7年賃金構造基本統計調査から計算すると、瓦やスレートの屋根ふき工を含む「その他の建設従事者」は約466.9万円、金属屋根のふき工を含む「板金従事者」は約454.2万円です。会社の規模、地域、任される工程、資格によって差があります。

屋根職人の日当はいくらくらいですか?

目安になるのは国土交通省などが決める公共工事設計労務単価です。令和8年3月からの単価では、金属屋根を含む板金工が愛知県で33,200円、瓦やスレートの屋根ふき工が中国地方の5県で28,400円〜28,600円です。ただし、これは公共工事の見積もりに使う8時間あたりの単価で、賞与なども1日分にならして含むため、手取りの日当とは別物です。

雨の日は仕事や給料はどうなりますか?

高さ2メートル以上の場所では、強風や大雨などの悪天候で危険が予想されるときは作業をさせてはならないと労働安全衛生規則で決まっており、雨の日は屋根の上の作業を中止するのが一般的です。雨の日を作業場での加工や室内の工事に振り替える会社もあります。日給月給制では休んだ日の分だけ月の収入が減るため、給与の形と雨の日の扱いを面接で確認してください。

瓦と金属屋根(板金)、どちらの会社を選べばいいですか?

どちらが上ということはありません。瓦は1枚ずつ割り付けて固定し、重い材料を扱います。金属屋根は板を切る・折る・曲げる加工が多く、建築板金の仕事には外壁や雨どいも含まれます。国家検定も、瓦はかわらぶき技能士、金属屋根は建築板金技能士と分かれるため、身につけたい技術で選び、見学で実際の現場を見て決めるのがおすすめです。

まとめ|怖さを正しく扱える人が、長く続く屋根職人になる

この記事の要点

  1. 屋根職人は、屋根材をふいて雨と風から建物を守る仕事。瓦・スレートと金属屋根では、覚える技術も国家検定も違う。
  2. きつさの中心は、高さ、夏の暑さ、重さと姿勢、天気で予定が動くこと。
  3. 令和7年、建設業の死亡者214人のうち91人が墜落・転落。墜落を防ぐ設備と器具のルールは法令で決まっている。
  4. 令和7年6月から熱中症の報告体制と対応手順づくりが事業者の義務に。夏の作業の工夫は会社選びの物差しになる。
  5. 屋根職人だけの賃金統計はない。近い2分類の年収の目安は約454万〜467万円。
  6. 日当の目安は公共工事設計労務単価。板金工は愛知県で33,200円だが、手取りの日当とは別物。
  7. 日給月給制か月給制か、雨の日に何をするかで月の収入は変わる。
  8. 技能検定は3級から。2級は実務2年、1級は7年が目安。

屋根職人の仕事は、たしかに楽ではありません。けれども、自分がふいた屋根の下で、ある家族が何十年も雨の心配をせずに暮らしていく。その手応えは、この仕事ならではのものです。

未経験から目指すなら、体力や度胸より先に、「確認してから動く」「おかしいと思ったらすぐ言う」ができるかを自分に問いかけてください。最初の一歩は、求人票で「どの屋根を扱うか」「雨の日の扱い」「安全の装備と教育」を確かめ、見学や体験入社で実際の現場を見ることからで構いません。

参照元ソース

※数値は各出典の公表値です。賃金構造基本統計調査の値は対応する職種分類の統計で、屋根職人だけの数値ではありません。公共工事設計労務単価は公共工事の積算に使う単価で、実際に支払われる日当とは異なります。単価や法令、試験の内容は改定されることがあります。最新の情報は各出典元と求人票をご確認ください。

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