セキュリティ機器の施工スタッフとは?未経験から”手に職”をつける仕事内容・年収・資格を徹底解説【2026年版】
「このまま今の仕事を続けて、10年後も食べていけるだろうか」――自動化やAIのニュースを見るたび、そんな不安がよぎる人は少なくないはずです。実際、事務作業やレジ業務など、機械への置き換えが進む仕事は年々増えています。 一方で、需要が伸び続けているのに、機械には任せられない仕事も確かに存在します。その代表格が、防犯カメラや入退室管理システムなどを建物に取り付ける「セキュリティ機器施工」の仕事です。 防犯意識の高まりでセキュリティ機器の設置件数は増え続けているのに、取り付けられる職人の数はまったく足りていません。つまり今は、未経験者にとって「売り手」の状態。この記事では、仕事内容から年収、役立つ資格、失敗しない会社選びまで、転職を考える前に知っておきたい情報をすべてまとめました。この記事でわかること
- セキュリティ機器施工の具体的な仕事内容と現場の種類
- 「なくならない仕事」と言われる3つの理由
- 未経験スタートからの年収の伸び方
- 働きながら取れる資格とキャリアの広げ方
- ブラック企業を避ける会社選びの7つのチェックポイント
セキュリティ機器施工とは?――「守る仕組み」を建物に取り付ける仕事
セキュリティ機器施工とは、オフィスビル・店舗・工場・マンション・公共施設などに、防犯・防災のための機器を設置し、配線し、正しく動く状態に仕上げる仕事です。図面をもとに機器の位置を決め、ケーブルを通し、機器を固定し、動作確認をして引き渡す。「電気工事」と「精密機器の設定」の中間にあるような、専門性の高い技術職です。| 扱う機器の分類 | 代表的な機器 | 設置される場所の例 |
|---|---|---|
| 映像監視 | 防犯カメラ、レコーダー、モニター | 店舗、駐車場、マンション共用部 |
| 入退室管理 | カードリーダー、電気錠、オートロック | オフィス、研究施設、学校 |
| 侵入検知 | 各種センサー、警報装置、通報装置 | 事務所、倉庫、金融機関 |
| 通信・連携 | インターホン、ネットワーク機器 | マンション、病院、商業施設 |
映像監視
防犯カメラ、レコーダー、モニター/店舗、駐車場、マンション共用部
入退室管理
カードリーダー、電気錠、オートロック/オフィス、研究施設、学校
侵入検知
各種センサー、警報装置、通報装置/事務所、倉庫、金融機関
通信・連携
インターホン、ネットワーク機器/マンション、病院、商業施設
「警備員」とはまったく別の仕事です
セキュリティ業界と聞くと制服姿の警備員を思い浮かべる人が多いのですが、施工スタッフは「守る人」ではなく「守る仕組みをつくる技術者」。夜勤で立ち続けるのではなく、日中に現場で工具を使って作業するのが基本です。警備員の仕事に興味がある方は警備員の仕事内容・年収の解説記事をどうぞ。
数字で見る「伸びているのに人が足りない」業界
この仕事の将来性は、感覚ではなく数字で確認できます。 まず需要側。機械警備(センサーやカメラで建物を監視する契約)の対象施設数は増加を続けており、防犯カメラをはじめとするセキュリティ機器の国内市場も拡大傾向にあります※1※2。企業のオフィス、物流倉庫、学校、そして一般住宅まで、「カメラとセンサーを付けるのが当たり前」の範囲が年々広がっているためです。 次に供給側。設置工事に不可欠な電気工事士は高齢化が進み、経済産業省の試算では約2万人規模の担い手不足が見込まれています※3。工事系職種の有効求人倍率も全職業平均を大きく上回る水準が続いています※4。 仕事は増える、人は減る。この需給ギャップこそ、未経験者が採用され、育ててもらえる最大の理由です。企業側は「経験者の取り合い」に限界を感じ、未経験者を一から育てる方針に切り替えつつあります。なぜ「機械に置き換えられにくい」のか――3つの理由
理由1:現場が一つとして同じではないから
天井の高さ、壁の材質、配線ルート、既存設備との干渉――建物の条件は現場ごとにすべて違います。図面通りにいかない場面で「ではどう通すか」を判断するのは人間の仕事です。工場のライン作業のようにパターン化できないため、自動化が極めて難しい領域です。理由2:セキュリティ機器は「進化するたび」に工事が発生するから
機器が高性能になるほど仕事が減る、ということはありません。むしろ逆で、アナログカメラからネットワークカメラへ、鍵からカードや生体認証へと技術が進化するたびに、入れ替え工事の需要が生まれます。新しい技術の普及が、そのまま施工職人の仕事量になる構造です。理由3:防犯・防災は「後回しにできない支出」だから
景気が悪くなると広告費や交際費は削られますが、防犯設備は資産と安全を守るための支出であり、簡単には削減されません。むしろ治安への不安が高まる局面では投資が増える傾向すらあります。好況でも不況でも需要が消えにくいのが、この分野の大きな特徴です。年収はどのくらい?――未経験スタートからの伸び方
気になるお金の話です。あくまで一般的な目安ですが、キャリアの階段は次のようなイメージになります※5。| 段階 | 年収の目安 | できるようになること |
|---|---|---|
| 未経験1年目(見習い) | 300万〜350万円 | 先輩の補助、配線、機器の取り付け |
| 3年目(一人前) | 350万〜450万円 | 現場を一人で担当、後輩の指導 |
| 5年目〜(リーダー・職長) | 450万〜550万円 | 複数現場の管理、顧客との調整 |
| 施工管理・独立 | 550万円〜 | 工事全体の統括、または一人親方として受注 |
未経験1年目
300万〜350万円/先輩の補助、配線、機器の取り付け
3年目(一人前)
350万〜450万円/現場を一人で担当、後輩の指導
5年目〜(リーダー)
450万〜550万円/複数現場の管理、顧客との調整
施工管理・独立
550万円〜/工事全体の統括、独立受注
1日の流れ――「夜勤なし・日中働く」のが基本
1
8:00 会社・倉庫に集合、資材積み込み
その日の現場と作業内容を確認し、機材や工具を車に積んで出発します。
2
9:00 現場到着、朝礼・段取り確認
建物の管理者に挨拶し、作業範囲と安全事項を確認。図面と現場を照らし合わせます。
3
9:30〜12:00 配線・機器取り付け
天井裏や壁内にケーブルを通し、カメラやセンサーを図面の位置に固定していきます。
4
13:00〜16:30 結線・設定・動作確認
機器をつなぎ込み、映像や信号が正しく届くかテスト。不具合があれば原因を追って直します。
5
17:00〜 片付け・帰社、報告
現場を清掃して撤収。日報を書いて終業です。現場が終われば直帰できる会社も多くあります。
「きつい?」――よくある5つの不安を検証
不安1:体力的にきつい?
脚立での高所作業や資材の運搬はありますが、扱う機器はカメラやセンサーなど軽量なものが中心です。鉄筋や足場材を担ぐような仕事と比べれば、体への負担は明らかに軽い部類。40代・50代で現役の職人が多いことが、それを証明しています。不安2:覚えることが多そう
確かに機器の種類は多いですが、最初から全部を覚える必要はありません。どの会社でも「配線→取り付け→設定」と段階を踏んで教えるのが普通で、半年〜1年かけて一通りできるようになるのが標準的なペースです。不安3:不器用でも大丈夫?
器用さより大切なのは「手順を守れること」と「確認を怠らないこと」です。セキュリティ機器は動作確認の工程が必ずあるため、丁寧に確認できる人ほど評価されます。プラモデルや配線いじりが好きなら、むしろ向いている可能性が高いでしょう。不安4:休みは取れる?
オフィスや学校の工事は先方の営業時間に合わせるため、日曜固定休の会社が多いのが実情です。週休2日制を導入する会社も増えています。求人票では年間休日数と「現場都合の休日出勤の扱い」を必ず確認しましょう。不安5:本当に将来性がある?
前述の通り、市場は拡大、職人は不足。さらに設置した機器には保守・点検・更新という継続的な仕事が発生します。一度技術を身につければ、転職・独立を含めて「食いっぱぐれにくい」スキルになります。働きながら取れる資格――キャリアを加速させる3つ
無資格・未経験で入社できますが、次の資格を取ると任される仕事と給与が一気に変わります。多くの会社が受験費用の補助や資格手当を用意しています。- 第二種電気工事士:電源工事に必須の国家資格。受験資格は不要で、実務と並行して半年程度の勉強で十分狙えます。
- 消防設備士(甲種4類):自動火災報知設備の工事に必要。防災系の仕事も請けられるようになり、対応範囲が広がります。
- 電気工事施工管理技士:現場全体を管理する立場への切符。取得すれば年収500万円超のゾーンが見えてきます。
キャリア例
24歳飲食アルバイトから転職
入社1年目は先輩の補助で配線と取り付けを担当。2年目に第二種電気工事士に合格して電源まわりの作業を任され、資格手当で月給アップ。3年目に消防設備士を取得し、現場を一人で回せるように。3年で年収+約100万円。「アルバイト時代は履歴書に書けるものが何もなかった。今は国家資格が2つある」
未経験からの転職・4つのステップ
1
求人を比較する(1週間)
「未経験歓迎」「資格取得支援」を条件に、通える範囲の求人を3社以上比較します。給与だけでなく研修体制と休日を見比べるのがコツです。
2
応募・面接(1〜2週間)
技術は問われません。「手に職をつけたい理由」と「長く続ける意思」を自分の言葉で話せれば十分です。
3
入社・OJTで基礎を習得(〜半年)
先輩に同行し、工具の使い方、配線、取り付けを実地で覚えます。この期間から給与は満額支給されるのが普通です。
4
資格取得・独り立ち(1〜3年)
第二種電気工事士に挑戦し、現場を一人で担当できる状態へ。ここから年収の伸びが本格化します。
失敗しない会社選び――7つのチェックポイント
同じ「セキュリティ機器施工」でも、会社によって働きやすさは大きく変わります。応募前に次の7点を確認してください。応募前チェックリスト
- 仕事の受注元が安定しているか――大手セキュリティ会社から直接・継続的に受注している会社は、仕事量が景気に左右されにくく給与も安定します
- 未経験者の教育体制が具体的か――「先輩同行○ヶ月」など期間が明示されているか
- 資格取得支援の有無――受験費用補助・資格手当があるか
- 年間休日と休日の取り方――日曜固定か、週休2日か
- 残業時間の実態――月平均の残業時間が数字で示されているか
- 社会保険・退職金などの基盤――正社員としての土台が整っているか
- キャリアの選択肢――施工管理や営業など、現場以外への道が用意されているか
年代別アドバイス――20代・30代・40代、それぞれの戦い方
20代「若さ」がそのまま最大の武器。体力と吸収力を評価され、採用のハードルは最も低い年代です。20代のうちに資格を2つ取れば、30代前半で年収500万円台・リーダー職が現実的な射程に入ります。第二新卒での異業種転職を考えている人は第二新卒の転職完全ガイドも参考に。
30代前職の経験が思わぬ形で活きる年代。営業経験は顧客対応に、製造業経験は品質意識に、運転経験は現場移動にそのまま転用できます。「未経験だが社会人としての基礎はある」ことを示せれば、20代より早く現場を任されるケースも珍しくありません。
40代「最後の手に職」として選ぶ価値がある年代。体力負担が比較的軽く、丁寧さが評価される仕事のため、40代未経験の採用実績がある会社は少なくありません。面接では「腰を据えて長く働きたい」という安定志向を正直に伝えることがプラスに働きます。
よくある質問
Q1. 学歴や資格がなくても本当に応募できますか?
A. できます。この職種は学歴不問・無資格OKの求人が大半で、資格は入社後に会社の支援を受けながら取るのが一般的な流れです。人手不足を背景に、意欲を最重視する採用が主流になっています。
Q2. 電気の知識がゼロですが、ついていけますか?
A. 問題ありません。最初の仕事は配線の補助や機器の固定など、知識より丁寧さが求められる作業です。知識は現場で先輩に教わりながら自然と身につき、その延長線上に資格試験があります。
Q3. 高いところが少し苦手です。無理でしょうか?
A. 作業の中心は脚立に乗る程度の高さ(2〜3m)で、鳶職のような高所作業とは質が異なります。安全帯やヘルメットの着用が徹底されており、慣れで解消する人がほとんどです。ただし極端な高所恐怖症の場合は面接で正直に相談しましょう。
Q4. 女性でも働けますか?
A. 働けます。扱う機器が軽量なため力仕事の比重が小さく、女性の施工スタッフも増えつつあります。細やかな確認作業や顧客対応で高い評価を得ているケースが多く見られます。
Q5. 転勤や長期出張はありますか?
A. 会社によります。地域密着で通える範囲の現場だけを担当する会社もあれば、広域展開している会社もあります。拠点が複数ある会社なら「自宅から通える拠点での採用か」を応募時に確認してください。
Q6. 将来、独立はできますか?
A. 可能です。電気工事士などの資格と実務経験を積めば、一人親方として独立する道があります。設置後の保守・更新という継続需要があるため、独立後も仕事が途切れにくいのがこの分野の強みです。
この記事のまとめ
- セキュリティ機器施工は「守る仕組み」を建物に取り付ける技術職
- 防犯需要の拡大で市場は成長、担い手は不足という売り手市場
- 現場ごとに条件が違うため、機械への置き換えが極めて難しい
- 未経験1年目は年収300万円台、資格と経験で500万円超も射程に
- 夜勤なし・日中勤務が基本で、生活リズムを保ちやすい
- 第二種電気工事士・消防設備士がキャリアの分岐点になる
- 会社選びは「受注元の安定性」と「教育体制」を最優先で確認
- 20代は吸収力、30代は社会人経験、40代は安定志向がそれぞれ武器になる
「手に職」への第一歩は、求人を見比べることから
マン天には、未経験歓迎・資格取得支援ありのセキュリティ機器施工・製作施工系の求人が掲載されています。まずはどんな条件の会社があるか、比較してみてください。
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- 警察庁「警備業の概況」(機械警備対象施設数の推移)https://www.npa.go.jp/publications/statistics/index.html
- 民間調査会社によるセキュリティ関連市場調査(市場規模の推移)
- 経済産業省「電気保安人材の中長期的な確保に向けた検討」(電気工事士の担い手不足試算)
- 厚生労働省「一般職業紹介状況」(建設・電気工事関連職種の有効求人倍率)
- 厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag(電気工事従事者等の賃金データ)
執筆・編集:マン天編集部/最終更新日:2026年7月9日
※本記事の年収・待遇に関する記載は一般的な傾向であり、個々の求人の条件は各求人ページをご確認ください。


