玉掛け技能講習の取り方・費用・日数|特別教育との違いと会社負担【2026年版】

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資格の取り方ガイド・2026年版

玉掛け技能講習の取り方・費用・日数|特別教育との違いと、会社負担で取れる職場

クレーンで荷を吊る現場に欠かせない「玉掛け」。建設・製造・物流の求人では、会社の負担で取れる資格としてよく名前が挙がります。どんなときに技能講習が必要で、どんなときは特別教育でよいのか。講習の科目と時間、一部免除の条件、費用と日数、修了後に守ること、会社負担で取るときの確かめ方までを、法令・厚生労働省の告示と教習機関の公式ページをもとに整理しました。

  • 1トン資格が分かれる境目
    (クレーンのつり上げ荷重)
  • 19時間技能講習の基本の時間
    (学科12時間・実技7時間)
  • 9時間以上1トン未満で必要な
    特別教育の時間
  • 約2.5万〜3.3万円教習機関3か所の受講料
    (税込・テキスト代込み)
  • 対象:未経験・これから資格を取りたい人
  • 費用は教習機関の公式ページで確認
  • 会社負担で取れる求人あり

先に結論:玉掛けの資格は、荷の重さではなく、使うクレーンの「つり上げ荷重」で決まります。つり上げ荷重1トン以上のクレーン・移動式クレーン・デリックの玉掛けには玉掛け技能講習の修了が必要で、1トン未満なら会社が行う特別教育(9時間以上)で就けます。技能講習の基本のコースは学科12時間・実技7時間の計19時間で、今回確かめた教習機関はいずれも3日間の日程。費用は税込・テキスト代込みで約2.5万〜3.3万円でした(2026年10月29日確認)。クレーンの免許などがあれば一部免除で短く安くなります。建設や製造の求人には費用を会社が全額負担する例も多いので、自分で払う前に、応募先の資格取得支援を確かめましょう。

この記事の目次
  1. 玉掛けとは
  2. 資格の分かれ目は1トン
  3. 技能講習と特別教育の違い
  4. 技能講習の科目と時間
  5. 一部免除で短くなる人
  6. 費用と日数
  7. 申し込みから修了まで
  8. 自己負担を減らす方法
  9. 修了後に守ること
  10. 玉掛けが活きる仕事と求人
  11. 会社負担で取るときの確認点
  12. よくある質問
  13. まとめ

玉掛けとは?荷を「掛けて、外す」までの一連の作業

玉掛けは、クレーンで荷をつり上げるときに、ワイヤロープなどの用具を荷とクレーンのフックに掛けたり、外したりする作業です。厚生労働省の建設労働者育成支援事業のサイト(建設業ウェルカム)は、クレーンのフックにワイヤーロープなどで固定した吊り荷を「掛けたり」「外したり」する作業と説明しています。

ただ掛けて外すだけではありません。荷の重さと重心を見積もり、荷に合った用具を選び、クレーンの運転者に合図を送って荷を動かしてもらう。玉掛けをする人の用具の選び方と合図が、クレーン作業全体の安全を左右します。講習でも、用具の選び方と使い方、基本の動作、合図の方法までをまとめて学びます。

1.荷を見る

荷の重さを見積もり(質量目測)、重心の位置と、どこに用具を掛けるかを考える。

2.用具を選んで点検する

ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ベルト、フック、シャックルなどから荷に合うものを選び、傷みがないかを確かめる。

3.掛けて、合図する

荷に用具を掛けてフックに掛け、合図で少しずつ吊り上げてもらう。荷のバランスを確かめてから動かす。

4.降ろして、外す

合図で目的の場所に降ろしてもらい、荷が安定したのを確かめてから用具を外す。

玉掛け用具には法律の決まりがある

玉掛けに使う用具の扱いは、クレーン等安全規則で細かく決められています。講習で学ぶ内容の土台になる決まりなので、主なものを並べておきます。

決まり中身条文
作業開始前の点検その日の作業を始める前に、ワイヤロープ、つりチェーン、繊維ロープ、繊維ベルト、フック、シャックル、リングなどに異常がないか点検する。異常があればすぐに補修する第220条
安全係数玉掛け用のワイヤロープは6以上、フックとシャックルは5以上でなければ使えない(切れる荷重を、かかる荷重の最大値で割った値)第213条・第214条
使ってはいけないワイヤロープ1よりの間で素線の10%以上が切れているもの、直径の減り方が公称径の7%を超えるもの、キンクしたもの、著しい形くずれや腐食があるもの第215条
つり荷の下への立入禁止つりクランプ1個で玉掛けした荷や、ワイヤロープなどで1か所に玉掛けした荷などが吊られているときは、荷の下に人を立ち入らせない第29条・第74条の2
運転の合図クレーン・移動式クレーンの作業では、一定の合図を決め、合図をする人を指名して合図させる(運転者が1人で作業する場合を除く)第25条・第71条

資格の分かれ目は「クレーンのつり上げ荷重1トン」

労働安全衛生法第61条は、クレーンの運転などの危険な業務について、免許を受けた人や技能講習を修了した人などでなければ就かせてはならないと定めています(就業制限)。対象の業務を並べた施行令第20条の第16号に、「つり上げ荷重が一トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリックの玉掛けの業務」が入っています(制限荷重1トン以上の揚貨装置の玉掛けも同じ号)。

一方、つり上げ荷重1トン未満のクレーンなどの玉掛けは、労働安全衛生規則第36条第19号で「特別教育が必要な業務」とされ、クレーン等安全規則第222条で、会社(事業者)が特別教育を行うよう決められています。

使うクレーンなどのつり上げ荷重玉掛けに必要なもの主な根拠
1トン以上玉掛け技能講習の修了(ほかに、職業訓練の玉掛け科の修了など)労働安全衛生法第61条、施行令第20条第16号、クレーン等安全規則第221条
1トン未満会社が行う玉掛けの特別教育労働安全衛生法第59条第3項、労働安全衛生規則第36条第19号、クレーン等安全規則第222条

ここで大事なのは、吊る荷の重さではなく、クレーンの能力で決まるという点です。つり上げ荷重は、施行令第10条で「クレーン、移動式クレーン又はデリックの構造及び材料に応じて負荷させることができる最大の荷重」と定められています。たとえば300kgの荷でも、つり上げ荷重が1トン以上のクレーンで吊るなら、玉掛けをする人は技能講習の修了者でなければなりません。東京労働基準協会連合会も、玉掛け作業はつり荷の質量ではなく、使用するクレーンなどのつり上げ荷重によって資格が決まると案内しています。職場のクレーンの多くが1トン以上なら、最初から技能講習を取っておくのが確実です。

18歳未満は玉掛けの業務に就けない

年少者労働基準規則第8条は、満18歳に満たない人を就かせてはならない業務として、「クレーン、デリック又は揚貨装置の玉掛けの業務」を挙げています。ただし、2人以上で行う玉掛けの業務での補助作業は除かれています。18歳になる前に働き始める人は、誕生日を迎えるまでは補助作業から始めることになります。講習を受けられる年齢は教習機関ごとに案内が違うので、申し込む前に確かめましょう。

玉掛けとクレーンの運転は別の資格

玉掛けの資格で運転できるのは、クレーンではありません。移動式クレーンの運転は、つり上げ荷重1トン以上5トン未満なら小型移動式クレーン運転技能講習の修了、5トン以上なら移動式クレーン運転士免許が必要です(施行令第20条第7号、クレーン等安全規則第68条)。荷台にクレーンを積んだトラックで、自分でクレーンを操作して荷を降ろす仕事なら、クレーンの運転と玉掛けの両方の資格が必要になることがあります。重機と組み合わせる資格の全体像は「重機オペレーターは「やめとけ」?」で、クレーン付きのトラックを含む4tトラックの仕事は「4tトラックドライバーはきつい?」で紹介しています。

技能講習と特別教育の違い|できる範囲・時間・証明

同じ「玉掛けの資格」でも、技能講習と特別教育では、受けられる場所も、時間も、できる範囲も違います。

項目玉掛け技能講習玉掛けの特別教育
就ける玉掛けつり上げ荷重1トン以上(1トン未満も含めて対応できる)つり上げ荷重1トン未満だけ
行うところ都道府県労働局長の登録を受けた教習機関会社(事業者)。教習機関の講習を会社が使うこともある
時間学科12時間・実技7時間の計19時間(免除なしの場合)学科5時間以上・実技4時間以上の計9時間以上
試験学科と実技の修了試験がある告示に修了試験の定めはない
修了の証明教習機関が技能講習修了証を交付。業務中は携帯する義務がある会社が受講者・科目などの記録を作り、3年間保存する

特別教育の科目と時間は、厚生労働省の告示「クレーン取扱い業務等特別教育規程」第5条で決まっています。学科は、クレーン等に関する知識1時間、玉掛けに必要な力学に関する知識1時間、玉掛けの方法2時間、関係法令1時間。実技は、玉掛け3時間と運転のための合図1時間です。会社が自前で行うほか、コベルコ教習所のように9時間の玉掛け特別教育を開いている教習機関もあります。

建設業ウェルカムは、玉掛け技能講習の資格を取得すると、すべての玉掛け作業で活躍できると説明しています。1トン未満の作業しかない職場でも、異動や転職で1トン以上のクレーンを使う現場に移ることは十分ありえます。転職でも通用する資格として持っておくなら、技能講習です。

「特別教育で1トン以上」は認められない:特別教育を受けただけの人が、つり上げ荷重1トン以上のクレーンの玉掛けをすることはできません。労働安全衛生法第61条第2項は、資格のある人以外は就業制限の業務を「行なつてはならない」としています。会社の指示であっても、自分の身を守るために、使うクレーンのつり上げ荷重と自分の資格を確かめておきましょう。

玉掛け技能講習の科目と時間|19時間で学ぶこと

技能講習の中身は、クレーン等安全規則第246条と、厚生労働省の告示「玉掛け技能講習規程」で決まっています。免除を受けない場合の科目と時間は次のとおりです。

区分科目主な範囲時間
学科クレーン等に関する知識種類と型式、構造と機能、安全装置とブレーキ1時間
学科玉掛けに必要な力学に関する知識力の合成・分解・つり合い・モーメント、重心と物の安定、摩擦、質量、荷重、応力、玉掛け用具の強さ3時間
学科玉掛けの方法一般的な作業方法、玉掛け用具の選び方と使い方、基本動作(安全な作業方法を含む)、合図の方法7時間
学科関係法令労働安全衛生法・施行令・労働安全衛生規則・クレーン等安全規則の関係条項1時間
実技クレーン等の玉掛け質量目測、玉掛け用具の選定と使用、0.5トン以上の荷を使った基本作業と応用作業6時間
実技運転のための合図手や小旗などを使う合図1時間

学科でいちばん時間をとるのは「玉掛けの方法」の7時間です。力学の3時間では、荷の重心や、用具にかかる力を考えます。最初の章で紹介した「安全係数」のような計算の考え方が出てくるので、テキストの例題は一度自分で解いておくと安心です。実技は、告示で10人以内を1つの単位として行うことになっていて、指導員の目が届く人数で、実際の荷を使って練習します。

講習の最後には修了試験があります。学科試験は学科の科目について筆記または口述で、実技試験は実技の科目について行います(玉掛け技能講習規程第5条)。合格すると、教習機関から技能講習修了証が交付されます(労働安全衛生規則第81条)。

3日間の流れ(日本クレーン協会東海支部の例)

1日目:学科(8:50〜17:00)クレーンの種類や構造、力学の基礎などを座学で学ぶ。
2日目:学科(8:50〜17:00)玉掛けの方法や関係法令の続きを学び、16時ごろから学科試験。
3日目:実技(8:20〜18:00、終了時間は目安)用具を選んで荷を吊る練習と合図の練習をし、16時半ごろから実技試験。実技の日は、案内された日程の中から1日を選ぶ。

時刻は同支部の2026年度の開催案内のものです。東京労働基準協会連合会の安全衛生研修センターも、学科2日間・実技1日間の組み方で、学科の修了試験を1時間、実技の修了試験の目安を1時間としています。3日とも朝から夕方までの日程なので、働きながら受ける人は、休みの取り方を先に考えておきましょう。

一部免除で短くなる人|クレーンの資格や玉掛けの経験がある場合

玉掛け技能講習規程は、持っている資格や経験によって、受講を免除できる科目と、短い特例のカリキュラムを決めています。告示の時間から計算すると、次のようになります。

持っている資格・経験免除・特例の中身講習の時間
クレーン・デリック運転士免許、移動式クレーン運転士免許、揚貨装置運転士免許のどれかを持つ人/床上操作式クレーン運転技能講習または小型移動式クレーン運転技能講習の修了者「力学に関する知識」(3時間)と「運転のための合図」(1時間)の受講を免除15時間
クレーンや移動式クレーンなどの運転の業務に6か月以上従事した人など「運転のための合図」(1時間)の受講を免除18時間
つり上げ荷重1トン以上のクレーンなどの玉掛けの補助作業の業務に6か月以上従事した人など特例のカリキュラム(学科11時間・実技5時間)16時間
つり上げ荷重1トン未満のクレーンなどの玉掛けの業務に6か月以上従事した人上の特例から「運転のための合図」を除いたカリキュラム15時間

出典:厚生労働省「玉掛け技能講習規程」第2条〜第4条。時間は告示の科目ごとの時間から編集部が計算しました。

この表から、未経験の人が取れる順番の1つが見えてきます。まず会社の特別教育を受けて1トン未満の玉掛けに6か月以上たずさわり、そのあと15時間の特例のコースで技能講習を受ける道です。また、小型移動式クレーンの技能講習を先に取った人は、玉掛けを15時間で受けられます。

教習機関によってコースの組み方は違う:告示の免除をそのまま使う教習機関ばかりではありません。たとえばコベルコ教習所の16時間のコース(クレーンの免許や運転技能講習の修了者向け)は、「力学に関する知識」だけを免除し、合図は受講する組み方です。また、経験による免除や特例には、会社が経験を証明する書類が必要になります(コマツ教習所の案内では「事業主経験証明」)。自分が使えるコースと必要な書類は、申し込む教習機関で確かめてください。

費用と日数|3つの教習機関の公式ページで確かめた例

技能講習の受講料は、国が一律に決めているものではなく、教習機関ごとに違います。愛知県の2か所と東京都の1か所について、公式ページに載っている金額を2026年10月29日に確かめました(いずれも税込)。

教習機関(所在地)基本のコース(19時間)一部免除・特例のコース日程
一般社団法人日本クレーン協会 東海支部(愛知県半田市・半田教習センター)24,500円(受講料22,800円+テキスト代1,700円。非会員の場合)22,500円(免除・特例とも。非会員の場合)学科2日+実技1日の3日
コマツ教習所 愛知センタ(愛知県一宮市)33,000円(テキスト代を含む)・3日免許などによる15時間:29,000円・2.5日/補助作業の経験などによる16時間:30,000円・2.5日コースによって2.5日または3日
公益社団法人東京労働基準協会連合会 安全衛生研修センター(東京都江戸川区)33,030円(受講料31,350円+テキスト代1,680円)29,730円(受講料28,050円+テキスト代1,680円)学科2日+実技1日の3日

日本クレーン協会東海支部は、勤め先が同支部の会員事業所であれば、それぞれ1,000円安い会員の料金も示しています。東京労働基準協会連合会の料金は、令和8年9月1日現在の料金表によります。

3か所を並べると、免除のない基本のコースで約2.5万〜3.3万円、日数は3日が目安です。ただし、これは今回確かめた3か所の例で、ほかの地域や教習機関では金額も日程も変わります。料金が改定されることもあるので、申し込む前に必ず教習機関の最新の案内を見てください。

受講料のほかにかかるもの:申込書に貼る写真(日本クレーン協会東海支部は30mm×24mmを1枚)、会場までの交通費、休んだ日の収入。日本クレーン協会東海支部の案内では、講習初日の6営業日前以降は納めた会費を払い戻さないとしています。申し込んだ日に受けられなくなったときの扱いも、先に読んでおきましょう。

申し込みから修了まで|6つのステップ

必要な資格を確かめる使うクレーンのつり上げ荷重が1トン以上か未満か。免除や特例を使える資格・経験があるか。
教習機関と日程を選ぶ技能講習を行えるのは、都道府県労働局長の登録を受けた教習機関です。たとえば日本クレーン協会東海支部は、案内に「愛知労働局長登録第1号」と書いています。通いやすさ、日程、土日のコースがあるかで選びます。
申し込んで支払う日本クレーン協会東海支部の場合は、申込書、写真1枚、本人確認書類(免許証やパスポートなど)の写しを出し、会費を振り込みます。免除を使う人は資格証の写しも出します。経験による特例では、会社による経験の証明を求める教習機関もあります。
3日間(免除があれば短く)受講する学科は座学、実技は少人数で実際の荷を吊ります。動きやすい服装や持ち物は、教習機関の案内に従います。
修了試験を受ける学科と実技の試験に合格すると修了です。
修了証を受け取る東京労働基準協会連合会の安全衛生研修センターでは、合格すると原則として講習の修了日に、写真入りのプラスチックカードの修了証を交付するとしています。

会社に勤めていない人でも申し込めます。東京労働基準協会連合会は、会社に勤めていなくても講習の申し込みはできると案内しています(講習によっては業務経験の証明などが必要)。講習は日本語のテキストを使い、修了試験も日本語(漢字を含む)で行うとしています。日本語に不安がある人向けに、コベルコ教習所はベトナム語のコースも設けています。

自己負担を減らす3つの方法

1.会社の資格取得支援を使う

玉掛けは、資格がないと任せられない仕事に直結するため、建設や製造の会社が費用を負担しやすい資格です。マン天に掲載中の求人にも、玉掛けの取得費用を会社が全額負担すると書いた求人が並んでいます(後の章で紹介します)。会社負担の仕組みの種類、辞めたときに費用の返済を求められる約束の考え方、講習の時間が労働時間にあたるかどうかは、「資格取得支援制度とは?会社負担で取れる資格と辞めたときの返済の注意点」で詳しく解説しています。

2.求職中なら、国の建設労働者育成支援事業

厚生労働省の建設労働者育成支援事業(建設業ウェルカム)は、建設業で働きたい人向けに、全国で無料の職業訓練を行っています。よくある質問によると、無料になるのは技能実習費・資格取得費・就職支援で、対象は未就職者・離職者など求職活動中で建設業への就職を考えている人です。取得できる資格の一覧に玉掛け技能講習が入っています。

ただし、資格だけを取るための訓練ではなく、建設業への就職をめざす訓練です。複数のコースは受けられず、交通費などは自己負担とされています。訓練コースは地域と時期によって違うので、サイトの訓練コース一覧で探しましょう。

3.会社が使える助成金の対象になっている講習もある

日本クレーン協会東海支部は、同支部の玉掛け技能講習が人材開発支援助成金(人材育成支援コース・建設労働者技能実習コース)の対象だと案内しています。コベルコ教習所も、玉掛け技能講習を建設事業主に対する助成金制度の対象としています。助成金を申請するのは会社なので、応募する側が直接使うものではありませんが、会社が講習の費用を出しやすい理由の1つです。

費用を自分で払う場合に使える国の給付金との関係も、「資格取得支援制度とは?」の中で説明しています。

修了後に守ること|携帯・再交付・定期的な教育

修了証は携帯する

労働安全衛生法第61条第3項により、玉掛けなど就業制限の業務に従事するときは、免許証や修了証など資格を証明する書面を携帯していなければなりません。玉掛けの作業に入る日は、修了証を持っているかを毎回確かめる習慣をつけましょう。

なくしたら再交付、名前が変わったら書替え

修了証をなくしたり傷めたりしたときは、交付を受けた教習機関に再交付を申し込みます。名前が変わったときは書替えを申し込みます(労働安全衛生規則第82条)。交付した教習機関が講習の業務をやめている場合などは、厚生労働大臣が指定する機関に、技能講習を修了したことを証明する書面の交付を申し込みます。どこで受けたかを忘れないよう、修了証の写しを手元に残しておくと安心です。

定期的な安全衛生教育

厚生労働省の「危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針」は、就業制限の業務に就いている人などに対し、会社が一定期間ごとに安全衛生教育(定期教育)を行うよう求めています(会社は指針に基づき実施するよう努めなければならないとされています)。玉掛けの業務に就いている人向けのカリキュラムは計5時間で、最近の玉掛け用具などの特徴(1時間)、玉掛け用具などの取扱いと保守管理(2.5時間)、災害事例と関係法令(1.5時間)です。指針は、教育を原則として就業時間内に行うものとしています。

合図をする人は会社が指名する:クレーン等安全規則第25条・第71条により、クレーンを使う作業では会社が一定の合図を決め、合図をする人を指名します。作業に加わる人はその合図に従わなければなりません。玉掛けの資格を取ったら、自分の職場では誰が合図をするのか、どんな合図を使うのかを、作業に入る前に確かめておきましょう。

玉掛けが活きる仕事と、会社負担で取れる求人

玉掛けの資格が活きるのは、クレーンで資材や製品を吊って動かす職場です。マン天に掲載中の求人から、玉掛けを会社負担の取得支援の対象に挙げている4件を並べました(内容は求人ページの表記にもとづきます)。

求人仕事内容(求人ページの表記から)玉掛けの取得支援の書き方
株式会社セントラル(名古屋市港区)重機オペレーター名古屋市内の近距離の現場で、地中の本管を交換するためにショベルカーなどで掘削作業資格・免許取得支援制度(全額負担)の対象に、中型免許、配管技能士、玉掛け技能講習、車両系建設機械運転者、移動式クレーン運転士など
株式会社セントラル(名古屋市港区)配管工事職人名古屋市内(愛知県内)の上下水道の配管を図面どおりにつなぎ、埋め戻しと清掃まで行う自己負担金0円で、配管技能士、玉掛け技能講習、車両系建設機械運転者、移動式クレーン運転士など
株式会社嘉戸工務店(名古屋市天白区)建築現場のマルチスキルワーカー東海3県の大手ゼネコンの建築現場で、コンクリートの打設や足場の組立・解体、重機による掘削作業など取得可能資格に足場の組立て等作業主任者、フルハーネス、玉掛、車両系など。取得費用を会社が全額負担
株式会社浅井製材所(愛知県春日井市)製函梱包スタッフ愛知電機株式会社の構内で、梱包用の木枠・木箱を図面をもとに製作し、製品を梱包する業務に必要な資格は入社後に会社全額負担で取得可能(フォークリフト・クレーン・玉掛)

4件とも雇用形態は正社員です。応募の条件として、セントラルの2件は「【要】普通自動車運転免許」、嘉戸工務店は「※要普通免許」と書いており、浅井製材所は学歴不問・業種・職種経験不問としています。嘉戸工務店と浅井製材所の給与は日給月給制です。浅井製材所の求人は、活かせる資格としてフォークリフト・移動式クレーン・玉掛けを挙げ、業務に必要な資格は入社後に取れるので持っていない人も歓迎としています。

職種ごとの仕事の中身は、「配管工は未経験でもなれる?」「とび職は未経験でもなれる?」「木枠梱包の仕事とは?」で詳しく紹介しています。物流の現場で玉掛けと一緒に求められやすいフォークリフトについては「フォークリフト免許で人生が変わる?」も参考になります。

玉掛けを会社負担で取れる重機オペレーターの求人

名古屋市港区の株式会社セントラルの重機オペレーター(正社員)の求人です。月給300,000円〜500,000円で、資格・免許取得支援制度(全額負担)の対象に玉掛け技能講習や移動式クレーン運転士などが挙がっています。応募には普通自動車運転免許が必要です。

重機オペレーターの求人を見る

会社負担で取るときの確認点|求人票と面接で聞くこと

「資格取得支援あり」と書かれていても、中身は会社ごとに違います。玉掛けの場合は、次の8点を確かめておくと、入社後の食い違いを減らせます。

  • 対象は玉掛け技能講習か、1トン未満の特別教育だけか
  • 使うクレーンのつり上げ荷重(1トン以上の作業があるか)
  • いつ受けられるか(入社してすぐか、現場に慣れてからか)
  • 費用の範囲(受講料・テキスト代・交通費・宿泊費のどこまでか)
  • 講習の日は勤務の扱いになるか、給与は出るか
  • 一緒に取れる資格(小型移動式クレーン、車両系建設機械、フォークリフトなど)と、取る順番
  • 途中で辞めたときに費用の返還を求める規程があるか(あれば書面で)
  • 独り立ちまで、誰がどのくらい一緒に作業して教えてくれるか

技能講習の修了証は、講習を修了した本人に交付されるものです(労働安全衛生規則第81条)。会社の費用で取っても、転職先で使える資格として自分のものになります。そのぶん、辞めたときの返還の約束がある会社もあるので、面接では「資格取得支援の規程を見せてもらえますか」と聞いてかまいません。研修や独り立ちまでの支え方の見抜き方は、「未経験歓迎の求人で失敗しない研修制度の見抜き方」も参考にしてください。

面接での聞き方の例:「玉掛けの資格は持っていません。入社後に取れるとのことですが、技能講習はいつごろ、どちらの教習機関で受けることが多いですか。講習の日は出勤扱いになりますか」。具体的に聞くことで、会社が実際にどう運用しているかが見えてきます。

愛知で玉掛けを会社負担で取れる仕事を募集中

名古屋市の重機オペレーターと建築現場の作業、春日井市の製函梱包の正社員求人です。3件とも、玉掛けを会社が費用を負担する資格取得支援の対象に挙げています。

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よくある質問

玉掛けは資格がなくてもできますか?

できません。つり上げ荷重が1トン以上のクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛けは、玉掛け技能講習を修了した人などでなければ行えません(労働安全衛生法第61条、同法施行令第20条第16号)。1トン未満のものは、会社が行う特別教育(学科5時間以上・実技4時間以上)を受ければ就けます。資格が必要かどうかは、吊る荷の重さではなく、使うクレーンのつり上げ荷重で決まります。

玉掛け技能講習は何日かかり、費用はいくらですか?

免除のない基本のコースは学科12時間・実技7時間の計19時間で、今回確かめた3つの教習機関はいずれも3日間の日程でした。費用(税込・テキスト代込み)は、日本クレーン協会東海支部が24,500円(非会員)、コマツ教習所愛知センタが33,000円、東京労働基準協会連合会の安全衛生研修センターが33,030円です(2026年10月29日確認)。クレーンの免許などがあれば一部免除のコースを選べ、時間も費用も少し減ります。

特別教育を受けていれば、1トン以上の玉掛けもできますか?

できません。特別教育で就けるのは、つり上げ荷重1トン未満のクレーンなどの玉掛けだけです。1トン以上には玉掛け技能講習の修了などが必要です。ただし、1トン未満の玉掛けの業務に6か月以上従事した人は、技能講習を15時間の特例のコースで受けられます(玉掛け技能講習規程第4条)。

玉掛け技能講習は何歳から受けられますか?

年少者労働基準規則第8条により、18歳未満の人は玉掛けの業務に就けません(2人以上で行う玉掛けの補助作業を除く)。受講の条件は教習機関が決めていて、日本クレーン協会東海支部は受講資格を「特になし」としたうえで、18歳未満の人が玉掛け作業を行うことは禁止されていると案内しています。申し込む教習機関で確かめてください。

クレーンの免許や講習を持っていると、玉掛けの講習は短くなりますか?

短くなります。クレーン・デリック運転士免許、移動式クレーン運転士免許、揚貨装置運転士免許を持つ人や、床上操作式クレーン・小型移動式クレーンの運転技能講習を修了した人は、「力学に関する知識」(3時間)と「運転のための合図」(1時間)の受講を免除でき、15時間になります。コマツ教習所愛知センタでは、この15時間のコースは2.5日・29,000円でした。教習機関によってコースの組み方は違います。

修了証をなくしたら、どうすればいいですか?

修了証を交付した教習機関に再交付を申し込みます(労働安全衛生規則第82条)。名前が変わったときは書替えです。その教習機関が講習の業務をやめていた場合は、厚生労働大臣が指定する機関に、技能講習を修了したことを証明する書面の交付を申し込みます。玉掛けの業務に就くときは修了証などの携帯が義務づけられているので、なくしたら早めに手続きしましょう。

まとめ|玉掛けは「1トン」と「会社負担」から確かめる

この記事の要点

  1. 玉掛けは、用具を選んで荷とフックに掛け、合図で荷を動かし、外すまでの一連の作業。
  2. 資格は荷の重さではなく、クレーンのつり上げ荷重で決まる。1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育。
  3. 技能講習は学科12時間・実技7時間の計19時間で、修了試験がある。特別教育は9時間以上。
  4. クレーンの免許・運転技能講習があれば15時間、1トン未満の玉掛けの経験が6か月以上あれば15時間の特例など、短いコースがある。
  5. 今回確かめた3か所の費用は、基本のコースで24,500円〜33,030円(税込・テキスト代込み)、日数は3日。
  6. 18歳未満は玉掛けの業務に就けない(2人以上で行う補助作業を除く)。
  7. 会社負担で取るなら、対象の講習、費用の範囲、講習日の扱い、辞めたときの返還の規程を確かめる。

玉掛けは、3日ほどの講習で取れる一方で、建設・製造・物流と幅広い現場で求められる資格です。クレーンを使う作業の安全を担う役目なので、取ったあとも用具の点検と合図の基本を守り続けることが、現場で信頼される近道になります。

これから取るなら、まずは応募先の求人に「玉掛け」の取得支援があるかを確かめ、会社負担で取れる職場から選ぶのが、お金の面でも、経験を積む面でも無理のない始め方です。

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※各出典の内容は2026年10月29日に確認しています。受講料・日程は教習機関が改定することがあります。求人の内容は掲載時点のもので、変わることがあります。申し込み・応募の前に、各出典と求人ページをご確認ください。

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